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ひらがなの導入で ①

言葉を聞いて意味がわかったり話したりすることはできても、文字を読めるかは別の問題です。
自然に、あるいはある程度苦労して、ひらがなを覚えるお子さんがほとんどです。しかし中には、文字を理解することが難しいお子さんがいます。

ワントゥーワンでABAの手法で文字を教えていくお子さんのほとんどは、例えば「ながやま さよ」という字面を【nagayamasayo】という音=自分の名前、と認識しています。だから、たくさんある名前カードから自分の名前を探すことはできます。しかし名前カードを見せて「な」はどれ?と聞くと、「な」の文字を指し示すことはできません。つまり1つの文字に1つの音ということがわからないのです。だから1つの文字に1つの音がマッチングできるように教えていきます。

たまに絵カードの裏面に文字が書いてあるひらがなカードがありますが、それを使って教えてもらった経験があるお子さんにありがちなのは「も」を見ると【momo】と覚えてしまっていることです。裏の桃の絵を言っているのです。「さ」を見て【saru】、「と」を見て【tokei】言います。はじめて文字を覚えようとするお子さんより、このように覚えてしまっているお子さんのほうが、1つの文字に1つの音だとわかるようになるまでに、かえって時間がかかることがあります。

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「あ」を【a】という音と結びつけることはとても困難ですが、やり方(ABA)があるので、できるようになることが多いです。普通には文字が読めるようにならないお子さんがひらがなを理解し、読めるようになることは、支援する側にとって大きな喜びとなります。文字や数の学習の導入は、根気や工夫も要りますが、やりがいのある課題です。

時間をかけて1つの文字に1つの音だとわかり、それを全部覚えることができると、子どもの世界もぐっと広がります。また、例外なく発音も良くなります。


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