見出し画像

「人を育てる」意識がある自治体は生き残る

私の周りには、海外や民間企業、その他機関に出向した上司が多々います。(たまたまですが)

そういった方々は、そうでない方々よりも価値観の幅が広く、議論ができ、自分の頭で考え、合理的な判断ができる方が多いです。

言い換えると、そうでない方々は、上司・部下ガチャで言えば、「ハズレ」予備軍です。(私も含めて)

さらに、その割合が全体の9割以上という事実が、状況をより深刻にしています。

人材育成できない自治体に未来はない?

自治体によっては、人材育成に力を入れて、外部出向や人材交流を積極的に行っているところもありますが、ほとんどの自治体が、年に片手で数えるくらいの枠しか確保していないでしょう。

理由は、(採用数に比する)人材不足だったり予算不足だったりしますが、そういう理由づけで若手に経験を積ませることができない自治体は、数十年の長期スパンで考えた場合、もはや未来がない(少なくとも将来性はない)と思って良いと思います。

理由は、ハズレ上司・部下予備軍が蔓延り、実際にハズレに成り下がった方が多い組織になっているからです。

具体的には、時代の変化に追いついていけない、というリスクが生じます。

現在の自治体のコロナ対策にみる危機感

時代に追いつかなくても、行政はなくならないし、何とかなるんじゃない?これまでなんとかなってきたし。と思った方、少し危険かもしれません。

これは、現在の全国各地の後手後手のコロナ対応で、少しはピンとくる方もいるのではないでしょうか?

すなわち、コロナの感染者がぶり返している現在でも、テレワーク職員の方が多い、というようなリスクヘッジをできている自治体は、ほぼありません。形式的に「導入している」けど、「普及はしていない」のが実情です。

この状況の元では、そもそもコロナ対策に携わるべき自治体側が組織として全滅する、というリスクがあります。

現時点ではそうなっていないですが、時間が経つにつれて発生する「変異種」のレベル感によっては、最悪の場合、自治体側でクラスターが発生するという自治体が出てきてもおかしくありません。

それが生じないように、組織をシステムでリスクヘッジすべきなのですが、それを怠り、結局気合と根性論で危ない橋をなんとか渡っているのが現状です。

ハズレ予備軍の方々が悪いのではない

ただ、予備軍の方々も、そうなりたくてなっているわけではありません。実際に予備軍なだけで、しっかりと自分の頭で考えようと努力している方もしますし、現に尊敬できる方もいます。

それに、希望しても経験することができない方もいらっしゃいます。そのため、その方々が悪い、ということは一概には言えないのです。

長期的に公務員の価値観から離れることができなかった結果、そうなってしまう方が多いという場合がほとんどです。

今回私が問題提起したいのは、この最も大きな問題「人を育てる」という意識がない組織です。

公務員が安定で持て囃されるようになったのは最近

地方公務員は、安定の職業とされ、今や親が子供に就職してほしいランキングや、結婚したい職業ランキングで、上位に来るまでになりました。

ただ、よく考えてみてください。

「終身雇用」という単語、聞き覚えありませんか?

そう、数十年(バブル)前は、民間企業に入社してから定年まで勤め上げるのが一般的だったのです。民間でも十分安定していたのです。

それって、今の社会が公務員に抱くイメージと同じじゃないですか?

そして、それが終焉した事実を、既に皆さんは知っています。

自分の頭で未来を考えよう

この事実から学べるのは、公務員制度が将来継続している保証はどこにもない、ということです。

つまり、公務員、特に地方公務員は、自治体の運営という観点から、歳入を確保し、歳出をコントロールし、財政のバランスをとりながら、管轄エリアの平穏を維持していく必要があります。

しかし、その長期的視点を持って、組織の人材育成に力を注げている自治体はほとんどありません。

これから就職を考えている皆さんが、もし地方公務員を目指すと考えるならば、これだけはちゃんと覚えて就職してください。(家を建てる時も意識することを勧めます)

・自治体の制度に、人材育成のためのカリキュラムがあるか?(研修制度などがあるとしてもカリキュラムは形骸化していないか?)

・現時点で、自治体の財政健全化比率に基づく、歳入と歳出のバランスは適切か?

・(現行制度として定年となる)65歳時点で、その自治体は、どんな年齢構成になっているか?


組織の将来を決めるのは、法律や名前ではなく、その組織を構成する方々です。その方々に対する投資ができない自治体は、この数十年でどんどん駆逐されていくでしょう。

本日もここまで読んでくださりありがとうございました。

                          ひとりシンクタンク




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?