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宝物と出会った日。


明るくなりすぎていない薄い紺色の空に
空気が静かに澄んでいる
一日のはじまりを待っててくれているような
冬の朝が好き。

温かい紅茶を淹れて、朝ごはんの支度を
はじめようとキッチンに立っていると
家族が起きてきた。

「ママ!ジャムがなーい!!
今日ジャム屋さんあるかな?」と娘が言うと

「前に買ったお店が出店してるからあるよ!」
と夫くんが答えてくれた。

今日は半年に一度ある
県内で有名なクラフト市場へ行く。

世界にひとつしか存在しない
ありとあらゆる表情をみせる品々と
それらを生み出した作家さん本人から
お迎えできる安心感と高揚感。

木々が季節によってが織りなす
薄いベールに包まれたような会場の雰囲気が
慌しい日常を忘れさせてくれる
そんな束の間の非日常を味わえる場所。

お目当てのお店の
苺とブルーベリーのジャムと、
Book blendという名前に惹かれた
珈琲豆を抱えながら会場を歩いていたら...


出会ってしまった。

まるで障子から透き通った光のような
雪が優しく反射したような
ホットミルクの薄い膜のような
優しい乳白色のお皿と目が合ってしまった。

作者さんは、 
とても可愛らしい同世代の方で
お話ししていると、
じんわり優しい気持ちになった。

大切に梱包してもらい、
大切に抱えて会場をあとにした。


「ママ、また宝物が増えたね!!
ママはおっちょこちょいだから気をつけて使わなきゃだね!!」

「うん。大切な宝物だから
すごく大切に使っていかなきゃね。」


この小さい宝物は私の事を
すごくよくわかっているんだな。と
微笑ましく思った。


多くは持てないけれど、
抱えきれるだけの
宝物をしっかり愛していきたい。

                                       ito.

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