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【物語の基本要素とは】ヒットの設計図 ポケモンGOからトランプ現象まで

ストーリー開発や研究に活用できそうな本の紹介とレビューを掲載する
Story Book Laboratory(略してSBL)をスタートします。

2018年に出版された「ヒットの設計図」(早川書房)には物語を語るための重要な基本的要素が記されているので紹介したいと思う。

著者はデレク・トンプソン。

アメリカの経済・メディア関連の雑誌の記事を執筆している。タイトル通り、ヒットについての本ではあるが、これまで多数のヒットに関する本は出版されているが、ヒットがどのように生み出されるのかだけではなく、それが生まれた時、どのように他の人たちが知るのかという提起している。

音楽、映画、テレビ番組、本、ゲーム、アプリ、その他のカルチャーにおいて、人々が好む製品を作る秘訣とは?

同様のアイデアなのに、全く当たらない製品と大当たりする製品があるのはなぜか?

二つの問いは関連しているが、同じではないと言う。時代は変わっても変わらないのは人間の心理構造。最も基本的なニーズ、つまり、「何かに属していたい」「嫌なものから逃れたい」「何かを手に入れたい」、「物事を理解したい」、「人から理解されたい」などのニーズは永遠に普遍である。

物語が響き合い、影響を与え続けるものは時代を超えても変わらないと言う。

物語の3つの基本的要素

「物語の力」について分析された内容は一際、興味深い。ストーリーテリングの研究者ヴィンセント・ブリュージーズはハリウッドの脚本アナリストでもあり、映画作品のヒットにまつわる研究も行っている。

私のコラムでも紹介している神話学者ジョーゼフ・キャンベルの『千の顔をもつ英雄』について触れている。

アーキタイプやヒーローズジャーニーについては『神話の法則』を読んでいただければわかるので、ここでは省略するが、キャンベルが示したストーリーの各段階よりさらに重要なのは、ストーリーが持つ3つの基本的要素がある。
簡単に要約すると以下の3つの要素が必要となる。

「人を鼓舞すること」
ヒーローは見る人を鼓舞する存在ではなくてはならない。

「感情移入できること」
観客は自分をヒーローに置き換えて映画を見たい。

「サスペンス」
栄光への道の途中、ヒーローはさまざまな失敗でつまづき、観客は不安になったり、ハラハラさせられたりする。

個人的にはクリストファー・ボグラーの「神話の法則」、「SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本」も読んでいるのでこの3つの要素は何れにしても共通した法則に繋がっていると思う。これをうまく活用しているのが、Netflixでヒットしていている「韓国ドラマ」がまさにこの3つの要素が組み込まれている。





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