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【ワンパブ・オープン社内報 vol.6】 “時代に追いつこう”と思ったら負け。GetNavi web初代編集長によるトレンド分析術とは

第4メディアプロデュース部 GetNavi web編集長 山田 佑樹

【ワンパブ・オープン社内報】は、ワン・パブリッシングで働く人を通して、会社・雑誌・メディアが、いまどのような新しいことにチャレンジしているかをお伝えしている連載です。今回はGetNavi webの編集長として、テレビやラジオなどのメディアにも出演している山田佑樹さんに話を聞いてきました。(所属や肩書は取材当時のものです)

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【社員プロフィール】
山田佑樹
2007年入社。
デジキャパ!編集部 → ル・ボラン編集部 → GetNavi編集部 を経て、2016年3月よりGetNavi web編集長となり、現在に至る。


「使って語る」を徹底したレビューがGetNavi web最大の武器

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―入社してから今に至るまで、趣味的要素が強い媒体ばかりを担当してきたのですね。現在編集長をしているGetNavi webについて、簡単に教えてもらえますか?

GetNavi webは、「モノ・コト・暮らしの深堀りレビュー&ニュース」を提供するデジタルメディアです。デジタル・家電といった電気の通るものから、乗り物・文房具・アウトドアまで、新しいものなら何でも取り上げます。

2016年3月にサイトをスタートしてから、今年でちょうど5周年。立ち上げと同時に編集長になったので、僕の編集長の歴史も丸5年ということになりますね。

―雑誌のGetNaviとデジタルメディアのGetNavi web、両方の編集を経験されていますが、この2つはどのように差別化されているのでしょうか?

雑誌のGetNaviが母体ではありますが、雑誌とwebは完全に別チームで制作しています。現在の編集スタッフ数は、紙が8人、webが11人なので、webの方が大所帯ですね。

雑誌のコア読者層は45歳前後で男性8:女性2、一方webは35歳前後で男女比が6:4です。コア層にしっかり情報を届けること前提で企画を考えてはいますが、ガチガチに縛られず、おもしろそうだと思ったものは積極的に取り上げています。

―紙よりもスタッフ数が多いんですね! GetNavi webは月に何本くらい記事を公開しているのですか?

月に500~600本、1日あたり20本前後アップしています。スタッフ数が多いのは記事の本数も理由のひとつですが、それだけじゃありません。じつはwebチームでは、企業のウェブコンテンツやサイト作りのお手伝いもしているので、メンバーが多くなっているんです。これまでのメディア運営で得たノウハウを企業に提供している、と言いましょうか。

そんなわけで、記事の編集作業をする人間とは別部隊の人員が必要なので、必然的にチームの規模も大きくなっていますね。

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―それは、雑誌と大きく違う点ですね。ちなみに、雑誌よりも女性読者の割合が大きいことに驚きました。特にGetNavi webで人気がある記事のジャンルはなんでしょうか。

家電・グルメ・デジタル記事の人気が高いです。特に家電は毎日の暮らしに必要なものなので、見せ方次第では女性にも受け入れられるんですよね。意識しているのは、「使って語る」こと。

すべての記事でというわけにいきませんが、可能な限り編集スタッフやライターが実際に使ったレビューをお届けしています。読者や企業の方からも支持してもらっていますし、ここまで細かく丁寧にレビューしているところは他媒体でもあまりないんじゃないかな。地味だけど、GetNavi webの強みだと思っています。

―では、今後力を入れていきたいジャンルはどのあたりですか?

ビジネス、マネー、ファッション、お酒関連ですかね。ファッションと言っても、お洒落なファッション記事を目指すというよりは、ビジネスウェアとか仕事でも使えるアウターとか……あと、バッグやスニーカー、小物関係ももっとやりたいなと思っています。

それから、漫画の連載も引き続き力を入れていきたいです。webの記事はテキストと写真で構成されますが、そこに漫画が加わると表現の幅が広がるんです。読者に向けてもそうですが、漫画家さんにもGetNavi webに漫画の連載があることをもっと認知してもらえるよう、努力していきたいです。

今年でサイト開設5周年、いろいろと仕掛けていきます!

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―今年でGetNavi webが立ち上がって5周年ということで、何か特別に予定しているイベントなどありますか?

ピンポイントで何かをするというよりは、一年を通じていろいろと仕掛けていく予定です。まずは、雑誌チームと一緒にクロスチャンネル戦略をスタートし、Twitter、Facebook、Instagram、YouTube、動画配信、オンラインイベントなど、さまざまなチャネルで情報発信していきます。

特にSNSは一番接しやすいプラットフォームだと考えているので、ガチで固い情報というよりは柔らかく身近に感じやすいコンテンツを出していきたいです。

―こちらは、紙とwebが一緒になって進めていくのですね。

はい。GetNavi webを立ち上げたときに紙とwebのチームをわけたのは、兼務になると雑誌が忙しい時期はwebが更新できないという問題が生じることが懸念されたからです。やるならリソースを別にして、安定的に記事を出せる体制にしたかったんですね。

5年経って、GetNavi webもそこそこ大きなメディアに成長してきまして、記事作りやマネタイズのノウハウもできてきた。ここで改めて、紙とwebを融合してパワーアップさせたいよね、という流れになりました。

―なんでも、Instagramには編集部アカウントと、山田さんの編集長アカウントがあると聞きました。

編集部のアカウントは、GetNaviらしく様々なジャンルの商品をオススメするガイドブック的な内容になっていて、「マガジンらしさ」を意識しています。

一方、僕のアカウントはとにかく愛用品を語るというだけ。読者は、「GetNaviの人って、こんなアイテムを使ってるのか!」といったことも知りたいはず。1投稿1アイテム、本当に私生活でヘビーユースしている商品を紹介しています。写真も、撮り方とか世界観を統一するよう意識してます。

―では、山田編集長のInstagramも、5周年記念で仕掛けていくもののひとつ……?

いや、僕のはそうではないんですけど(笑)。ただ、Instagramのテキストを頑張ってます。Instagramなのに! テーマを「モノのあはれ」として、毎回800文字くらいで、モノに触れて感じる情趣や機微を語るという。

モノを使うなかでの「気づき」を自分の中で腹落ちさせるために書いている面もあります。15分で書けるときもあれば1時間くらいかかるときもあるんですが……。自分にとっての書く力の筋トレですね。

縦横無尽に立ち回るポジションで、常にチャレンジし続けたい。

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―ここからは、山田さんご自身のお話を聞かせてください。常に新しい情報を得るためにアンテナを張り巡らせていると思いますが、普段どんなところから情報を得るのですか?

基本的には、みなさんと一緒ですよ。ネットのニュースとか、個人的に「このジャンルならこのサイトをチェックしよう」っていうものがあって、そういうサイトを常にチェックしたり。

あとは、新しいもの好きな友人のSNS投稿も参考になります。そういうものを見ていると、なんとなくこれから流行りそうだなという兆しは見えますね。

―ちなみに本音では、いわゆるモノ・トレンドメディアの編集長という立場上、常に最新情報を持っていないとマズイ!という重圧があったりしますか?

確かになくはないですが、僕としてはあまり瞬間風速的なトレンドは意識していないんです。逆に、持ってないとマズイ!と思うのは、新しいトレンドを身体に採り入れる柔軟性です。僕らの仕事は「時代に追いつこう」と思った時点で負けだという気がしています。「追いつこう」という発想の時点で遅れているし、永遠に追いつけない気がするんですよね。

自分たちで世の中の流行を作ってやるとは思ってないのですが、新しいテクノロジーやムーブメントを純粋に楽しみつつ、一方で、世の中の動きや流行り廃りを、少し引いたところから落ち着いて見て、判断することが大事かなと。

たとえば、最近でいうと、Clubhouse(クラブハウス)って招待制の音声アプリが一気に話題になったじゃないですか。その様子を見て、「Clubhouseをやらないと、流行りに乗れない」って発想になったら負けかな。

流行っているからやらなきゃという強迫観念の中で体験しても、面白くないですよね。もしくは、「きっとmixiと同じようなものでしょ」と端から決めつけてしまったり。「よくわからないけど面白そう、いろいろ使って新しい体験をしたい」という気持ちが先にないと、本当にそのサービスを楽しめないと思います。

同時に、楽しみたい気持ちを無理やり作るのではなくて、フラットに楽しみたいと思える姿勢が大事。GetNavi webでも「Clubhouse」の使い方の記事を専門家の方に解説してもらいましたが、ガンガンに煽るというよりは、少し落ち着いて、サービスの本質とか奥深さみたいなものをレビューする形にしました。この姿勢は、今後も大切にしたいです。

―トレンドに対する真摯な姿勢に注目して、今後のGetNavi webの記事を見ていきたいと思います。では、山田さんがお仕事をしていて一番楽しい・うれしい瞬間はどんな時ですか?

仕事に限らずプライベートもですが、商品の箱を開ける瞬間です。

―最近、箱を開けてテンションが上がったものは?

一番は、テレビかな。BRAVIAの最新モデルを買いまして。あらゆる性能面がアップされてリッチだなと思ったんですが、それ以上に生活自体が大きく変わりました。

僕も家族も地上波と同じくらいYouTubeを見るんですけど、今までスマホで完結していたものが、大きなディスプレイで見られる、しかも家族が好きなコンテンツを流したりして……コミュニケーションの仲介役を担ってくれています。

―少し前までは考えられないテレビの役割ですね。家電を介して、家族の関係が豊かになるなんて素敵です! 最後に、今後の夢や作りたい本、目標などを教えてください。

いろんなものをカバーできるような、縦横無尽なスタンスを貫きたいと思っています。今の時代、ひとつのことを深く極める縦軸のプロフェッショナルはたくさんいますし尊敬しますが、多ジャンルのことを幅広くカバーする横軸のプロフェッショナルがなかなか出にくくなっています。

これだけライフスタイルや価値観が多様化するなかで横軸をつなぐのは困難だと思うのですが、そのポジションを目指したいです。個人としてもそうだし、GetNavi webとしてもいろいろなジャンルが載っている雑多感がいいなと思うんですよね。

そういう意味では、まだ正式に発表にはなっていませんが、FYTTE(ダイエットやヘルスケアの情報サイト)との共同プロジェクトを進行中です。今後も、横方向に自由に動き回りたいです!

―テレビの情報番組からのオファーも絶えない山田さん。これからもトレンドに追われることなく、冷静な視点でアイテムやサービスを分析し、私たちに情報を届けてください。山田さん、ありがとうございました!

GetNavi web
「モノ・コト・暮らしの深堀りレビュー&ニュース」を提供するデジタルメディア
https://getnavi.jp/
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山田編集長 Instagram(@yamadarushimu) 
GetNavi Twitter(@getnavi_onepub)

(取材:水谷映美/撮影:我妻慶一)

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