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【ワンパブ・オープン社内報Vol.26】銀行員、芸能マネージャー、編集者。異色の経歴を持つ『@Living』編集長の多忙な日々を追う

第4メディアプロデュース部『@Living』編集長 兼 『GetNavi web』副編集長 和田 史子

【ワンパブ・オープン社内報】は、ワン・パブリッシングで働く人を通して、会社・雑誌・メディアが、今どのような新しいことにチャレンジしているかをお伝えしている連載です。今回は、『@Living』編集長であり、『GetNavi web』の副編集長を務める和田史子さん。二足の草鞋ならぬ、三足も四足も履きこなす超多忙な和田さんの日々を追いかけました。(所属や肩書は取材当時のものです)

【社員プロフィール】
和田 史子(わだ ふみこ)
信託銀行、某芸能事務所勤務を経て、出版業界に飛び込む。女性誌、情報誌などの編集を経験した後、2016年学研プラスに入社。『GetNavi web』編集部にて文房具ジャンルを担当し、『文房具総選挙』の企画運営などに携わる一方で、企業受託案件なども進めている。さらに『@Living』編集部も兼務。
2021年より『GetNavi web』副編集長、今年2022年からは『@Living』編集長を務める。


真面目に、丁寧に、ひたむきに。今年で7年の『@Living』の魅力とは

ランチはこんなオシャレなカフェの軒先でゆっくりとお茶……なんて時間を過ごしたい、という夢想

―まずは、和田さんが現在担当されているお仕事内容について教えてください。

二つ肩書があります。一つは、モノ・コト・暮らしの深掘りレビュー&ニュースを提供するデジタルメディア『GetNavi web』の副編集長。担当ジャンルは「文房具」で、今年10回目を迎えたイベント「文房具総選挙」の企画運営も担当しています。そのほかにも企業タイアップの記事制作や、他部署と連携した企画にも取り組んでいます。

もう一つは、家と家のなかの暮らしにまつわる情報を発信する女性向けのライフスタイルWEBメディア『@Living』の編集長です。

上記以外にも、メーカーさんの商品のブランディングやマーケティング、企業サイトのリニューアルなど、メディア運営のノウハウを活かして企業から受託した案件も進めています。

―多忙極まりない日々を送られているのですね。なかでも、ローンチして今年で7年目の『@Living』について教えてください。こちらのサイトは、どのような背景で誕生したのでしょうか?

『@Living』はワンパブのメディアではありますが、大和ハウスグループで賃貸住宅「D-room」の事業を展開している大和リビングさんにスポンサードしていただいています。『GetNavi web』のサテライトサイトであり、大和リビングさんのオウンドメディアでもある、という位置付けです。

以前は、「D-room」の居住者向けに紙の冊子が作られていたのですが、それをWEB化しようという話になり、ご縁あって当時の学研プラスにお声がけいただいたのが誕生のきっかけと聞いています。私が正式に携わったのはその1年ほど後です。入社以来長らく一人で企画運営を担ってきたんですが、先日初めて編集部員を迎えることができました!

雑誌『GetNavi』最新号の献本に封入したニュースレターでは、『@Living』を6周年になぞらえ6つのトピックでまとめ、新スタッフもおひろめ!

―具体的には、毎月の企画をどのように進めているのですか?

月に1回、大和リビングの広報チームのみなさんと編集会議を行い、前月の成果を共有しつつ、2か月先の企画を決めていきます。トレンドや話題の人、季節のネタなどを盛り込んだ企画を20数本考えて提案して。ご意見を聞きながら、12本まで絞り込んだ後、制作作業へと進めていきます。

―先方のいろいろなリクエストに応えながら企画を考えるのは、やはり大変な点も多いのではないですか?

ありがたいことに、多くをこちらに委ねてくださるんです。これはもう、サイトがスタートした当初から変わらず。公開した記事に関しては、読者目線に立ったリアルな感想をいただけるので、その意見を次の企画にも活かす、といった意味でのリクエストはありますが、それ以外は基本的にお任せいただけています。

―絶大な信頼があるからこそ、ですね。

そうであればうれしいですね! 『@Living』は、専門家に取材した精度の高い情報を、わかりやすい構成と上質な写真でお届けしてきました。サイト自体のリニューアルも、今年7月のマイナーチェンジ1回きりです。検索エンジンのアルゴリズムに最適化するとか検索キーワードを基に企画するとか、サイト運営にはいろいろ手法はあると思いますが、うちについてはこの姿勢でこれまでも成果を出してきていますし、これからも自信をもって、読者を裏切らないコンテンツ作りをしていきたいと思っています。

とは言え、新しいことにも挑戦していますよ。この夏から取り組んでいるのが、YouTubeでの動画配信と、Instagramでのコンテンツ投稿。YouTubeは1本目がさっそく3万再生(11/11時点)を超え、Instagramも手応えを感じています。テキストコンテンツでできないことを、これらのツールを使って補完していこうと思っています。

▶YouTube

▶Instagram
https://www.instagram.com/at_living/

また水面下では、@Livingのコンテンツをスピンオフした企画もいくつか……。具体的に準備が進んでいるものもありますので、楽しみにしていてください!

前々職はEXILEマネージャー⁉ 経験豊富な職歴を赤裸々に初告白

今年はパンダ来日50周年! パンダが点在する駅前のパンダ広場にてほっと息抜き

―さて、ここからは和田さんの過去の職業のお話などもお聞きしたいのですが……プロフィールを見て、いろいろ質問せずにはいられません! 最初は新卒で、信託銀行に入社されたのですね。

不動産に興味があったんです。親が設計士だったこともあり、暇さえあれば家の間取りや設計図を引く真似事をして楽しんでいる子どもでした。家自体も、インテリアも大好きで。思えばそれも、今の『@Living』に活きているかもしれませんね。

銀行では、窓口業務から裏方事務まで、一通りの業務を経験しました。とても恵まれた環境ではあったんですが、もともとものづくりに興味がある質で。何かを自分の手で生み出したい! 無謀にもそう思い始めてしまいまして……。

―そして次の転職先が、LDH。なんとEXILEのマネージャーとは驚きです。経緯を詳しく聞かせてもらえますか?

きっかけは、某バラエティ番組でEXILEのマネージャーを公募していたのを見たことです。いわゆる“軽い気持ち”で思い立ち、でもせっかくなら本気で取りに行こう! と思いまして。書道で使う半紙をつないで巻紙を作って、毛筆で身分などをしたためて“履歴書”として送りました。単純な発想ですが、書道が得意だったので特技をアピールしようと思ったんですよ。

インパクトがあったのか、それからトントン拍子に選考が進みまして……最終面接で、LDH(現LDH JAPAN)の当時の社長(現会長)であるHIROさんにお会いして、「これはどうやら現実だぞ」と。

―さぞかし忙しい日々だったかと想像しますが、実際はどうでしたか?

本当に、ものすごく多くのことを学びました。想像力を働かせて二手も三手も先回りして準備することや、コンプライアンスも教育制度もこれから確立していこうという社内で、どのように立ち回るかということまで……今でも役立っていることばかりですね。まるでジェットコースターみたいな日々で刺激的でしたが、家庭の事情などがあり、1年もたたずに辞めることになりました。短いながらも、何か大きな成果が残せていたらかっこよかったんですけどね! 

実際には、家庭の事情だけではなく、「自分の力では、ここでコンテンツを作る側にはなれない」と思い知って、志半ばにして諦めた、という悔しい想いも正直ありました。でも、ここで「コンテンツを作る」現場、あるいは「コンテンツそのもの」である人たちを間近で見られたのは、経験として大きかったと思います。

―そしてついに、雑誌業界に足を踏み入れ、編集者としてのキャリアをスタートした、と。昔から雑誌は好きだったんですか?

大好きでいろいろ読んでいましたが、とくに『和楽』と『Oggi』は毎号真剣に読み込んでいましたね。

―え、それはおいくつの頃の話ですか?

中学生くらいですね。『Oggi』は、表紙キャラクターがヒロコ・グレースさんだった創刊号から読んでいました。『和楽』も創刊号からかかさず。

―『Oggi』を愛読する中学生(笑)。

『Oggi』って、昔から読み物企画がすごく充実してるんですよね。巻頭のファッション特集や美容特集はもちろんですが、読み物こそ、『Oggi』の人気を支えているのだと思います。

そんな憧れだった雑誌業界で最初にご縁があったのは、主婦の友社の『S Cawaii!』の編集部でした。先輩方のサポートをするかたわら、主に街角スナップや、いわゆる読者モデルと呼ばれる子たちを集めて、ひたすらトレンドのリサーチを繰り返す日々でした。寝る時間を削ってでも、良質なコンテンツ作りは妥協しない、というマインドは、ここで植え付けられたかもしれません。

雑誌はもちろん、本と名の付くものはすべて大好き。『@Living』では、感銘を受けた本をきっかけに企画を作ったり、取材で名著に出会ったり。この仕事の魅力のひとつかもしれません。

―その後は、別の出版社で男性誌を担当されたのですね。

はい、2誌の月刊誌を経験させてもらいました。各編集部、編集手法も特色も違っていて、本当におもしろかったですし、学ぶことも多かった。メーカーさんとのリレーションの大切さ、編集記事とタイアップ記事のバランス、いかに編集領域を死守しながらマネタイズも叶えるか……どれも今に活きています。

同時に、そろそろWEBメディアの編集もできないと、生き残れないんじゃないかと思うようになりました。そんなタイミングで、『@Living』がローンチするという話を聞き、『GetNavi web』にもジョインさせてもらって現在に至る、という感じです。

目の前のことを一つずつ、丁寧にやり遂げる

ネタ探し、ストレス発散、眠気覚まし……とにかく日々歩いています

―まさに、華麗なる経歴の数々でしたが、やはり原点には「クリエイティブなことに携わりたい」「雑誌が好き」という昔からの想いがあったのですね。ここからは、今後の目標などをお聞かせください。

日々膨大な業務がありますが、まずは目の前のことをひとつずつ丁寧にやり遂げること、ですね。編集長や副編集長という肩書になったとはいえ、自分の中では特に何も変わっていないんです。ただ、WEB媒体を担当するようになって、“内側”で仕事をすることが多くなったとは感じています。雑誌の編集者に比べて、WEB編集者は顔が見えにくいなと。作業も雑誌に比べて区切りをつけにくいので、そこの折り合いをつけてもっと表に出ていかないとな、とは思っています。

帰宅も徒歩で。だから毎日、足元はスニーカーと決まっています。クライアントを往訪するときさえも……。いい時代、いい仕事ですよね。

―目の前のことに、丁寧に取り組む……簡単そうに見えて、すごく難しいことですよね。しかも和田さんの場合、通常業務に加えて、会社としても新たな挑戦になる業務にも参加しているわけで。プレッシャーなどはありませんか?

やはり、それなりにプレッシャーはあります。正解を模索しながらやっている感じです。大変だなって、毎日・毎秒思ってます。でも、この間うれしいことがありました。『@Living』の記事を、国立大学の教育学部の入試問題に採用していただいたんです。手前味噌ながら、いい記事だなーって思っていたので、それを知ったときは心底うれしかったです。こうして思いもよらないところでお役に立てると、今向かっている方向で間違ってないなって、進路を確認できますよね。

文房具総選挙の運営者のひとりとして、普段愛用しているペンの“ベストイレブン”をご紹介。一番左は、廃番になってしまったBICのシャープペンで、「ラフがうまく描けるペン」として女性誌編集時代からお守りのような存在になっています。

―最後に、今後成し遂げたい夢を聞かせてください。

やっぱり、いくつになってもトレンドは追いかけていたいです。浸かるのも遠目で確認するのでもいい。コレは職業病ですね。一方で、自分で引いた設計図に沿って作った四畳半くらいの茶室で、トレンドなんかと一切断絶したなかで、しーんとして暮らしたいとも思っています。できたら『@Living』で取り上げてもらおうかな! まずは石削ってつくばいから作り始めて、40年くらいかけて完成させて、大の字に寝転んで死にたいです(笑)。


次から次へとユニークな話や裏話が飛び出し、ついつい取材時間をオーバーしてしまったほど楽しい取材でした。これからも、和田さんならではの視点とセンスで、唯一無二のコンテンツを生み出していってほしいと思います。和田さん、ありがとうございました!

GetNavi web https://getnavi.jp/
@Living https://at-living.press/

(取材:水谷映美/撮影:我妻慶一)

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