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投高打低の環境では送りバントは有効になるのか?

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今季のNPBは歴史的な投高打低環境でプレーが行われている。8月8日時点での1試合平均得点は3.22点。これは飛ばないボールが使用された2012年の3.26点を下回っている。現在のNPBは異常な環境なのだ。

この得点環境の変化もあってか、今季は犠打の数が増加している。送りバントについてはセイバーメトリシャンが既に「有効な戦術ではない」という結論を出しているが、極端な打低環境では1点の重要度も変わってくる。それによって犠打や進塁打の価値も変化するだろう。では、このような打低環境においても送りバントは非効率な戦術と言えるのだろうか。

得点数の減少につれ増加するバント

まずは実際に犠打がどれほど増加しているのかを確認してみよう。以下の表は2020-2024年における、1試合あたりの得点と犠打数を表したものだ。

今季の1試合平均得点は3.22点。2020年の1試合平均得点4.11点から年々減少しており、4年前と比べて1点近くも下がっている。

犠打の数にも注目してみよう。ここまでNPB全体で記録された犠打は902回。1試合あたり0.75回、これは4年前の0.63回よりも1試合あたり0.1回ほどわずかに増加している。平均得点が減少するにつれて、犠打の数は増加しているのだ。今季の犠打数の増加も、極端な打低環境である影響を受けていると考えられる。打っても進塁ができないと考え、送りバントに走るケースが増えているのかもしれない。

「1試合平均得点3.0点」の打低環境で送りバントは有効なのか

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