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カエルは両性類?②

さてさて、履修登録に頭を抱えてる井戸之カエルです🐸
前回の『カエルは両性類?①』の続きを書きたいと思います。

その1を読んでくれた友人から嬉しいフィードバックをもらいました。
自己満といいつつ誰かの何かになっているのはとても嬉しいことです。

今回は、自分自身の人生をジェンダーアイデンティティを軸に振り返ってみようと思います。
ご注意いただきたいのは、あくまで、私の話であり、ジェンダーアイデンティティについて悩みを抱える全ての方を代表していません。
私が大丈夫なことは他の方にとって大丈夫とは限らないことを念頭に、読んでいただければと思います。

カエルの人生を振りカエル🐸

ランドセルの色

私は小さい時、「女の子」になりたくないと思っていました。
どうゆうことやねん!笑
幼少期の私にとって「女の子」は髪の毛が長くて、プリキュアが好きで、ままごとではお母さんかお姉さん、または姉妹を演じるような子のことをさしました。

髪はそこまで短いわけではなかったのですが、意地でも結びませんでした。
プリキュアは「2人はプリキュア」までは見ていたらしいのですが、物心ついたときには仮面ライダーを兄と見ていました。
ままごとの時はお父さん役やお兄ちゃん役を経て、最終的にはホワイトタイガーの赤ちゃんという役をしていました。(ホワイトタイガーがこの世で一番かっこいいという認識だった。笑)

なんでだったんだろう?と考えてみました。
男兄弟の中で育ったからなのでしょうか。
確かに、兄や従兄弟に強く憧れて、金魚のフンのように後をついていたのを覚えています。
まあ、そんなことはどうでもよくて。(性別は先天性か後天性か議論に関わるつもりはありません。)
とにかく、自分のことを女の子だということを認識しつつ「女の子」になることに抵抗していました。

そんな幼少期。
初めて、私がジェンダーというものに向き合うことになったのは、ランドセル問題でした。

田舎ということもあって、私が小学生に上がる時のランドセルの選択肢は大きく分けて4つでした。
赤、ピンク、青、黒。
私は、その時「自分は男なのでは」と考えていました。
そして、兄が黒色のランドセルを背負っているのが羨ましくて仕方がありませんでした。

保育所の応接間みたいな部屋にあったカタログを、母と誰かが見ていて、私は「黒が欲しい」と思ったことを覚えています。
そうやって母に言ったのかはわかりません。
でも、「黒が欲しい」と言っていいのかということを悩んだというのは記憶にあります。

結局、私はピンクのランドセルを買いました。
なぜ、「女の子」カラーを選ぶことになったのかはわかりませんが、先生か母が、「このピンクは赤とピンクの真ん中できっと人と被らない」と言っていて、最終的に選びました。

そして、このランドセルを選ぶという出来事で、「私は女である」ということを理解した、というか理解することになりました。

ガキ大将な小学時代

私は女に生まれたということを理解しつつ、小学校になっても「女の子」になりたくないというスタイルはそのままでした。
たった10人しか居ない同級生の中で、ガキ大将をしていて、男子とばかり遊んでいました。
自分も女なのに「女子嫌い」とか「女子はすぐ泣く」みたいな感じで、喧嘩してました。(大反省してます🙇‍♀️)

ただ、友達や先生、「女の子らしさ」というものを強要されることはなく、かなり居心地のいい学校生活を送れました。
ここで、学校生活のエピソードを1つ。
1年生か2年生の時、運動会で警察官のコスプレをするという競技がありました。
女子はスカートの制服、男子はパンツの制服。決まっていました。
私はどうしてもそれが嫌で、男子の制服を着させてもらえるようお願いしました。
先生からの反応は全く覚えてないのですが、パンツの制服を着ることができて、とても嬉しかったことを覚えています。
あの時、パンツの制服を着ることを許可してくれた先生はとても寛大で、ありがたかったなと今振り返ってみて、思います。

小学生のカエルのジェンダーアイデンティティ園児の時とは異なり、「私は女だけど、男子に絶対勝つ」という感じでした。
この変化には、サッカーを始めたことが大きく関わっているのではないかなと思います。

小学校の10人の同級生は保育所からの持ち上がりで、私はこういう人間だというのを理解してくれていました。なので、性別という枠にはめられず、ジェンダーアイデンティティに関して、居心地がよかったのだと思います。
しかし、地域のサッカークラブに入り、人間関係が広がり、性別の枠にはめられることが多くなりました。
まぁ、地域のサッカークラブでは結局見事にガキ大将ぶりを発揮し、チーム内で嫌な思いをすることはあまりなかったのですが。

サッカーという経験を通して、何度もジェンダーの壁にぶち当たりました。
「女のくせにサッカーなんてするな。やめなさい。」と祖父に言われ大喧嘩しました。
島のトレセンにも参加していたのですが、ストレッチやトレーニングで二人組を作るように指示されると、女子の私は必ず1人になり、余った子かコーチと組むことになりました。(トレセンは途中から仮病使って休んでました。笑)

小6の時にはチームのキャプテンを務めていたのですが、相手チームの子が「女がキャプテンかよ。きも。」「絶対雑魚チームやで。」みたいな感じでチームも舐められるのがとても悔しかったです。(そういうチームには反則スレスレで…。)

あるあるかもしれませんが、相手チームの子と握手する時は、手を引っ込められたり、直接触れないように長袖の袖で握手されたり。
小学生の私は傷ついてないふりをしつつ、しっかり傷ついてました。

傷つくのと同時に、「男子に負けない」「男子を見返してやろう」という気持ちでサッカーに取り組んでいました。
その時の私のジェンダーアイデンティティは「男子と対抗するもの」だったのではないかと思います。
男に生まれていたらどれだけ楽だったのだろうと思いつつ、男になりたいという気持ちはありませんでした。

こうやって書いていると、今まで封じ込めていた当時の感情が溢れてきて止まりませんね。
小学生時代に感じたことや場面はもっとあるのですが、ここら辺にしておきます。

スカートの壁と女子友達

中学校に入学する際、私には大きな壁がありました。
それは制服のスカートです。
今ではスラックスなどの選択肢が取れる学校も多いですが、その当時はまだまだ浸透していませんでした。
当時の私にとって、スカートを履くということは「女の子」になるということでありました。
自分でない姿になるようなそんな感覚です。
また、小学校からの友達や家族に「ついに女になった」と思われるのが嫌でした。

そんなこんなで入学式を迎えたのですが、スカートを履いていることなんてとっくに忘れて、騒いでいました。笑
でも、スカートを履いてみて、動きが制限されるというのが常に不快で、男子がズボンの制服を着ているのを見て羨ましく思っていました。

中学に入って大きく変わったのは女子のコミュニティに入っていったことだと思います。
男子と一緒にするサッカーチームにはいかず、中学生から社会人までの女子フットサルチームに入りました。
また、学校生活でも女子とも遊ぶようになりました。
その中で私の「女の子」像が崩れていき、女子というよりもその人としてコミュニケーションをとることができました。
中学生の頃も「女なのだからこうでなくちゃいけない」みたいな価値観を押し付けられることなく、かなり居心地のいい生活を送っていました。
「男子」「女子」に対抗するという形のジェンダーアイデンティティから、「男子」でも「女子」でもどっちでもいいなという感覚に変わっていました。

カエル「女の子」時代

中学を卒業して、私は島外の高校に進学しました。
なんだか当時の私は高校生になるということを大きな区切りだと捉えていて、「高校生になったらちゃんと女の子にならないとな」と漠然と考えていました。

そこでボーイッシュを辞めることを決意しました。
人生一度きりやし大きく変わってみるのもありやな、みたいな気持ちもありました。

まず、手始めに髪を伸ばしてみることにしました。1年くらいかけて胸あたりまで伸ばし、ヘアゴムを常備するまでになりました。
休みの日はメイクもするようになりました。
スカートを初めて買ったのも高校生の時でした。
そのころの写真を最近出会った人に見せると「誰っ!?」みたいなリアクションをもらいます。笑

当時、小さい頃から知ってる人たちには「女の子になったね」や「好きな人できたん?」と言われました。
直接は言われていないですが、家族は安心しているようでした。

新しい自分になっていくのはとても楽しくて、ワクワクしました。
でも、なんとなく「これは私のスタイルではないな」という違和感はありました。
なんだか、居心地が悪くて萎縮してしまう、そんな感じです。

幼馴染に「なんかお前じゃないな」と言われた時、図星すぎて何も言い返せませんでした。
ただ、新たな自分を知ることができ、新たな視点を獲得できたので、とても意味のあるJK時代だったと思います。


続く!そして告知!

大学生になるまでのカエルの人生を振り返りました。🐸
思ったより長くなってしまいました。
次回は大学生になったカエルが自身のジェンダーアイデンティティを考えだしたところから、キリのいいところまでを書きます。

そして、告知です。
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