パートナーとの生活の理想と現実
「毎日新しい私でいよう!」
これが、私がルリさんと付き合い始めて最初期に考えたことです。
当時はルリさんにガッカリされたくない一心でした。
私は本当は付き合いづらい部類の人間だと自覚していたから。
関係が深まると、相手に合わせすぎ、また相手に対する期待と欲が膨らみすぎてしまうのです。
私は自分の人生をきちんと楽しむべきだと思いました。
1年の間、それは成功していたと思います。
交際開始から1年後、結婚が決まり、あれよあれよと身辺忙しくしている内に、寝食を共にするようになりました。
初心を忘れたわけではないけれど、今ではすっかり「もっとちゃんと話聞いてよ」「私に構ってよ」という気分でいっぱいです。
頭では理不尽なことを求めているとわかっていても、気持ちはなかなか収まりません。
満足100%にならなかったら、すぐにルリさんを問い詰めて、「どうしてこうしてくれなかったの?」「私の話聞く気がないのね」と言ってしまいます。
こう書き出すと、いい歳した大人が恥ずかしいことを言っていると思うのですが、割り切れないのが人情です。
実際には、「毎日新しい私」なんて、一緒に住んでいたら至難の業でしょう。
ですが、初心の頃に、心からそうあろうと考えたことで、今の私にも良い影響がたくさんありました。
こうやって振り返った時に、「ルリさんを大切にするために、自分を大切にしなきゃいけないんだった」と思い出せること。
負けず嫌いで自分を曲げたくない私でも、「新しい私」を見せると思えば、少しだけ素直に変われそうなこと。
特にこうして自分が変わるべきかもしれないと考えられるのは、一つには夫婦会議のお陰でもあります。
私の気持ちを押し付けるだけでなく、言葉としてノートの上にちゃんと置いて、ルリさんの想いと並べると、今まで散々口で言ってきたことも、改めてちゃんと見つめてもらえている実感があるのです。
きちんとルリさんに届くのなら、ルリさんを無理に趣味から引き剥がしたり、声を荒げたりしなくてもいいので、少しずつしこりが浄化されている気がします。
これからも少しずつ、「新しい私」にアップデートを重ねていきたいと思います。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?