ヒートとファイト

ことが思うように進まなかったり、
いい結果が出なかったりと､
心折れそうになる瞬間は必ずといって
いいほどやってくるものだ｡

二度目のワクチン接種の翌日、
発熱して重だる～い体を労わりながら
そんなことを考えていた。

今週まだ原稿まとまってないや……。
進めようとパソコンに手を伸ばすも、
注射を打った左腕が痛くて上がらず断念。

あーもう、なんで調子悪いときって
つくづくこう、なんつーかこう……！
(冒頭同様、再び心折れワードが占領)
頭の中だけは鬱陶しいくらい元気。

こんなときって、
「やりたいのに出来ないやるせなさ」
に振り回され、心身共々疲弊してしまう。

西加奈子さんは、エッセイ『まにまに』で
高熱が出たときのことを書かれていましたが､

休まないといけないが、
こうやって座っていられるということは、
ちょっとした仕事なら出来るのでは、
パソコンを開かなくても、資料を読んだり、
ゲラを読むことくらいは出来るのでは
ないか、など、落ち着かない。
『休息と仕事』より

まさにこの状態なのです。

晴れてるからリネン類干せそうだな……とか
いやいや、まず原稿まとめないと……など、
出来そうなことを思い浮かべてはそわそわ。

元気だったら何食わぬ顔でホイホイこなせた
であろうことも出来ないとは……。
分かってはいたけれど、ちょっとショック。

気晴らしにYouTubeで動画でも観ようかと
アプリを開くと､一本の動画に目が留まる。

五輪後、見事に野球愛が増した私は、
暇さえあればホークスの動画を観ていたので
おすすめ覧に上がってきたのだ。

迷うことなく画面の”再生”部分をタップし、
軽快なイントロと共に表示されゆく歌詞には
こう書かれていた。

何をやっても上手くいかず
立ち止まって後戻りも出来ずに
その時だけどうかそんな時だけ
歌って欲しい歌がある

……ほうほう。今の私みたいな歌詞だな。
試合開始早々先制点が入った瞬間をリアル
タイムで観たかの如く、画面を凝視する。

WANIMAのカッコいい音楽と共に映し出され
るカッコいいホークスの選手たち。
カッコいい○○ばかり書いていますが、
本当に「カッコいい」が似合う映像です。

まだ頑張れよ　ただ踏ん張れよ
ヒントが無い今日も…
選ばれずに終わった時も…

サビで力強くこう歌われるのですが、
元気が無いときほどストレートな応援って
心に染み入りますね。うるっときた。

1：45～今年の宮崎春季キャンプの映像に
切り替わるのですが、そこもまた感動的。

踏み出せ　次の一歩　怖れず
笑われても進め　諦めない事がアンチ
もっともっと前へ　強くグッと堪え溜め
その日が来る前に…　この先で逢おう

この歌詞と共に汗と泥まみれになって練習
する選手たちの姿は、真剣そのもの。

諦めず、必死に努力して活躍する選手たち。
彼らの姿を目にし、「私も頑張ろう……」と
涙ながらに思ったのでした。

ちょっと発熱したくらいで弱気になってる
場合じゃないや。