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ワンインチのロビーイング活動ーCBD市場を健全に

こんにちは

CBD事業を営んでいるワンインチの柴田です。

今回は以前から行っているワンインチのロビーイング活動について簡単にご紹介できればと思います。

これまで、多くの方たちのサポートもあり厚生労働省CBD担当部署(医薬生活衛生局監視指導・麻薬対策課)に対して、国内におけるCBDの取り扱いルールに関してアプローチをおこなってきました。

先日、衆議院第一議員会館にて、衆院議員、業界団体、厚生労働省との会合に参加してまいりました。

その中で、ワンインチとしてどのような話をしてきたのか、具体的なお名前や内容など個人情報にあたることや秘匿にすべき情報には配慮する形で可能な限り書いていこうと思います。

はじめにワンインチの企業スタンスが分かるビジョンとミッションについて書かせていただきます。

ワンインチは、これをもとにロビーイング活動をおこなっており、ここを誤解されてしまうと予期せぬ対立が生まれる可能性があるからです。

CBDについて様々なご意見をもってらっしゃる方がいらっしゃいます。

それらを批判したいという意味合いはなく、あくまでワンインチとしての企業体としての立場をご理解いただけますと幸いです。

ワンインチのスタンス

CBDによって多くの人をサポートする企業であること、また、日本におけるCBDリーディング企業になるというのがワンインチのビジョンとなります。

また、その実現のためには日本のCBD企業としてCBDを合法かつ安全に取り扱い、お使いになる方が安心して使える市場を実現することがミッションとなります。

CBD市場の健全化実現のために「様々な媒体の活用」、「ロビーイング活動」をおこなってまいります。

現時点でのCBD業界の課題

現在、CBD市場はあらゆる意味で「荒れている」ということを感じます。
これは、同業の方、消費者の方、各関係活動をおこなっている方も同様に感じていることと思います。

この原因は国内における、CBDに関する明確なルールが存在していないことに起因していると思います。
CBDは大麻草由来であり、ひとつ間違えば刑事事件に発展しかねない製品のひとつです。

しかし、CBDに関する明確なルールが存在せず、「間接的に大麻取締法に抵触しないから合法」とされているのは危険だと考えます。

最近、THC含有製品の事例がいくつかあります。
これは日本の輸入メーカー側に必ずしも悪意があったとは言い切れません。

先の記事でも書いておりますが、THC含有に関して外国(生産国)の法律と日本の法律には違いがあり、この齟齬によって摘発対象になる可能性があるからです。
THCに関するこのような事例を防ぐためにもルール作りが必要だと考えております。

CBDの輸入ルールと「ザル化」しているゲート

輸入する際に、合法性と安全性がとても重要となるのですが、輸入のゲートとして、2020年4月まで厚生労働省は明文化したルールすらありませんでした。

ようやく2020年の4月にようやく現在の「厚生労働省ルール」が明文化されました。

しかし、輸入の際の法的な「義務」ではなく、CBD事業者に対するあくまで「お願い」であるため、全ての事業者がこの書類を用意しているわけではないことに注意が必要です。

この厚生労働省による書類提出のお願いに対して書類提出すると、結果は電話にて「提出された書類を確認したところ大麻取締法に該当しないことを確認しましたが、実際のところはよくわかりません。」というなんとも曖昧な返事が返ってくるのみでした。

ただし、この段階で提出書類上は合法だと確認がとれているため、税関で止まり、企業側に税関からの問い合わせがあった場合でも、事前に合法確認がとれているため、通関しても書類上問題なしという判断が下されるという形が一般的です。

上記を読んでいただければ分かるかと思いますが、「通関できた=合法」ではないのです。

国内に持ち込んだあと、捜査対象となる可能性は十分あります。
ここをしっかりと認識していないと危険です。安易に輸入すると通関はできても大麻取締法に抵触する可能性が存在するということです。

ほとんどのCBD製品輸入業者は輸入ごとに厚生労働省に対して所定の書類を提出して、合法である確認を行っているはずです。

「THC含有で名指しされた有名な企業」もしっかりと通関手続きをしていたと思われます。

さらに、厚労省担当者の方のお話でもあるのですが、厚労省が把握しているCBD製品よりも明らかに多くの国内メーカーや国内ブランドがある、とのことです。

つまり、厚労省に対して輸入ごとに所定の資料を提出していない業者も一定数存在しているということです。

厚労省が把握していないCBD製品がなぜ市中に溢れるのか

では、厚生労働省の書類による合法確認が行われていない製品が日本国内に流通しているのはなぜなのでしょうか。

これは流通業者・税関・厚生労働省がそれぞれ全く別部門であり連携が上手くとれていないこと、またそこまで取り締まりに本腰を入れていないことに起因します。

特に税関は毎日膨大な量の通関作業を行うため、また、航空なのか海運なのかによっても各税関の対応は異なり、すべての製品を細かくチェックしているわけではありません。

これによりチェックされることなくすり抜けているCBD製品もあります。

また、厚生労働省に対してでなく、税関に対してのみ合法であるという証明を行っている企業もあるようです。

税関側も現時点ですべてのCBD製品を関留めして厚生労働省に報告するわけではないようです。

しかも、これまでの通関実績がある場合には、税関側も深くチェックせず通関させてしまっているケースも中にはあるという話を聞いたことがあります。

このようにルールが曖昧では、毎度コストをかけてまじめに資料を提出している企業は馬鹿を見るという構図になりますし、同時に国内に入ったあとで消費者を巻き込む形で大麻取締法に抵触することになりかねません。

このような状況の改善をはかるために「CBDに関するルールの明文化」をお願いしてきました。
これが今回のロビーイングの主な内容となります。

「厚生労働省で把握している以外のCBD製品が市中にはある」ことが厚労省自信が認識しているなかで許容されていることが問題であり、「すべてのCBD製品は輸入の際に厚生労働省がきちんとチェックをする」という姿勢で臨んでいただきたいという旨をお話させていただいています。

なぜTHCが検出されたCBD製品が通関できたのか

これまでにTHCが含有されたCBD製品があると厚生労働省が発表したこともあり、これがどのようなフローによってなされたか、また、なぜ特定のメーカーのみを検査したのかについても問い合わせました。

回答としては

1、メーカー側から厚労省側に提出された書類では、THCは0もしくは検出されないという書類が届いていた。
2、厚労省独自検査の前にメーカー側(輸出側)が独自に「日本の法律に合致していない可能性がある」という見解を発表したこと。
3、これにより多くの方から厚生労働省に対して当該製品の問い合わせがあったこと

などを理由に特定メーカーの調査を厚労省が独自に行い、ある製品からはTHCが検出され、合法確認ができないため発表に至ったとしています。

つまり、そのメーカーの当該製品に関しても、厚生労働省側は書類上は法的に問題がないとして資料を受け取っていたという証左になります。

ということは、書類上の合法確認が形骸化・形式化してしまっており、実際は入ってくるCBD製品は書類とは異なる製品が入ってきている可能性があるということです。

このままでは、厚労省に対し合法確認をしても意味をなさないことを伝え、この点について書類と輸入品の一致を厳格にみていただく形のご提案をさせていただきました。

4月よりルールが明文化され、また実働部署も麻薬取締部に変更されました。

事実上捜査や逮捕も可能になり、より細かく書類を審査し、抑止力にもなることで、そのあたりについては徐々に改善の兆しもあるようです。

これからはTHC入りの製品や厚労省として認識していない製品はこれまでのような「ザル状態」ではなくなってくるとの回答を得ました。

また、書類と製品との一致をみるために外部機関の創設や外部協力機関による認証制度も提言もしてまいりました。

前出の記事でも書いておりますが、現時点でCBDに関して「厚労省の外部機関の創設」「外部協力機関による認証制度」は存在しておりません。

ある団体が厚生労働省を「連携機関」として発表し、あたかも、当該団体が厚生労働省の外部機関のような形をとっていましたが、これについても、厚労省から、現時点でどこの外部機関も厚生労働省との連携も提携もしていないこと、特定の「認証マーク」についても厚労省が連携し認めたものではないとのことでした。

輸入チェック段階で安全性は確保されない
通関時の合法確認に関して、4月の明文化を機に徐々に改善され、今後はさらにTHC含有製品や厚労省未確認の製品に対する対応を強化するということを、厚労省担当者からお聞きしました。

つぎに合法性に加え、いつも私が述べている安全性についても重要であるということも厚労省に伝えてまいりました。

重金属検査や残留溶媒の検査、しかもきちんとしたラボ(第三者機関)による検査が重要であるといった内容です。

しかし、安全性に関しては担当部署が異なる(監視麻薬対策課はあくまで合法かどうかを見る部署で食品としての安全性は別部署)そうで、踏み込んだ話はできませんでした。

しかし部署を跨ぎ連携がとれるよう、提言として厚労省の外部機関を設立し、一括して合法性・安全性を適宜確認できるようお願いしてまいりました。

透明性があり公平公正な権威ある機関が存在しない

前回の記事にも書かせていただいたように、現時点において、CBD製品を検査するうえで、国内に、透明性・公平性・権威性を有した外部機関が存在しません。

いわゆる映倫のような、一度チェックを受けて、通ったもののみが、認証マークを手に入れて市中に出回るという形が理想だと私は考えるのですが、なかなかこのような機関の設立には至っていません。

逆に、現在多くのCBDに関する業界団体が立ち上がりすぎており、どこも同じように「検査を行う」「認証マークを出す」としていますが、そのような機関では特定のCBD企業が中核を担っていることがほとんどです。

合法性も安全性も確保されておらず、さらに、CBD製品を選ぶ際のリテラシーが消費者側にない状態では、悪質なCBD製品が出回ることも容易に想像ができます。

結果的にTHCを含有した製品が市場に出回り、警察に職務質問された際にたまたまカバンの中にCBD製品(THC含有疑い)が発見されトラブルになったというお話も、そういった経験をされた本人から直接聞いたことがあります。

・THCが含有されている製品
・CBDが表記通り含有していない(最悪の場合は一切含まれてすらいない)
・中国アリババやメルカリに出品されている出どころが不明のCBD製品
・重金属や残留農薬や残留溶媒が検出される恐れのあるCBD製品

などが市中には多く出回っており、それを本当に判別するためには相当な専門知識が必要になってくるという現状があります。

これではCBDは日本ではなかなか広まりませんし、消費者も安心して使えません。
こういった悪質な製品が横行するとCBD関連製品を国内で販売することができなくなる可能性すらあります。

CBD業者のスタンスの問題もありますが、国のルールづくりも大きな課題が残っています。
消費者の方が安心してCBD製品を使えるようにワンインチは今後も活動を続けてまいります。

まとめ

少し前までは、厚労省はCBDに対し厳しい目を向けるつもりがない。
CBD自身は合法であるからだ。
というのが当初の見解だったようです。
しかし、市場や現状により認識が変わりつつあるようです。

厚労省にリーダーシップとイニシアチブを発揮していただき、健全なCBD市場が整うように動いていただけることが今回のロビー活動となります。

これからも定期的に提言を行い、健全なCBD市場形成に尽力して参ります。

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