男性と一言も話せなかった私がナンバーワンになれた理由。~vol.1 えびはらあきのストーリー~
※キャバ嬢さんそれぞれ、卒業後の人生には様々なストーリーがあります。このnoteでは、私がインタビューさせてもらったキャバ嬢さんの現役時代~卒業後までのストーリーを追っていきます。
まずは私、えびはらあきの話から。
プロフィールで書いたとおり、私は借金返済のためにこの業界で働こうと思ったわけですが、最初に働いたのはキャバクラではありませんでした。
男性と一言も話せなかった学生時代
今では信じられないのですが、私は物心ついたときから、クラスにいる「男子」とは全く話せない子供でした。集団で男の子がいるだけで怖くて、わざわざ遠回りして学校から帰ったり、どうしても会話しないといけない場面で男子に声をかけたら、「〇〇(私の名前)が喋った!」とか茶化されて、当時は「不思議ちゃん」とか「おとなしい」とかコソコソ言われるのがすごく恥ずかしくて、余計男子と距離を置いてしまったことを覚えています。
その後、女子高・女子大に行くことを選択し、卒業後も女性しかいない職場で働いていました。水商売に出会うまで、「男性と話せない」ということがずっとコンプレックスだったのです。
チャットレディという「画面越し」の世界
そのコンプレックスが原因で、私が最初に水商売として選択したのは「チャットレディ」でした。男性と直接話さなければいけないキャバクラにはどうしても応募できなくて、インターネットで見つけた新宿のチャットレディの運営事務所に行きました。
そもそも「チャットレディ」とは、会員サイトを通じて利用者の男性と、チャットレディとして登録している女性が、パソコン画面越しにお話を楽しむものです。在宅で自分のパソコンで仕事をすることもできますし、画面越しといえど自宅を見られるのが怖い場合には、場所を用意してくれる事務所がほとんどです。
仕組みとしては、男性側が待機中のキャスト一覧から気に入った女性を選び、そこから会話がスタートします。男性側は時間単位で課金されていき、女性は男性と話した時間分のお給料がもらえます。その他にも色々仕組みはあるのですが、基本的にはそんな感じです。
ちなみに「待機中」というのは、女性がパソコンカメラ前に常にスタンバイして顔を見せておき、指名されるのを待つことです(顔出しNGも可能)。もちろん指名されて会話が始まらないと給料は発生しないので、待機時間は無給です。時間帯や日によって、そもそも男性会員が少ない場合もあるので、指名されるのを待つこの時間が、とっても辛かったのを覚えています。
チャットレディって本当に独特な世界で、そして会員の男性も特殊な方が多くて(笑)。変な思い出がたくさんあります。それは別途また書きたいと思います。
服を脱ぐことが嫌だった=話し上手になるキッカケ
チャットレディは一般的に「ライトコース」と「アダルトコース」(確かそんな名前)というのが選択できます。
ご想像のとおり、女性とお話だけできるコースと、服を脱がせたり色々と要求ができるコースなのですが、アダルトの方が女性側の時給も高いですし、利用者側の男性は支払う額が高くなります。
私の事務所では、ちゃんと自分の意志でコースを選ばせてくれたので「ライトコース」を選択しました。顔も全て見せるのではなく、口から下だけで良いとのこと。
顔出し無しでどうしたら可愛く見えるのか、身バレ防止のためにウィッグを被るとか、色々アドバイスをくれた本当に良い事務所でした。
「チャットレディ」という得体の知れない仕事という認識から、お話をする仕事という認識に変わり、少し安心して仕事を始めることができました。
しかし、お話だけで喜んでくれる男性がいる一方、ライトコースでもやはり無理な要求をしてくる男性が多い現実を知りました。
水商売は「喋るか・飲むか・寝るか」と言われるけれど
そのことを事務所のスタッフさんに相談すると、残念ながらその傾向はあるとのこと。
一番良いのは「アダルトコース」を選択して、いかにお話だけで時間をもたせてお給料を高くもらうか、それが女性側としては一番心も痛めず続けられる方法だよ、と教えてくれました。(もちろん、ばっちりアダルトで頑張れる方は、とても稼げる仕事だと思います。)
男性側からしたらそんなの詐欺じゃん、と思うかもしれませんが、、、チャットレディって会話の内容も自由なわけで、女性側としても色々戦略を考えるわけです。
会話が始まるなり、いきなり要求してくる男性もいましたが、だんだんやり方が分かってきた私は、まずは世間話から始めて、話に花を咲かせることに努めました。
男性から「これからが良いところなのに…金額が高くなっちゃうからまた次回ね」と言われたら、画面裏でガッツポーズをしてました。
「また会いたい」「次こそは」と思ってもらうことが重要です。これができたら次回の指名に確実に繋がります。
もちろん、それでお客様を引っ張り続けることには限界があるので、当然来てくれなくなるお客様もいるわけですが、やはり服を脱いだりすることはできなかったので、最大限お客様に会話を楽しんでもらう、それに全力で取り組んでやっていました。
この経験が、後にキャバクラで働くときに活きてくるとは、このときは思いもしませんでした。男性とのコンプレックスも、だいぶ解消できたと思います。
話は変わりますが、当時の私はシェアハウスに住んでいて、それが結構ひどい環境でした。一応女性専用でしたが、1LDKをベニヤ版で仕切ったような、寝床しかない押し入れのような作りでした(笑)
その薄暗い部屋でおそるおそるチャットレディの応募をしたことを今でも鮮明に覚えています。これが始まりでした。
色々あって、スーツケースひとつでマンガ喫茶で生活することになったときも、半分はチャットレディの事務所で仕事させてもらえたので、当時居場所が無かった自分にとって、かなり有難い存在でした。
そして、日本ってすごいなって思った記憶があります。
一文無しになってもチャットレディのようにすぐに働くことが出来たり、キャバクラの体験入店だって、1日である程度お金が貰えたりします。
もちろん、それだけで生活していくのは難しいですが、背景に様々な事情を抱えて水商売を始める女性はとても多いです。
私としては、やると決めたら何とかなる!という精神を、少なからず鍛えられた期間でもありました(笑)
その後、コンプレックスを克服できた私は、少しの自信と期待をもって、本格的に水商売の世界へ進んでいくことになります。
おそるおそる歌舞伎町のお店へ面接に向かうのでした。
Vol.2へ続きます。
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