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「いいもの」ってなんだろう?〜あの炎上事件から学ぶ「ブランドが壊れる時」(その4)〜

こんにちは。
8millionsの阿部です。

老舗和菓子屋のW社長、退任されたそうですね。
迅速な判断だったと思います。

W氏による炎上騒ぎも落ち着きつつありますが、でもこの記事はまだ続きますw

出来るだけ迅速にまとめられるよう頑張りますので、よろしければ今回もお付き合いください。


ざっくりすぎる前回のまとめ

さて、前回の記事ではW氏に対するコメントの中にあった

経営者やマネージャーがしてはいけない思考

について説明しました。

(詳しくは前回の記事をご参照ください)

「良い商品とは何か?」

という問いに対する2つの答えとそれぞれの根底にある思考ポイント。

それは以下のようなものでした。


1.事件と商品を分けて、つまり「別物として」考える人の捉え方

●「いいものとは?」に対する回答
「いいもの=商品やサービスそのもの”だけ”が持つ価値」

●思考ポイントの一例
・安全な材料を使っているかどうか
・有名かどうか
・価格がお手頃かどうか

●今回のW氏の事件に対する意見
「今回の事件は残念だったけど、商品は良いものなんだからこれからも頑張ってほしい」と二つの要素を分けて考える。


2.事件と商品を「つながりのある一つのものとして」考える人の捉え方

●「いいものとは?」に対する回答
「いいもの=商品やサービスそのものが持つ価値×商品やサービスの背景にあるもの全て」

●必須となる思考ポイント
・誰がその商品に関わっているか。

●今回のW氏の事件に対する意見
「今回の事件で、商品の価値が下がってしまった」と二つの要素を一緒にして考える。


違いを生み出すもの

ざっくりとした説明ですが、上記のような違いがある訳です。

では、この両者の違いがなぜ出るのか?

結論からいきますと、それは

「価値」の捉え方が違う。

からです。

少し具体的に説明するのであれば、こんな感じです。


事件と商品を分けて、つまり「別物として」考える人は「商品そのものに直接関わるもの」に価値があると考えます。

今回の件で言うのであれば、例えば

・和菓子の素材
・製造方法
・お店や販売に関わるスタッフ

というような商品に直接つながる要素を指します。

それ故に、このタイプの捉え方をする人は

和菓子はきちんとした素材を使って丁寧に作っている。だから今回の社長の事件は良いことではないが、大きな問題ではない。

こんな風に考えます。

そうなると

良い商品を作っていれば、それ以外はあまり気にする必要はない。

というような意識になり、それが次第に行動に現れるようになります。
今回のW氏が完全にこのパターンです。


そして事件と商品を「つながりのある一つのものとして」考える人は「商品そのものに関わる全ての存在」に価値があると考えます。

今回の件で言うのであれば、例えば

・和菓子の素材
・製造方法
・お店や販売に関わるスタッフ
・取引先の業者さん
・素材を製造している農家さんや加工している業者さん
・販売に関わりない全部署のスタッフ

というような、商品に関わるあらゆる要素を指します。

それ故に、このタイプの捉え方をする人は

和菓子はきちんとした素材を使って丁寧に作っている。しかしその和菓子を製造する企業の代表である社長が事件を起こすということは、この和菓子の価値を貶めてしまうことだ。だから今回の事件は非常に大きな問題である。

こんな風に考えます。

そうなると

良い商品を作るためには、関わる全てのものを磨き上げる必要がある。良い商品とは、良い会社によって生み出されるのだ。

というような意識になり、それが次第に行動に現れるようになります。


これからの時代のブランディングに必要なもの

いかがでしょうか?

ざっくりとした説明ではありますが、ふたつの思考の違いについて少しでも理解して頂けたのであれば嬉しいです。

前回もお伝えした通り、どちらが正しいとか間違っているという話ではありません。

ただ、もしあなたが経営者やマネージャーのポジションにいる方なのであれば、後者の考え方、つまり

「商品だけではなく、関わる全てのものを重視する思考」

が絶対に必要です。

「つながり」や「関係性」

これをどれだけ広く、どれだけ深く、どれだけ強くイメージし、そして行動に移せるか。

それが最終的にあなたのブランドの強さに現れます。

逆に、この思考ができない、もしくは弱い方は、今後成果を上げることは難しいでしょう。

なぜそんなことが言えるのか?

次回それについてお伝えします。

お楽しみに。


ここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございました。


8millions 阿部 龍太

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