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《従業員インタビュー》 OnedotのCSOとして、中国事業支援に挑むワケとは? 谷哲也さん

第4回目のインタビューは、CSO(Chief Strategy Officer)の谷哲也さんにお話を聞いてきました!

キャリアサマリー
谷さんは、株式会社博報堂にて日本及び中国の両市場で一貫してマーケティングに携わってきました。日本勤務時代は大手日系消費財ブランドの日本国内のプランニングに加えて、中華圏、東南アジアのメディア・マーケティングを担当、北京勤務時代には、中国最大手広告会社とのJVにて、日系ブランドの中国事業支援に奔走してきました。その後、株式会社博報堂を退職後に上海CEIBSにてMBA(経営学修士)を取得。2019年よりワンドットに参画。CSOとしてクライアントのデジタル事業戦略、マーケティング支援に携わっています。


今までのキャリアについて教えてください

はい、私は新卒で広告会社の株式会社博報堂に入社し、10年ほど勤務した後、中国の大学院を経てOnedotに入社しました。マーケティングのキャリアが長いのですが、元々は記者だった父の影響もあり、大学時代はジャーナリズムを専攻しており、将来はテレビ局か新聞社の記者になりたいと漠然と考えていました。広告会社の仕事に興味を抱いたのは、たまたま受講した大学の講義で、池田諸苗さんという当時博報堂の広報部にいらっしゃった方に出会ったのがきっかけです。博報堂の現役社員の方を教室に招いて最新のマーケティング事例について紹介してくださるというオムニバス形式の講義だったのですが、広告業界のトップランナーたちが仕事の裏側を惜しげもなく開けっ広げに話してくださるという大変貴重な機会を得ました。
その際に、広告という手法に限らず、世の中の新しい当たり前を作り生活者に行動変容を促すような、社会的にも意義深い業務事例に触れる機会があり、非常に感銘を受け博報堂のインターンにも参加しました。その後、幸いにも内定をいただけたのでそのまま入社を決めました。体育会系なイメージで苦手意識のあった広告業界において、物腰柔らかい文化系の先輩方に出会ったことも入社の決め手の一つでした。
入社後にはブランド様の支援だけではなく、クールビズなど国や地方自治体、民間企業と一緒になって、社会性のあるテーマのプロジェクトを推進する機会も経験させていただき、刺激的な日々を過ごすことができました。
そんな日々の中で常に意識していたのは「矛になる」ということです。当時のボスから叩き込まれまれたのは、どの市場や領域だろうと、常に先兵として先端の取引手法やテクノロジーを取り入れ、クライアントやステークホルダーに新しい価値を提案するという基本姿勢です。結果として、当時日本でも最先端のメディア最適化ツール開発や運用にリーダーとして携わる機会を得ることができ、大きな成果を上げることができました。

ーそうだったのですね、博報堂時代に海外関係の業務はされてきたのでしょうか?

はい、日本で10年ほどマーケティングの仕事に携わりながらも、海外拠点の支援業務も行っていました。日本ブランドの海外進出も盛んだった時期で、タイ、ベトナム、台湾等に頻繁に出張して拠点のナショナルスタッフの皆さんと協業させていただいていました。その際に感じたのは成長市場で働く楽しさです。新興国市場は、成長することが当たり前。日本は成熟市場であり、その中でいかに競合のシェアを奪うかという発想の業務が多かった一方で、新興国は全く状況が異なります。例えば、あるブランドの消費財のマーケット・シェアが6%だとして、仮にシェアに変動がなかったとしても、市場全体が伸びているので、参入プレイヤーの事業規模もどんどん拡大していく、そんな市場に面白みを感じるようになっていました。

もともと縁があったわけではありませんが、中国という市場には興味を持っていました。親友が上海で働いていたこともあって定期的に訪問していたのですが、文字通り、訪れるたびに景色が変わる街という印象を持っていました。
事実、北京に着任してからも高層ビルが雨後の筍のように凄まじいスピードで建設されていくさまに驚きましたね。また、一夜のうちに大量のシェアサイクルが街中の歩道を覆うように配置されてあり歩行者が歩くスペースがなくなってしまうということもありました。このように、イノベーションの種が野放図に撒かれ、規制ができるより前に爆発的な成長を遂げていくという様子を間近で観察できたのは大変刺激になりました。

ー中国のMBAに行こうと思った理由は何でしょうか?

中国のMBAに行くことにしたのは、この市場に本気で挑戦しようと考えたからです。そのためには当時の恵まれた環境に甘んじていては限界があると感じました。中国市場への理解を深め、かつ凄まじいスピードでイノベーションを生み出す優秀な中国人と接点ができる環境はどこか?と考えた時に、答えはビジネススクールだと思いました。
私は幼少期から大学時代に至るまで中国に地縁があったわけではありません。古い考え方かもしれませんが「関係(グアンシ)」がモノをいう市場でネットワークを構築する手段としてビジネススクールを選んだというわけです。ある統計によると、人間関係が広がる時期は、大学時代だとされています。当時はそこまで考えていたわけではありませんが、結果的に正しい選択だったと考えています。
学校選びについては、北京大や交通大などいくつかのフルタイムMBAを比較検討しましたが、当時、MBAの世界ランキング上位に名前を連ねていたCEIBSのアルムナイの方とお話しする機会があり、China Depth, Global breadthというコンセプトに強く共感して、入学を決意したという次第です。

Onedot株式会社を選んだ理由は何でしょうか?

北京博報堂在籍時にOnedotと仕事をしていたんですね。当時はカメラの会社を担当していたのですが、当社代表の鳥巣が北京まで訪問して媒体紹介をしてくれたんですね。その時に初めてOnedotの存在を知り、とても意義深い取り組みをしているユニークな会社だと思って、すぐにお得意先のVPにOnedotのソリューション活用を前提にしたプランを提案したところ、二つ返事で決定をいただきました。
当時、気持ちよく仕事が進められたこともあり、鳥巣とは私が退職後も連絡を取り合う関係性が続き、まだ学生だった私は2019年の夏に最初はインターンとしてOnedotに参画しました。既に当時37歳でしたが、二十歳そこそこの学生の中におじさんインターンが一人混じって働いた経験は今でも良い思い出です。

結果的にインターンとして半年ほどのお見合い期間?を経て、19年の12月にCSOとして正式にジョインすることになりました。決め手は、平等を重んじる企業文化と、裁量の大きさ、優秀なメンバーの存在ですね。ビジネススクールに行く前に、私が求めていた環境がOnedotにあるなと感じました。
いわゆる大企業からスタートアップへの転身には不安や困難がつきものですが、私の場合は一度学生になったという身軽さもあって気軽に挑戦できたという側面があります。その点ではやや特殊な例かもしれませんが、最近では、スタートアップに「飛び込む」というような大袈裟な感覚はなく、ライフステージやキャリアの方向性によって、大企業とスタートアップの間を自由に行き来するという例が増えており、以前ほどの障壁はないように感じています。
また、仮に大企業に在籍し続けたとしても、ディスラプティブなイノベーションによって、そもそも業界自体が衰退していくという不確実性やリスクを避けられるわけではありません。ライフステージやリスク許容度に応じて、大企業かスタートアップかという二択ではなく、新しい環境への適応を繰り返していくことが大切な時代になっていると強く感じています。

現在の仕事内容とやりがいについて教えてください

広告会社は、主にプロモーションの領域を担うことが多いですが、より広い貢献領域を自ら開拓し、クライアント様に価値提供できていることには大変大きなやりがいを感じます。
中国事業展開、という点では、マーケティング活動以前の段階で勝負がついていることが多いように感じています。そもそもどのようなビジネススキーム/ビジネスモデルを構築し市場攻略を図るのか、生活者のどのような悩みに応えるのか、どんな商品/サービスを販売するのか、必要に応じて市場特化型の商品を開発するのか、根っこの部分から支援ができることが特色だと考えています。
その点、我々は中国を拠点にしてガチンコでローカルプレイヤーとも真っ向勝負している自社事業で、泥臭く試行錯誤を繰り返していますので、そこで効果のほどを実証済みの先端のノウハウやソリューションをクライアントの皆様にご提供できるという点でユニークな存在だと自負しています。
最近では、例えばブランド様と共同開発したミニプログラムを使って中国の生活者のペインポイントを収集・分析して、その結果に基づいた商品開発のご支援なども行っています。中国市場に受け入れられる物/事/サービスを始めから作る、初質的な手伝いができるので、楽しさやモチベーションを感じます。

Onedot株式会社で得られるキャリア、募集しているポジションについて

ポジションの別を問わず、当社では、いわゆるKOLやEC店舗運用といった戦術レベルの執行案ではなく、戦略立案から、エグゼキューションまでを自社で行います。事業の勝ち筋に関する初期戦略仮説を作り、検証を行う中で得られたフィードバックに基づいて戦略を修正し、次第にエグゼキューションの精度を上げていくという一連のプロセスに、プロジェクトのオーナーとして一気通貫して携わることができます。対応する市場は中国ではあリますが、デジタル化という側面でいうと、各種オンラインサービスの普及率が世界でもトップクラスの中国市場で先端知見に触れることによって、そのエッセンスを日本でも活かすことができる時代に入ったという仮説を持っています。
事実、最近では中国の先端ソリューションを日本でも導入したいというようなお問い合わせをいただくことが増えています。とかく巨大なガラパゴスだと言われることも多い中国ですが、実際にはデジタル先進国として、他国からの模倣対象となっているという側面もあるのです。
中国で先端事例ができて、日本側でそれを再現できる、そういう時代になっていますね。LINEなんかも、どんどんWeChatの機能を実装しているし、Paypayに至っては、機能はおろかグロース戦略も含めてAlipayをモデルにしていますね。

したがって、中国事業の経験がない方、将来的に中国以外の事業に携わりたいと考えている方にとっても自分のスキルを伸ばしていただける、とてもエキサイティングな環境だと考えています。キャリアパスとしては、 BDディレクターとしてクライアントの支援業務を担っていたが、その後に合弁会社の事業執行責任者になるというケースも出てきています。その点、自分で事業を立ち上げてみたいという方にとっても良い環境だと言えるかもしれません。

現在募集しているポジションに関してもお聞きできますか?

はい、少し補足させていただくと、
事業開発責任者 兼 営業ディレクター / プランニングディレクター / 市場開拓マネージャー
これらのポシジョンについては、新しいことが好き、今の仕事に行き詰まりを感じている人にピッタリの職種だと思います。先にもお話ししたとおり、中国はさまざまな先進事例が湧き出てくる市場です。中国進んでいるし面白いし、やってみたい!と情熱をもって臨んでくれる人がいいですね(笑)
私自身は、サービス開発の領域に可能性を感じています。というのも、中国市場はローカルプレイヤーの品質も上がり、安くて良いものが市場に溢れ、過当競争に陥っている状況です。日本企業にとっても、機能の優位性で勝ち切れるカテゴリや商材はどんどん少なくなっていると理解しています。
モノを売るだけではなくて、商品と掛け合わせて使えるサービスを開発して、生活者の人に届けることで新しい価値を産むというチャレンジを続けています。
例えば、最近の例だと、あるオムツのメーカー様が、今までの肌にやさしい、吸収量が多いといった従来の競争軸ではなく、オムツの構造で乳幼児の歩行をサポートするという点を訴求するために、歩行分析サービスを当社と共同開発し、中国の育児家庭向けに提供しています。
子供の生育状況に関する親御さんの不安に対応したものです。具体的には、スマホの撮影機能を通じて簡単に歩行分析をして、その成長段階を診断・分析し、アドバイスを提供するという構成になっています。モノを売るには遠回りのように見えますが、結果的にパーパスや機能優位性の理解が高まり商品そのものが選ばれるという効果を狙っています。こうした例のように、モノとサービスの両軸で価値を感じていただけるユーザ体験を作っていくことが重要になっているかと考えています。こちらは、ほんの一例ですが、既存の手口ではなく新しい環境変化に対してどういった切り口で戦っていくかを一緒に考える仲間を募集しています。

出海事業責任者 兼 BDディレクター
実感のある方も増えてきていますが、中国ブランドが世界市場を席巻しています。
いわゆスマホや家電領域ではファーウェイ、シャオミ、ハイアール等が有名になっていますが、アプリ・サービス領域でも、TikTokはもちろん、アパレルECのSHEIN等、世界に進出している中国ブランドの存在感は日に日に高まりつつあります。この流れはますます加速するだろうと捉えています。
例えば、5年前にファーウェイ、シャオミのスマホがこれだけ売れると誰が予想できたでしょうか。そう考えると、新しいカテゴリの中国ブランドが日本で売れない、とは誰も言い切れないだろうと考えています。
今後も消費財だけでなく、B2Bの領域も含めて中国プレイヤーがどんどん日本に入ってくると思います。今後加速するマーケット、本気でこの領域でキャリア築きたい人は大歓迎ですね。自分で旗を掲げて、周囲を引っ張って、定量的な成果を出した経験のある方が向いていると思います。

職場の雰囲気はどのような感じでしょうか?

穏やかな雰囲気です。真夜中まで働くという雰囲気ではないですね。ワークライフバランスを重視しています。Babilyという育児メディアが祖業という成り立ちからも、小さなお子さんがいらっしゃる方、家族との時間を大事にしたいという方も多く、そうした方にとっても働きやすい環境になっていると思います。
とはいえ、スタートアップとして当然グロースを実現しなくてはならないというプレッシャーはあります。私自身は、適度な緊張感を維持しつつも、フラットな関係性が築けるよう意識しています。お互い平等な立場でリスペクトしあえる環境づくりを心がけています。
当社の最も重視するバリューは「平等と尊重」なのですが、どれだけ優秀であっても周りの人をリスペクトできない人は採用していません。
私自身もこの点には最大限注意を払っています。

仕事後や休日はどのように過ごしていますか?

心身の健康がとても大切だと考えているので、休日は意識的に体を動かすことを心がけています。最近はパーソナルジムにも通っています。同じジムの仲間についてはお互いバックグラウンドを全く知らず、唯一の情報はベンチプレスの記録だけです。ランキング上位を競い合っています。ちなみに私のベストは120キロまで伸びました。もはや何を目指しているか分かりませんが(笑)、一緒に運動して、汗かいて…、仕事とは関係ないコミュニティを持つのが大事かと思っています。

1日の仕事の流れ
9:00 -個人タスク
11:00-社内会議
12:00-ランチ
13:00-クライアントと電話会議
14:00-協力会社と新規ソリューションの協議
15:00-社内スタッフと1 on 1
16:00-クライアントとの会議
17:00-セミナー参加
18:00-退勤後、個人タスク

ワンドットでは一緒に働ける方を募集しています!下記よりご覧ください。
事業開発責任者 兼 営業ディレクター 
プランニングディレクター 
市場開拓マネージャー
出海事業責任者 兼 BDディレクター


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