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人生に刺激が欲しいアナタにオススメの小説3選


違和感

2023/12/23 私はコーチングの仲間6人と集まっていた。
コーチング仲間は皆私よりも年上で、上品で落ち着いている、
自分に足りないものを持っている。
そんな人たちと酒と食事をしながら話をしており

「地元の~が良くて」
「~という酒がおいしくて」
「新宿の~って店が~」
などの会話が多くあがっており、1つ違和感を感じた。

私は人にオススメできるものがないかもしれない。

実際、コーチング仲間の前ではでてこなかった。

もちろん人よりも飲食には興味が薄いのはある。
ただ、飲食以外でも人にオススメするということがないかもしれない。


いずれにせよ、人に何もオススメできない自分は嫌いだ。

そこでこの新卒5日目でやめた会社の上司に”インプットもどき”と言われた私が2023年インプットしたものの振り返りも込めて、さまざまな分野でオススメする。

今回は2023年に出会ったオススメの本を紹介する

AI「本、青い目」



2023年に出会ったオススメの本

本は大学生からkindleで読んでいる。
kindle unlimitedだけでは物足りなくなったこともあり、
今までと違い2023年はkindleで小説を購入することが多かった。

サブスクでなく、本を購入することが多かった

その中でも印象にのこった本TOP3を紹介したいと思う。

 

3位 神さまを待っている (文春文庫)

「生きるために「ワリキリ=売春」をやるべきなのか?」

誰にも「助けて」と言えない。大学に進学し、勉強や就活に励み、まじめに勤めていた女性がまたたくまに貧困に呑み込まれていき、抜け出せなくなる。著者自らの体験をもとに描いた貧困女子の現実。

作品の中で響いた文章を紹介する

大学のボランティアサークルにも、こういう人がいた。いつも笑顔で、誰にでも優しくて、子供が大好きで、貧しい国に小学校を建てることを目標にしているような人たちだ。常に噓をついているようにしか見えなくて、わたしは彼らや彼女たちが苦手だった

神さまを待っている (文春文庫)

→あ、これ私ですね。常に嘘をついているように見えるんですね。
たしかに、言っている自分に陶酔している、好きなだけかもしれません。

「性的な虐待や犯罪の被害に遭った人の中には、性に 奔放 になる人がいる。それは感覚を 麻痺 させて、自分のされたことは大したことではないと思うためだ。彼女は、身体を売るのをやめれば、感覚の麻痺がなくなり、自分のしてきたことに気がつく。そしたら、死にたいほどの苦しみを覚えるかもしれない

神さまを待っている (文春文庫)

→なぜか理解できてしまう文章。こういう感覚や合理化を言語化できる人。特にこういった性に関して向き合っていける人。尊敬とかすごいとか超えて、作者はいったい何者だよって思う。。。

「貧困というのは、お金がないことではない。頼れる人がいないことだ」というこの小説の中の核ともなる印象的な言葉がある。〝頼れる人がいない〟というのは、〝周りにそういった存在がいない〟ということだけでもなく、手を差し伸べてくれる人がいるのに、〝頼ることが出来ない自分〟という
ことも含まれるかもしれない。
私の場合、無くなっていく貯金に歯を食いしばって耐えたものの最後は、泣く泣く両親に頭を下げた。「頼る」ことを選んだので、愛のようなホームレスの道は免れたが、今思うと本当に本当に、紙一重だったと思う。愛と私の差は、私には私を応援してくれる家庭が
あった、という点。そして愛の方が、真面目だった、ということだけなのかもしれ

神さまを待っている (文春文庫)

→「あなたは貧困ですか?」という質問に対し、大半の人がNoというと思う。しかし、貧困の定義を上記のようにしたら一体何人の人がYesかもというだろうか。
学生時代に相対的貧困の家庭の子どもに居場所と教育支援をしており、「貧困」には興味があった。そんな私でも貧困の定義は収入とかよりも、
人間関係、つまり頼れる人がいるかどうか(≒頼ることができない自分がいる)はしっくりくる。


生きるために「ワリキリ=売春」をやるべきなのか?

アナタは貧困なのか、これから誰しも貧困になる可能性はあるのではないか?

そんな問いと向き合いながら読んでみてほしい。

2位 六人の嘘つきな大学生 (浅倉秋成)


「人が堕ちる(ように見える)感覚が言語化」

就職活動で同じ会社の選考を受ける大学生6人の話。
ストーリーは最初はう~んって感じだが、"封筒"が出てきてからが面白い。


作品の中で響いた文章を紹介する

何せ、一見して素晴らしい人格者だと思える人であっても、心の中に何をしのばせているのかはわからない。仏のような顔で笑いながら、胸に悪魔を飼い慣らしている人間は大勢いる。
どころかほとんどの人間が仮面を被って生きている──

六人の嘘つきな大学生 (浅倉秋成)

会議室から出た私は人を信じられなくなり、そして、自分さえも信じられなくなった。 誰もが胸に『封筒』を隠している。それを悟られないよう、うまく振る舞っている

六人の嘘つきな大学生 (浅倉秋成)

当たり前だが、彼らは全員、完全な善人ではなかったかもしれない。でも完全な悪人であるはずがなかったのだ。 おそらく完全にいい人も、完全に悪い人もこの世にはいない。
犬を拾ったからいい人。
信号無視をしたから悪い人。
募金箱にお金を入れたからいい人。
ゴミを道ばたにポイ捨てしたから悪い人。
被災地復興ボランティアに参加したから絶対に聖人。
健常者なのに優先席に遠慮なく腰かけていたから極悪人。
一面だけを見て人を判断することほど、愚かなことはきっとない。

六人の嘘つきな大学生 (浅倉秋成)


この作品を通して思ったことは
やっぱり人間は誰しも悪の側面を持っていて、
みんな墓場までもっていきたい黒歴史がある
し、

そのくせ人のたった1つの、

たった1つの悪の側面をを知ったとき、


人はその人を悪人と判断し、蔑むんだなって。
人が堕ちる感覚ってこういうことなのかなって。

みんな胸に『封筒』をもっていて、悟られないよう、うまく振る舞っているんだなって。


目の前にいるあの人も、会社のあの人も、仲のいいあの人も、

私の親と兄弟も。

そして私も。


私も私の封筒が誰にも開けられないようにこれからも生きていこう。




1位 傲慢と善良 (辻村深月)

真面目でいい子と言われた追従な人が大人になったときの末路

突然、婚約者が姿を消した。その居場所を探すため、彼女の過去と向き合う。
恋愛だけでなく生きていくうえでのあらゆる悩みに答えてくれる物語。

作品の中で響いた文章を紹介する

「真実さん、昔から真面目だったんですね」 「うん。でも真面目ないい子が得をするとは限らないでしょ? そんなことの繰り返しだった娘がなんの恋愛経験もないのにいきなり自分で結婚相手を見つけるとか、そりゃ無理だよ」 小野里から聞いた、〝傲慢〟と対になるもうひとつの言葉が頭の
中で弾けた。〝善良〟の方だ。

傲慢と善良 (辻村深月)

そしてその善良さは、過ぎれば世間知らずとか、無知という

傲慢と善良 (辻村深月)

うちは、そんなたいそうな家じゃないけど。だけど、真面目でいい子の価値観は家で教えられても、生きてくために必要な悪意や打算の方は誰も教えてくれない

傲慢と善良 (辻村深月)

「悪意とかそういうのは、人に教えられるものじゃない。巻き込まれて、どうしようもなく悟るものじゃない。教えてもらえなかったって思うこと自体がナンセンスだよ。」

傲慢と善良 (辻村深月)

〈この世の中に、「自分の意思」がある人間が果たしてどれだけいるだろう。真実を責めることができる人間が、一体どれほどいるというのだろうか〉。  最近、よく考える。  どこまでが自分で、どこからが社会なのか。どこまでが理性で、どこからが本能なのか。これまで私たちが選んできた何もかもは、果たして本当に自分の意思で選択したものなのか、名もなき大いなる流れの中で選択させられていたものも多いのではないか。

傲慢と善良 (辻村深月)

→私は傲慢な人間です。

と心から思えた。
親に決めたことに従う"いい子"だったから、いざ大人になり自分で選ぶということになると、自分の意思がわからないし、誰かに決めてほしいって思う。そのくせにプライドだけは人一倍高く承認欲求も人一倍強い。

クソ傲慢。


自分の意思で選んでこなかった善良な人が大人になって傲慢になる
って思うし、

そもそも私たちもどこまでが自分でどこまでが社会で、
どこまでが自分の意思で、どこまでが社会の秩序や決定なのか
というのを
考えさせられる

この作品を読んで、自分も本を書きたいと思った。
共感性、ストーリー性、人間の感情の言語化、社会へのメッセージ性
素人の俺でもすごいなって思う。
この作品を通して、辻村深月作品を片っ端から購入したり、
気になる小説を購入したきっかけになった。

終わりに

本のTOP3を選んだが、よかった本はまだまだある。
それらは以下のサイトに記載しておく。
年末年始にしっかり更新しておくことにしよう。


今回は本だが、次回は以下を紹介したい

・2023年に出会ったオススメの映画
・2023年に出会ったオススメの
2023年に出会ったオススメの動画
2023年に出会ったオススメのサービス(アプリ、サイト、情報商材)

2023年に出会ったオススメのプロテイン

2024年もよい本に出会うだけでなく、
自分の創造したものにそのインプットが生かされるようにしたい。

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