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Collected poems

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記事一覧

【詩】 半透明

東京は海に打たれながら 少しずつ小さくなっているって話 本当のところはわからないけれど あ…

【詩】 ウォンバット先輩

また呼び出されたんだけど 早く帰って夢小説の続きを書いて 数学の予習でもしようと思ったんだ…

【詩】 忘れもの 他3篇

Xで公開していた4篇の詩。 せっかくですので、こちらにも載せます。 写真付きでお楽しみくださ…

【詩】 真似事

レストランやりたかった ずっと昔からやりたかった 和風れすとらん料理上手 って木の棒で砂…

【詩】 手紙

ここが私の居場所だと 秋風を切り取って 一等星で貼り付けて 心の動くままに書いていた 不格…

【詩】 コップ

何を注ぐの 壊れかけた取っ手が耐えられるもの 不満の果肉入りジュース 哀しみの下流から掬い…

【詩】 Number 505より

 ミイラの心  抒情詩に包まれて  波打つよ  目には見えない光が沁みてゆく  気泡が入ったままではどうも居心地が悪い  私の言葉はいつもそんなふうだったから  どうしてその洞穴のような  深い 暗いところへ響いていったのか  わからない  隣の住民は日に一度  ラメ入りの海を洗濯して  フローラルのアロマを飛散させる  春と夏のあわいに立ち尽くす鼻歌を  全部嘘だったことにして  うっすら見えていた星まで  はらりと堕としてしまったよ    その嘘の向こう側で待っている

【詩】 スコティッシュフォールド

スコティッシュフォールドという猫を飼い始めた とは言っても 頭の中で大事に大事に育ててい…

【詩】エーデルワイス 他2編

8月ももう後半戦。夏が終わってしまう…。 今年もあっという間ですね。9月になると今年の終わ…

【詩】 朝靄はポンテケージョの香り 他1編

爽やかで、日も長く、暑すぎず寒すぎない5月が好きで、こういう気候がずっと続けばいいなと思…

【詩】 桜の頃 他2編

今月の詩を3編選んでみました。 楽しんでいただけたら嬉しいです。 「桜の頃」 春に舞う雪を…

【詩】 3月の歌

冷たい風が緩やかになって 夜のベランダが優しくなった お疲れ様のビールを片手に ひとり 乾…

【詩】 右心房

生きている私だからこそ 好きなものは尽きないのです 毎日真新しい 鮮明な目覚めが訪れる 今…

【詩】 夢

めうめうめう どこだい?ここは めうめうめう 迷い込んだ子猫 めうめう 泣いて疲れ果て めうめうめう どうぞ こちらへ 冷えたスープで もてなされて 枯れた帽子で もてはやされて めうめうめう 最後の声まで ちゃんと聞いていたよ だからここへ帰ってくることができたじゃあないか めるめるめると回る針 眠らないのが 無呼吸な訳さ