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難病患者の就労支援の課題とは

あるミーティングの中で、難病患者の就労の課題について話が及び


1名体制で相談を受けていた神奈川県は、周知に取り組み、就職率があがっていくと同時に、相談が増え、1か月、2ヶ月、2ヶ月半…相談を待っていただく状態になってしまいました。


東京も、依然の難病患者就職サポーターのころは、1か月半~2ヶ月近くの待ちが出ていた記憶があります。
相談が増え、何度目かの厚生労働省との相談のすえ、神奈川の難病患者就職サポーターが増員となりましたが、それは、人口あたりこのぐらいの難病患者がいれば、就職できる状況が提供できれば、相談者も増え、相談窓口も増えるだろうと、思ってのことでした。
県は大きいですから、大きな県に1人しかいない場合、相談に行くまでが大変になります。
各ハローワークを巡回している難病患者就職サポーターもいますが、そうすると、事務処理のためのパソコンに困ります、複数人でパソコンを利用するため、事務処理がスムーズにできなくなることもおこります。

指定難病患者と障害者総合支援法対象疾患だけの相談を受けている都道府県もあれば、その他の難病患者の相談も受けている県もあるなかで、
1人では手いっぱいになっている都道府県と、
1人だから、周知に抑制的になるため、結果1人でまわる地域
‥悩ましい姿を目にします

しかし、現場を支える地域の支援体制が脆弱であるため、
難病患者就職サポーターがひとり頑張れば頑張るほどに、難病患者就職サポ--ターの業務ばかりが大変になる…という苦しい事情も生じてまいります。

実際には、障害者手帳を取得できない患者の相談多い難病患者就職サポーターの相談窓口では、
障害者就業・生活センターの支援実績が物語るように、(全国の障害者就業・生活センターの障害者手帳を取得していない難病患者の登録は、平成30年が0.38%、令和元年が0.4%)支援が受けられていません。

難病患者就職サポーターに集中する傾向が現状ではあり、
そのしわ寄せが当事者に向かってしまうことになります。

さらに特化した研修もないとなると…


神奈川県で実際に取り組んだ実践例では、

周知に取り組み、就職者が増えていくと、口コミが増えていきます。

保健所や、難病相談・支援センターからの紹介、障害者就業・生活センターや職業センター、就労移行支援事業所からのリファーも増えていき、そのつながりに連携がうまれ、研修を御一緒したり、お互いの機能や役割への理解が生まれ、信頼が生まれていきました。(「今まで、相談先がなかったので助かります」「ほんとにこの相談は多いのですが、行き先がなかった」等声をいただきました)

全国的には、就職者数にも、相談件数にも相当な大きなばらつきがあります。

1名体制の場合、支援が属人的になってしまう(傾向)んですね。
引継ぎの仕組みが軽微のため、その支援者が退職すると、ノウハウは後になかなか残らなくなる傾向があります。
1人体制と、支援者の育成、研修の仕組みがないことは、難病患者の支援の取り組みとってはデメリットではないかと思われます。(採用が一人決まると、その人と一緒に勤務する被る時間はほとんどありません)

①特化した難病患者の支援者・支援関係者の研修が存在していないこと(1年に1回厚生労働省での研修が1日ありますが、昨年は行われていません)

②障害者雇用率相当の配慮を必要とする難病者の存在…海外では保障の対象でも、日本の今の制度では対象になっていませんが、生活の支障の程度より、雇用率等の制度による対応が必要相当な患者がいます。(制度のアップデートによる対策)

③一般雇用でパフォーマンスを発揮している方もいらっしゃれば、いくらかの配慮により就業定着がしやすくなる人材、そして、現行の障害者雇用率制度の評価の基準に見合っていないために、対象外となっている制度相当の就労の機会が必要な人々。身体障害者手帳の基準言で手帳を取得できる方、(あるいは精神障害者保健福祉手帳)多様な状況、その実態についての議論をする必要について

④障害者就業・生活センターによる手帳を取得していない、できない難病患者の登録者数は全体の0.4%程度であるため、実際の支援がなされていない現状。一般雇用に関しては、障害者雇用関連の支援機関が介入しにくいため、入らないと決めている、断ることになり、実施支援が途中までか、されないケースが多くなる。


こうした状況をうけ、関東圏で支援者の有志の集まりを現役時代から設け、(実際には、関東圏を超えた参加がありました)
難病患者の就労支援のスキル・ノウハウを共有したり、勉強会を開いて補いあっていました。

難病患者就職サポ-ターのサポート体制がないと、実際には、難病患者就職サポーターも課題にぶち当たり、そうした事例を乗り越えることが難しくなります。


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就労支援ネットワークONE

https://onepeople.amebaownd.com/

難病患者の就労支援、就活、働く準備、書類作成、使えるサービスや支援機関、整理の仕方等、難病患者の就活について、当事者の皆様をイメージしながら、元難病患者就職サポーター、リワーク支援、医療現場での支援の体験と実践に基づいて書かせていただいています。