視るパーキンソン病
●パーキンソン病 は 指定難病
黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変成疾患
難病というカテゴリーの疾患群には、
進行性と進行性でない疾患があり、
報道や24時間テレビなどメディアにみる難病患者は、重度、あるいは進行性の疾患が多い
報道され、知られる機会が増えることは歓迎したい。
しかし、あまりにも視聴者を意識したような感動仕立てに障害がある方を描くのも、
実際を切り取れているか、
不安になる。
●若年性パーキンソン病というパーキンソン病
2万人には達していないが、おそらく把握できる数字よりも、この日本は患者数が多い、ということは、他の疾患やひきこもりの方々の実態、実際と、行政が把握する数字には乖離がある場合が多い。
しかし、
パーキンソン病の方々からの相談 は、難病患者のご相談のなかでも、少なくなく、なかでも、若年性パーキンソン病の方々の悩みの深さは、ご相談のなかでも、強く記憶に残っている。
就労世代が、急に震えたり、身体に現れるジスキネジアにより、働きにくくなるなか、
身体障害者手帳は取得できない
だから、一般雇用のなかで、就活をつづけることになりますが、
見た目にわかる分、採用には結果として至る方々ばかりでしたが、
それは支援する側がノウハウや情報をもち、サポートができる場合、
お一人でされている場合の、心身への御負担は、いかばかりだろうか…しかし、実際は1人で悩んでいる、SNSでの情報を頼りに、道筋を見つけようとされている方々は多いのだろうと感じます
・高齢者に多いパーキンソン病も、若年性パーキンソン病もいることへの理解
障害者手帳が取得できない段階も、見た目にもわかる為、就労困難さは高まる。
しかし、病気を開示され、一般雇用で就労する若年性パーキンソン病もいるなか、
生活の支障の程度に対応して制度とギャップがある場合は、社会の理解や、カバーされない制度の谷間を埋める取り組みが今後も重要と思われる。
また、当事者方々も、どんな配慮が必要であり、疾患特性も鑑み、どんな働き方がやりやすいのか、個人のみならず、患者コミュニティ全体でも取り組みは重要ではないかと考えます。
一般雇用から、障害者手帳を取得される方々が多くなるため、一般雇用で就労する初期の段階より、先々を考えた準備をされていかれること、
障害者手帳での就労、求人の特徴はできれば、早い段階である程度把握してみたい。
症状に他の疾患同様に個人差があり、初期と4〜5年経過後の症状との違い、治療のタイミングや選択、また、リハビリテーションの取り組みなども重要となる。
また、個人的には、パーキンソン病患者の就労のためのテクノロジー機器の開発なども、これからはできるのではないかという思いから、パーキンソン病と就労の研究は、取り組みたいと考えている。
それぞれの疾患特性があるため、配慮・社内制度・治療の為の休暇の法定休暇化・テクノロジー機器導入・働き方の多様化・包摂とした理解の広がり、
により、多様に人材も働きやすくなる。
②非運動症状
嗅覚低下、便秘、頻尿や排尿困難、立ちくらみ、起立性低血圧、睡眠障害、記憶障害、うつ、幻覚・妄想などがあります。パーキンソン病の症状が身体全体に及ぶことがわかります。
2012年8月に兵庫県難病相談センターが行ったアンケート調査の結果より、(監修;兵庫県立尼崎総合医療センター 脳神経内科)
歩行や移動困難(56.6%)
便秘(60%)
体の一部が勝手に動く(=ジスキネジア45%)
会話困難(30%)
物忘れ(30%)
よだれ(30%)
体の痛み(28.3%)
意欲低下(23.3%)
睡眠障害(21.7%)といった症状も多いことが分かりました。(引用:兵庫難病相談・支援センターホームページより)
他に睡眠障害(21.7%)
排尿障害(20%)
幻覚(15%)
たちくらみ(15%)
●病気の経過年数より
便秘やジスキネジア、歩行や移動の困難は発病4年以内の初期の患者さんでも感じることが多い
発病4年以内では立ちくらみは少なく、幻覚はない
病気の経過年数により出現する症状が異なることが分かります。
●4大症状
(1)安静時振戦、(2)筋強剛(筋固縮)、(3)無動・寡動、(4)姿勢反射障害
(5)同時に2 つの動作をする能力の低下、(6)自由にリズムを作る能力の低下を加えると、ほとんどの運動症状を説明す ることができる。
近年では運動症状のみならず、精神症状などの非運動症状も注目されている。発症年齢は 50~65 歳に多いが、高齢になるほど発病率が増加する。
40 歳以下で発症するものは若年性パーキンソン病 といいます。就労世代の為、障害者手帳が取得できない時期も、ジスキネジアという身体が動く症状がでやすいため、就労やの支障、影響は大きい。そんななかでも一般雇用枠で就労せざる得ないため、就活の負担は大きくなる。高齢期に多いパーキンソン病も、若年性のパーキンソン病患者がいることも是非知っていただきたい。マイケルジェイフォックスさんも若年性パーキンソン病である。
原因 現段階では不明ですが、いくつかの仮説が提唱されている。また、家族性パーキンソニズムの原因となる遺伝子異常が関与することや、環境因子が影響することも明らかとなっている。
3症状 運動症状として、初発症状は振戦が最も多く、次に動作の拙劣さが続く。中には痛みで発症する症例もあり、五十肩だと思って治療していたが良くならず、そのうち振戦が出現して診断がつくこともまれでない。腰痛からの方も。初期は姿勢反射障害やすくみ足で発症することはないと言われ、症状の左右差があることが多い。
動作は全般的に遅く拙劣となるが、椅子からの起立時やベッド上での体位変換時に目立つことが多い。表 情は変化に乏しく(仮面様顔貌)、言葉は単調で低くなり、なにげない自然な動作が減少する。歩行は前傾前 屈姿勢で、前後にも横方向にも歩幅が狭く、歩行速度は遅くなる。進行例では、歩行時に足が地面に張り付 いて離れなくなり、いわゆるすくみ足が見られる。
方向転換するときや狭い場所を通過するときに障害が目 立つ。
パーキンソン病では上記の運動症状に加えて、意欲の低下、認知機能障害、幻視、幻覚、妄想などの多 彩な非運動症状が認められる。 このほか睡眠障害(昼間の過眠、REM 睡眠行動異常など)、自律神経障害 (便秘、頻尿、発汗異常、起立性低血圧)、嗅覚の低下、痛みやしびれ、浮腫など様々な症状を伴うことが知 られるようになり、パーキンソン病は単に錐体外路疾患ではなく、パーキンソン複合病態として認識すべきと の考えが提唱されている。
難病患者の就労支援、就活、働く準備、書類作成、使えるサービスや支援機関、整理の仕方等、難病患者の就活について、当事者の皆様をイメージしながら、元難病患者就職サポーター、リワーク支援、医療現場での支援の体験と実践に基づいて書かせていただいています。