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ヒゲダン研究室

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Official髭男dism『Editorial』歌詞解釈

Official髭男dism『Editorial』歌詞解釈

アルバム表題曲で一曲目でありながら、あらゆる点でユニークな掌編です。電子的に加工されたアカペラが特徴的なこの曲、専門的になりますが、『MUSICA』2021年9月号のインタビューで藤原さんが語っていることをかいつまんで引用します。

2種類のソフトを使ってて、事前にそのソフトにコードを打ち込んでおいて、そのコードを走らせながら歌うと、それに引っかかってリアルタイムでこういうハモリが生まれていくんで

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Official髭男dism『Shower』歌詞解釈 [後編]

Official髭男dism『Shower』歌詞解釈 [後編]

この歌は「僕ら夫婦(家族)になったけど、恋人だった時の気持ちにいつでも戻れるよね」と言い切るには余りある、複雑な感情が描かれています。このストーリー性の高い歌詞を分析して遊んでみます。

(1A-1)
曇った窓に指をはしらせて 雑な似顔絵を描き合った思い出などない
似ても似つかないとケチをつけ
消してもちゃんと残った名画を笑えただろうにな
(1A-2)
困ったことに月日は流れて 周りを取り巻く環境

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『関ジャム』でヒゲダンの『アポトーシス』が蔦谷好位置さんのマイベストに選出

『関ジャム』でヒゲダンの『アポトーシス』が蔦谷好位置さんのマイベストに選出

テレビ朝日『関ジャム 完全燃SHOW』1月16日放送分をTverで見ました。「プロが選ぶ年間マイベスト」という企画で蔦屋さんが1位に選んだのがOfficial髭男dismの『アポトーシス』です。

この解説で、知りたいと思っていたことがわかりました。イントロに使われている音についてです。蔦屋さんはこの音色に着目し、タイトルの意味と絡めてこのように表現しています。

「顕微鏡で細胞が動く様子を覗いて

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メタバース時代のアンセム Official髭男dism『Universe』歌詞解釈

メタバース時代のアンセム Official髭男dism『Universe』歌詞解釈

『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』主題歌として書き下ろされた楽曲。映画は延期になっていて、ようやく今春に公開が決定したので、またこの曲を聴く機会が増えるかもしれません。

タイアップから逆算して発想の源を想像してみると、テーマは「宇宙」と「少年期」かなと思いました。英語では他にspaceやcosmosがありますが、『Universe』は語感もいいし、「世界」という意味もある。期せずし

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