【読書感想文】わたしに無害なひと チェ・ウニョン著 古川綾子訳
久しぶりの感想文。本当はこれを書く間もなく返却しないといけないのだけど、これはどうしても記録しておきたいなと思ったので…
こちらも短編というのには少し長めの7篇が収められている。
・あの夏
これがもう本当に。書かなきゃならない1番の理由。
軽〜い気持ちで寝る前に読んだら、号泣も号泣。共感したくて、Twitterで感想探したら、「もう恋愛もので心揺さぶられることなんてないと思ってた」っていうの見つけて、リツイートにいいねに大共感してしまった。
そうなんだよー
私も恋愛ものを自ら選んで読むことなんてないと思ってたから、こう偶然に読んでしまった恋愛小説であんなに涙が止まらなくなってしまったことに驚いたのと、自分の中の恋愛部門の扉がぐぅわんぐぅわんに揺さぶられた。
めちゃくちゃせつなくてせつなくて…なんつーかあるよねー20代!みたいな。説明のつかない、きれいに線をひいたりなんてできないあの、気持ちが残ってるのにそっちもきれいにできないくせに新たな方にどうしても惹かれてしまうあの衝動とかが…
いや、恋愛経験なんてほぼないみたいな人生なんですけど。
けどなんかあの青さ、未熟さゆえに人をわざと傷つけたり、無邪気に傷つけたりしてたあの時代がよみがえってしまって…声を出して泣いてしまいました。
・過ぎゆく夜
次に心に残ったのは、これ。こちらも夜中に号泣してしまった。
姉妹の話なので…ね。
まぁ誰も読んでないこのnoteでおなじみですけど。妹に辛辣な言葉をぶつける姉ね…姉が独身で妹が既婚なところもね……。あとは姉が親的な関わりをするところも。
この姉妹は圧倒的にお姉ちゃんが正義で強く、うちの姉妹は私が正義だけど、妹の方が段違いに強く人を突き放すので、そこが交差しますが。なので、読んでて、私が妹だったら私たちはうまくいっていたのかな…なんて考えてしまった。
離れていた時期があったけど、再び出会えてよかったよねうらやましい。なんて思ったけど、まだまだ私だってあきらめてないんですよ。人生80年なので。まだまだ半分ですもの。
新しい環境で新しい仕事を始めて、最初は苦労したけど、2ヶ月もする頃には楽しくなってきて。そしたら、妹と仲良い夢を頻繁にみるようになったんですよね…まるで、残された宿題のように…
どんなひどい態度をとられても、傷つけられても、こんなに恋しいのかと思うと本当にバカな人間だなって思います。本当に。
・砂の家 と・告白
もなんかずーっと光景が頭に浮かんできて。言葉と行動はいつも一致するとは限らないこととか口に出すことが全てではない…同じことか。みたいなことを思いました。
告白の残酷さがね…。でもこれが世の中の現実なのかなぁ…私に話してくれたらなぁ…こんなふうに拒絶されたりはしなかったのに…なんていうリアルとごちゃまぜのこと思いましたし、小説とはいえ胸が痛いです。
・差しのべる手
コモとヘインがこれからまた出会い始めるならよかったと思った。
・アーチデイにて
ラルドだけでなく、ハミンも今幸せに暮らしているといいなって強く想います。
これも、気持ちと行動が伴わない話。好きだからってうまくいくわけじゃないし、恋愛だからいいわけでもないんだけど、仲良くなっても一生会わなくなる関係ってあるんだよなーってこの歳だから理解ができる気がする。
この本には、10代から20代と思われる人やその頃の話ばかりが描かれているんだけど、私がその年頃にこの本を読んだとしても、ほとんど理解できなかったんだろうなという気がする。今のこの経験があるから共感ポイントがたくさんあって心を揺さぶられたんじゃないかな。
本は買わないって決めてるけど、これは、も?手元に置いていつでも読めるようにしておきたいなと思った。
あ、2個目の六〇一、六〇二だけ何も書いてない…
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