拝啓 桑田佳祐様

入梅の候、いかがお過ごしでしょうか?

子供の頃から、当たり前のようにサザンを聴いて育ちました。ダビングしたカセットテープだったせいもあり、歌詞もよく分からないまま歌い大きくなりました。年末は家族そろってテレビで年越しライブを観て過ごしました。

ファンだということを自覚したのは高校生になる頃でした。その頃、20周年を迎え、記念に再発売されたレコード風のCDにバイト代を注ぎ込み、初めて知った歌詞に顔を赤らめ、家族で浜松までライブを観に行きました。

30周年のライブは、兄妹3人で観に行きました。妹はアイアムシンガーのハッピ、私はハッピーのハッピ、兄はドリフのハッピを着て楽しみました。

社会人になってから、昔のように活動を逐一追って、歌詞カードを見ながら歌を覚えるようなことはなくなってしまったけれど、35周年のライブは母と灼熱の中参加しました。そして、去年、福岡まで40周年ライブを観に行きました。

久しぶりに聴いたサザンがすごく楽しくて、どうしてこれを忘れていたのだろうと思いました。それまでの空白期間にあちこちライブにも行きましたが、サザンほど血湧き肉躍るライブはありませんでした。そして、すっかり大人になった今、ここ10年の桑田さんの書く歌詞にすっぽり当てはまる企業戦士になっていて、サザンは初期派だと思っていましたが、最近の作品も一瞬で好きになってしまいました。

また、母ががんを患った経験や、一緒に住んでいた祖父や可愛がってくれた伯母を亡くした経験から、桑田さんが命に絡めて書く歌詞は、死を考えたことがある人のものではないかと考え、聴くたびにこみ上げるものがあります。(感受性が豊かです)

そして、まさに昨日、WOWOWでライブを観ていました。途中からでしたが、本当に楽しく、体調不良で会社を早退してきたにもかかわらず、寝そべりながら元気が湧いてきました。

そのライブ映像を観ながら、ひとつだけ、桑田さんに伝えたいことがありました。

それは、そろそろ女性をエロとして消費するのはやめませんか?ということです。

それが、サザンの、桑田の良さ。味。分かります。理解し、楽しんできたつもりです。

でも、価値観が変化してきた最近、心から楽しめないのです。それなら聴かなきゃ観なきゃいいじゃないかと、たくさんのファンの人に言われそうです。でも、どうしても伝えたいと思ったのは40周年ライブのDVDを観たからです。メイキング映像で常に新しい姿を見せたいと、あれだけの気持ちが込められていることに感動しました。

正直、私としては、ライブの最後はボデイスペシャルIIからの勝手にシンドバッドを何回でも観たいんです。それでおしまい、ありがとー‼️でいいんです。なんなら、もう生きていてくれるだけで充分なくらい沢山の歌と幸せを届けてくれたとすら思います。

考えてみれば、新曲をいつもライブで聴かせてくれましたよね。子供の頃は、えー知らない歌だなぁ…みたいな気持ちも正直ありました。でも、それも新しい姿を届けたいという想いだったのだと今更知りました。

だからこそ、新しい価値観も取り入れてほしいのです。

パンツかぶるダンサーも良いです。最高にくだらないです。でも、かぶるパンツは男性ものにしてください。男同士でふざけてる分には大いに結構だと思うのです。そこに女性の性をエロとして混ぜないでほしいのです。

小学生の頃から痴漢に遭ったり、仕事の取引相手からセクハラを受けたり、また、その経験を笑ってやり過ごさないと女性が悪者にされる雰囲気に散々傷ついてきました。桑田さんほどの影響力のある方(不本意な部分もあるでしょうが…)の意識や表現が変わることで、女性を性の対象として消費するのではなく、人間扱いしていく社会に変わっていってほしいのです。昔はテレビでおっぱいが見れてよかったよなぁ〜で終わりにしないでほしいのです。

最後になりましたが、くれぐれもご自愛いただき、これからの活躍も心からお祈りしております。あと100回くらいライブ行きたいので、元気に長生きしてくれたらうれしいです。 

でも、何より桑田さんが桑田さんの人生を生きてるだけでもう充分な気もします。桑田さんがたくさんたくさん励ましてくれた分、私もどんな時も応援しています。もし、読んでくれたなら、ありがとうございました。

敬具

追伸:でもやっぱり、またライブで会いたいです。

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