見出し画像

僕は韓国がキライだった

中学生の頃、韓国がキライだった。嫌いじゃなくてキライ。あまり理解せずに思い込んでいたからカタカナ。
このnoteで政治の話なんてするつもりはないけど、いわゆるネット右翼というやつだった気がする。黒歴史。堂々と書ける時点でそうでもないかも。

はじめての身近な韓国は小学2年生のときだった。家族旅行で韓国を訪れた。
当時は韓国=焼肉しか頭になかったので、チヂミが食べたかったらしい両親にダダを捏ねて、連日焼肉屋に連れて行ってもらった。
妹がロッテワールドの着ぐるみに怯えて大泣きしていた。思い出はそんなところ。
当然この頃は好きも嫌いもなくて、楽しい家族旅行の思い出だけがある。
初めての海外だったから嬉しかった。

そして中学生になって、韓国がキライになった。
なんでかは覚えていない。当時のインターネットは今よりも嫌韓の雰囲気があった気がするし、そういうサイトばかり見ていたから思い込みかもしれない。
あの頃は「日本が好き」と「韓国が嫌い」が表裏だと信じていた。

高校生の頃も多少なり引きずっていたと思う。
サッカー・アジアカップのキ・ソンヨンに怒り心頭だったのを覚えている。あれは今でも良くないと思うけど。
高校の後輩に韓国人とのハーフの子がいた。これが身近な韓国ふたつめ。
そのこと自体は気にも留めてなかった気がする。ふーん、という感じ。でも初めてその話になったときの自分のリアクションは覚えていない。
韓国ギライを引きずっていた頃だし、不快にさせたかもしれない。

大学生になって、好きでもキライでもなくなった。プラスかマイナスかで言えばちょっとマイナスくらい。0.5とか。
興味・関心がだいぶ薄れていた。スポーツ観戦が好きだから、韓国に負けるとその他の国に負けるよりは悔しい、そのくらい。
これがプラスに変わった理由ははっきりしている。キライだった理由と違って。

大学3年生を終えて、休学してバックパッカーをした。ドイツ語を勉強していたから、ヨーロッパ。
不真面目なのでドイツ語はほぼ話せなかった。
最初に語学学校に通って最低限の英語を身につけた。
そこに韓国人のクラスメイトがいた。これが身近な韓国みっつめ。
アジア人は2人だけだったのですぐに仲良くなった。
向こうはアジア人1人の期間が長かったらしく、心細かったというようなことを言っていた。

この韓国人とスペイン人2人を加えた4人グループでつるんでいた。
ホームパーティみたいなこともした。チヂミを作ってくれて、それが美味しかった。「ヨーロッパ人はセサミオイル(ごま油)の香りが嫌いなんだって」という会話を覚えている。
幼い頃の韓国旅行を思い出して、親に本場のチヂミを食べさせてあげれば良かったな、と反省もした。

この韓国人と「お互いの国についてどう思うか」みたいな会話をしたことがあった。といってもそんな重たい雰囲気じゃなく。完全な雑談。
曰く、「国と国のことはよくわからない。私は自分の国も日本の文化も好き。個人と個人が楽しく話せるなら良いと思う」とのことだった。
他愛もない会話だったけど、価値観がはっきり変わった瞬間だった。だから今も覚えている。
このとき初めて、韓国にまつわるものをはっきりと肯定的に捉えた。
初めて密接に関わる韓国人がこの子でよかったな、と思った。

バックパッカーとして旅をしている最中にも、何度か韓国人に助けられた。
泊まる予定のユースホステルのドアの開け方がわからなくて、そこに泊まっている韓国人が説明をしてくれたり。
日本に帰るころには韓国人にけっこうな好印象を抱いていた。

今ではプロフィールにも書いている通りTWICEが好き。まさか自分がK-POPのアイドルにハマるとは思ってもみなかった。
TWICEのことは別の機会でもっとちゃんと書きたいのであまり触れないけど、推し活はとても楽しい。
ただ、財布は常に心もとない。

「国と国のことはよくわからない」けど、今は個人として「韓国」を数えきれないくらい楽しめている。
国どうしはそんな単純じゃなくても、個人ならキライより絶対に好きの方がいい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?