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SNS時代に刺さる「地方紙広告」について

今の時代、紙面の画像がSNSでまわってくることも多くなりました。

私自身もここ最近だけでも長崎や長野の地方紙の広告をSNSで見かけ、共感してシェアをしました。
皆さまも同じような経験があるのではないでしょうか。


少し調べてみると、新型コロナウイルスの影響で、自由に帰省ができない状況などを逆手に取った地方紙プロモーションが最近熱いなぁと感じるようになりましたので、
コロナ以前のものも含めて少しまとめてみることにしました。


<コロナ禍の広告>
①岐阜新聞
「『離れていても心はひとつ』ソーシャルディスタンスを伝える広告」

(引用:岐阜新聞)

まだ緊急事態宣言が出る前、新型コロナウイルスに関して人が意識をし始めていた時期に岐阜新聞から出た離れたらメッセージが読める広告。
「ソーシャルディスタンス」、距離を置くことの大切さをユニークな形で訴求しているところから岐阜の新聞にもかかわらず、SNSを中心に全国的に広がりキー局のテレビでも放送されました。

スピード感と意外性、大人から子どもまで楽しめる共感コンテンツという部分が話題の火種となった広告でした。


②長崎新聞
「#8月9日に想像したこと」

(引用:長崎新聞)

8月9日の原爆記念日に長崎新聞が新聞紙一面に平和祈念式典の会場である平和公園の地面を印刷した広告を掲載。
「会場へ行きたくても足をはこぶことができないあなたのために。新聞紙一まいぶんの式典会場を用意しました」という粋であたたかいメッセージが添えられている。SNSを中心に情報が広がりメディアでも取り上げられる話題になりました。

平和祈念式典を自宅で “平和公園の地面”を配布する長崎新聞に「粋」と称賛
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2008/09/news027.html  


③信濃毎日新聞
「『離れることで、見えたもの。』 実験ARおうち花火大会」

(引用:信濃毎日新聞)

8月15日に毎年開催されてた諏訪湖祭湖上花火大会の中止に合わせて、信濃毎日新聞が中止になった花火大会を新聞上(AR)で開催したというもの。

新聞というアナログなツールとAR技術を組み合わせて離れた場所から同じ時間を共有できる「トキ消費」を提供し、SNSでもAR映像が拡散されテクノロジーのインパクトと新聞というユニークさ、地元を想う新聞社の想いなど多くの共感ポイントで話題になりました。


<コロナ以外>
①中国新聞
「結局、新井は凄かった」

(引用:中国新聞)

広島東洋カープに所属して昨年2019年に引退した新井貴浩選手に対して、同僚の黒田博樹選手が自費で制作した広告。
表面に新井選手やチームの不振を取り上げた過去の新聞記事をちりばめ、裏面では「結局、新井は凄かった。」のキャッチコピーで、同選手をたたえねぎらうユーモアあふれる内容に広島の人だけでなく、全国の野球ファンに反響を呼びました。


②福島民報
「おくる福島民報」

(引用:福島民報)

福島民報が新聞を手紙として全国に届けられるようにした特別紙を発行したというもの。
2018年、2019年と連続で行われているが「東日本大震災で県外に避難した県民に向けて地元の情報(復興しているという報告)を全国に向けて発信してほしい」という『イメージの復興』をテーマとしている。
世の中のイメージを受け入れた上で逆手にとったあたたかい広告です。


地方紙の新聞広告は「ローカルらしい人のあたたかさを感じられるもの」がポイントのように感じます。
心に訴えかけてくるものが人々の共感を生みだします。
最近は新型コロナに影響でそこを起点としたアクションが多いですが、
新井選手の引退のように共感の起点は「地元 × 想い」と比例しています。

さらに「デジタルと連動しているもの」が拡散している傾向にあるかもしれません。
(長崎新聞、信濃毎日新聞は広告誌面のデジタル版ダウンロードが可能でした)

広告を出すときはなるべく面を増やしたいと考えてしまいがちですが、そこまでのお金がない場合には「地方紙×SNS→メディア」という手法がいかせる時代になってきました。

帰省やGo toキャンペーンの話での地方紙活用は一旦落ち着くかもしれませんが、
新型コロナウイルスによって起きてしまった障害に対して地方新聞が
"新聞を通して" 起こすアクションが今後もあると思うので引き続き注目していきたいですね。

地方のプロモーションを担当している人、これから考えている人の参考に少しでもなったらうれしいです。

個人的には地元の神戸に何かしらの形で力になりたいなぁと思う次第でございます。(宣伝)
最後まで見ていただきありがとうございました。

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