文化祭のためにバンドを組んで映像作品を出した
11月15日から17日まで職場の文化祭が開催され、僕たち5人はバンドとして映像作品を出した。
思い返せば1年前、僕は文化祭でほかのバンドの映像作品を見た。ひとりでこっそりとドラムの練習をしていた僕は一刻も早くバンドがやりたくなった。次の日、知り合いのキーボードの子に声をかけた。しかしキーボードとドラムだけでは何もできないので、そこから様々な伝手を頼ってメンバーを探した。
全く面識の無かった人に長文の文章を送ってバンドの勧誘をした。今思うと見知らぬ人からのバンドの勧誘なんて恐怖でしかないと思うが、快く引き受けてくれて本当にうれしかった。
そうやって年齢も性別も技量も経験も全く違う、ギターボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムの5人が集まった。
3月に初めて練習をしてから色々な曲を演奏した。初回は緊張と技量不足で全然上手くできなくて悔しかった。縁あって吉原にあるANTERAというコミニュティスペースの店長さんやオーナーさんと知り合い、定期的に練習をさせてもらって、よく声をかけてもらった。練習直前に僕がコロナにかかり、40度近くの熱を出しながら文字通り死ぬ気で録音した電子ドラムの音源で練習してもらったこともあった。アンプに直接シールドを挿すギターに向かってアベフトシみたいだとはしゃいだり、TOKIOは意外と難しかったと嘆いたり、それぞれの楽器について話をしたり、バンドをやっていないとできないような話や経験もたくさんした。
文化祭にはGOING STEADYの「BABY BABY」とサカナクションの「新宝島」の映像を出すことになった。
撮影当日、「新宝島」の演奏でこれまでしなかったミスを連発してしまい、僕は本気で焦っていた。最後のテイク、なんとかミスを誤魔化し、顔面蒼白になりながら演奏していた1番のサビ終わり、ギターボーカルが後ろを向いて大丈夫だと頷いてくれた(ように思えた)。それから僕はなんとか持ち直し最後まで演奏することができた。みんなそれぞれの楽器でそれぞれ違う演奏をしているが、バンドをやっている間は決してひとりではなく、みんなで支え合いながらひとつの作品を作り上げていることを実感した。まさにバンドをやっていてよかったと思える瞬間だった。
文化祭当日、自分も見に行ったがたくさんの人が僕たちの作品を見てくれていた。感想は僕だけ全然もらえていないが(絶賛感想受付中)、文化祭にバンドの作品を出すという願いが叶っただけでも本当にうれしかった。バンドメンバー全員で自分たちの映像を見ていたときはものすごく達成感に溢れていた。本当によく頑張ったと思う。
なぜそこまでしてバンドをしたいのか。なぜそこまでしてたった数分間のために何時間も何週間もひとりで練習をするのか。色々考えても結論は出ないが、結局バンドで音を出すことは僕にとってすごく素晴らしいことなんだと思う。そしてバンドで音を出すことに魅了されてしまった以上、これからもやめることはないのだと思う。
バンドメンバーは友人でも恋人でも家族でもない、不思議な存在である。特に僕らみたいに元々知り合いでもなんでもなかった人たちがひとつの作品を作り上げているなんて、ある意味奇跡の存在ともいえる。
イケメンでフロントマンにふさわしいギターボーカル、年下感満載でこの数ヶ月で急成長したギター、安定感抜群でバンドを支えてくれたベース、バンドに様々な彩りを加えてくれたキーボード、この4人とバンドができて本当によかった。僕はいつの間にかリーダーになっていたので、指示を出したり方向性を決めたりしたけど、それも4人が僕のことを信じてくれて、そして僕も4人のことを信じていたからできていたのだ。僕たちみたいなアマチュアのバンドで大事なのは、何より人間性、そして信頼関係なのだと思う。
文化祭に映像を出したがこれで終わりではない。バンドメンバー全員で映像を見てからすぐに今後のことを話した。
まずは来年の文化祭に早速作品を出すと決めた。来年こそたくさんの人から感想をもらいたい。
そしてこれは個人的な考えだが、今よりもっと上手くなって人前で演奏できるレベルになったら、いつかライブに出たい。そのときは僕たちのことを見に来てください。
P.S.バンドのメンバーはそこそこ感想をもらえているみたいなのに、僕は未だにひとりからしか感想をもらえていません。
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