見出し画像

煌めきの中に堅実さ。戦隊モノで言ったらブルーなアウル・シティーの話

私の実家の母は料理が好きで昔からいつもたくさんの食事を作ってくれた人だった。

誕生日やクリスマスみたいな行事等で張り切るタイプじゃないけど、普段の料理を美味しく作る事を頑張ってくれてた。
母は私が物心ついた頃には共働きをしてたのもあって、今で言う時短っちゅう工夫をかなり昔から取り入れており当時近所ではウチが1番早くに電子レンジを導入していた。


所でアウル・シティーって曲がポップで華やかなんだけどアルバムって媒体から見ると初期からあまり作りに変化が無いアーティストだと思う。まあ、そもそもポップってそんな変化を求められないジャンルだと思うし、また逆に言えばソレは安定感が有るってコトで、ずっと聞き続けてる。

だから3月に新譜が出てソレをダウンロードした時、ちょっと舐めていたんだと思う。分かってる、安定のアウル・シティーだろ?って。
でも実際には違ったんだ。あれ?いつもとちょっと違うな。

なんかこう‥いつもより元気だな。みたいな。

いや!私も分かってる!なんじゃその感想って自分で思ったもん。でもホント、そう言う変化なんだよ。なんか良い事あったんかな?前髪揃えた?位の然り気無さ。

単純にストレートの球速上がったんじゃ無くて、速さはそのままなんだけど球の回転数が上がってて手元でグッと伸びるよーな感じ。キャッチングする瞬間、ビビって声出ちゃう的な。
しかも、なんかちょっと違うなって耳を凝らして聞いてたら、今まで出してなかった球種まで投げてて更にあっれーー?!ってなった。
今までそんな声張ったりしなかったじゃん。

それまでアルバムでは感情の起伏が少ない歌い方だった。よく言えばいつもニコニコ、でも裏返せば常に笑い顔って有る意味無表情。っつーね。
だから、凄くビックリしたんだ。
アウル・シティーってこんな感情豊かに歌えるヒトなんだって。

新譜を一通り聞くと、明らかに曲調変えたのはその1曲だけで他は前からの楽曲と変わらないように聞こえる。
でも、そのストレートは前述した通り球威を2種類使い分けしてて、それだけでも驚異なのに、ソコに数%の変化球が来るとバッター側はまあ気が抜けない。
次はなんだ?次はどう来る?ってめちゃくちゃ気になってずっと興味湧いて聞いちゃう。

コレってマイナーチェンジめっちゃ成功してるよね。チームのテコ入れしよーとして鼻についちゃう時も有ると思うんだけど、アウル・シティーの良いトコはより強く、引き出しも多くなった印象。

多分本人に取っちゃなんて事無いコトなんだろうなぁ。(て、思わせんのもまた凄い)
だってポップって日常だもの。余りにヘンテコな出来事起こったら拒否されてしまうのが常だから。
だから変わる時は静かに、自然に、奥ゆかしく、あれっ、髪切った?位の変化じゃないと。


一度だけ、実家で七面鳥のローストを初めて買ったレンジのオーブン機能を使って焼いたコトがあったけど、ソレ以来一回としてやって無い。私も食べたし美味しかったけど、苦労の割には食べられる箇所は少なかったように思う。

それよか、その電子レンジで母が作る蒸しカップケーキは蒸し器で作るより手間と後片付けが圧倒的に少なく楽に出来るのにお味はそのまま。

ポップって、そう言うコトなんじゃないかなぁ。
新しっぽくてキラキラだけど、敢えて変わらない圧倒的安心感。

この記事が参加している募集

#私のプレイリスト

10,811件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?