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種の多様性がなくなってしまう?

世界に誇る種を守る場所がなくなる!?

あっという間に廃止が決定?!

 今回は、わたしたちの食の源、種の話です。舞台は、広島。世界文化遺産の宮島や原爆資料館がある県です。そこで、とんでもないことが決められました。広島県農業ジーンバンクの廃止です。
運営は2023年3月末まで。あと2ヶ月もありません。
 ジーンバンクとは、種子など遺伝資源の保存とその再活用を目的とする施設。ここには、約18000点の種が保存、管理されています。1988年の設立以来、長い時間をかけて県内外から収集されたもので、県民も無償で借りることができました(栽培結果を報告し同量以上の種子を返すことが条件)。種の価値は使うことで維持されるといいます。しかも、こうした取り組みは珍しく、世界にも誇れるものです。国際的な議論のなかでは「コミュニティ・シードバンク」に位置づけることができるとされています。
 長周新聞によると、廃止は、昨年4月から「県ジーンバンクの運営にかかる検討会」が開催され、たった4回の会合で決定されました。

技術も失われていく…

 わたしたちが普段スーパーで買う野菜やお米の種。いったいどこにあって、誰が管理しているのか。それについて詳しく知る機会は少ないのが現状です。ホームセンター等では野菜の種や苗が売られています。しかし、その種はどこで作られているのでしょうか。種苗メーカーが国内で生産管理しているのでしょうか。
 現在、野菜の種の9割は海外で生産されているといいます。
 採取して次世代を育てることに向かないF1種が普及する以前は、個々の農家が種採りをして、保存、管理し、また、ほかの農家と種を交換しあいながら、永年に渡り受け継いでいたのです。ですから本来、種は、農家が主体となって管理していました。しかし、それも1950年頃までのこと。
 1980年生まれのわたしは、農家出身でも、祖父たちが種採りをしていた姿を記憶していません。ちょうど、わたしの親が生まれたのが、1950年代始め。そこから種のF1化が急速に進んだと言われています。農家が種採りをしなくなったこと、種のF1化が進んだことにより、在来種がどんどん消えてゆき、当然のことながら、農家の自家採種の技術も失われていきました。そのような中、1970年代には、バイオテクノロジーの技術が開発され、海外で遺伝資源を囲い込む状況が生まれます。
 これらのことに危機感が生まれ、農業ジーンバンクは設立されました。

このまま引き継ごう

 廃止を伝える中国新聞の記事には、約1万8千点のうち、約6千点を国の施設に移し、残りは廃棄すると書かれています。食品ロスの問題が叫ばれている今、食の源である種を捨てていい理由があるのでしょうか。

 存続を求めるネット署名が行われています。1月末の締め切りでしたが、今月半ばまで延長されるそうです。わたしも署名しました。
以下にURLを載せておきます。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。次回は、パンの話題に戻ります。

広島県農業ジーンバンクを守る会
(サイト内に署名ページのリンクがあります)
https://website3776.wixsite.com/my-site
中国新聞
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/263023
長周新聞
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/25612



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