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渡辺啓助さんのお墓参りに行ってきた。


1月14日のこと。

ダダイストでお馴染み、辻潤さんの夢を見たのは1月7日頃だっただろうか。その話の機会はまた別に設けるとして、夢に出て来て下さった縁で辻さんのお墓参りに行くことにしたのだが、その時にふと「啓助さんのお墓って何処だろう?」と思い立ち調べた所、白金高輪駅の近くだったので駒込の辻さんのお墓へ行く前に啓助さんのお墓にも行ってみることにした。

渡辺啓助さんは渡辺温の兄で作家である人だけど、僕はそういう温オタクの立ち位置を抜きにしても啓助さんの作品のファンであるから一度手を合わせに行くのも悪くないなあと思い、お参りするに至ったのだった。

お墓参りに行く前に僕はだいたい心の中で「何か欲しいものありますか〜?」とお伺いしながら買い物へ立ち寄ることにしている。
横溝正史さんのお墓へ行った時は二度共ウイスキーを持って行ったのだが、啓助さんは下戸だという話を読んで知って居たので何か甘い物がいいかな?と思いつつ、店へ行くと……

  • チョコレートドリンク

  • チョコレート(特にmelty kissの苺味)

  • 甘いおはぎ(※高い方のおはぎを買おうとしたら、安い方がいい!って感じがして、よく見たら高い方は”甘さ控えめ”だった)

これらが欲しいな! と強く感じたのでそれらを買って持って行った。
何か一つのつもりが3つ欲しい感じがしたので、相当甘い物が欲しかったのか、それとも何か別の理由があったのか。
ともかく僕は、これらを嬉しそうに飲んだり食べたりしてくれる渡辺啓助さんを想像してなんだか楽しくなりながら、お墓へ向かった。

白金高輪はなんとなく良い雰囲気。

白金高輪で降りたのは初めてだったかもしれない。
特に何かがある訳でもないのだが非常に空気の良い街だなと感じた。
Google mapに従って、彼の墓所があるお寺へ向かうと、途中はお寺だらけで街の歴史の深さを感じた。

幽霊坂の頂上。

やがて道中は「幽霊坂」という場所になり、坂を登り切った所で坂の名の由来が書いてあったので読んでみると「この坂にはお寺がたくさんあり、お墓もたくさんあることから——」ということだった。墓所が怖いのは何百年か前の人も変わらないのだろうか。皆供養されているからとても幽霊が出るようには思えないけど真相は如何に。
などと見知らぬ死者を無責任に放り投げる気持ちで僕は再び、啓助さんのお墓を目指す。

啓助さんの墓前へ。

Wikipediaの情報を元に港区の大増寺へ。
先祖代々沖縄の人間で、仏教徒ではない僕はお寺でのお墓参りという物に慣れていない。親族でもない者が気軽に入っていいのだろうか? 不審者になっていないか?といつもビクビクするのだが、太宰治など作家の命日に一般のファンがお供えをしている様子を見たことを思い出し、勇気を持ってお墓を探す。
入口にいらした観音様に「こんにちは。渡辺啓助さんのお墓参りに来ました。どうか場所を教えてください!!!!」と手を合わせてお願いしてからお墓探しに挑むことにした。
この方法で渡辺温のお墓はかなりサクッと見つかったから、今回も行けるかと思っていたのだけど……。

お墓探しには随分苦戦した。
他人様のお墓をぐるぐる見て回る僕は怪しく、また何か失礼なことになってないか不安だったけどここまできたら仕方がない、一個ずつ探してみようと半ば泣きそうになりながらお墓をぐるぐる回って探した。結局、半分くらいお墓を見回った頃だろうか。

幾つ目かの「渡辺家之墓」を見つけ、リーチきたー!という気持ちで側面を確認したら「渡辺圭介(※本名)……一月十九日没 百一才」とあったから

側面の墓誌。他のご家族の情報は隠しておきました。一応。

間違いない! と思い思わず「あーっ!」と声をあげてしまった。
人が全然居なくてよかった。

啓助さんとおやつを食べた(つもり)

まずは手を合わせてご挨拶をした後にお供えをした。飲み物はストローを刺して開け、おはぎもパックを開けて、あと見えないところにmelty kissのチョコレートを置いてある。
お供えを買う時に、自分の分のさつまいもの蒸しパンを買っていたので墓前で一緒に食べることにした。あちらはおはぎ、僕は蒸しパンのつもりで。なんとなく一緒に食べるつもりで買っていたのだけど、なんかよかった。いい思い出ができた気がした。

この先僕は生涯をかけて渡辺温の研究をするつもりで居るので、啓助さんのお墓に向かって最近手相に出てきたガチ霊感の証「仏眼」を見せて「僕はどうも霊感があるようです。だから何かあったら教えてください。話しかけてくださいね! 夢でもいいです」とお願いしてみた。ちゃんと伝わってるか自信がなかったから、3回くらい言った気がする。
すると不思議なことに潮の香りが漂って、口の中も潮の味がした。何処かから漂ってるのかと思って辺りをみたけどそれらしいものはない。「もしかして、助川(日立)の海のこと?」と思った瞬間、その香りは消えた。本当に何か教えてくれたのかもしれない。これはまた助川にいって、ちゃんと海に行かなくちゃな!いずれまた助川で聖地巡りをしよう。と決意を新たにした。

啓助さんのお墓の場所はネットでは何処にも載っていない様で、もしかしたら墓参りをして居るファンも少ないのかもしれないと思った。
行こうと思って居る方へ……観音様の左側を正面とした時、正面向かって右端の列、割と奥側。とお伝えしますね! 理解るかなあ。仮令分からなくても、僕のように虱潰しに見て行けば何時か辿り着けます!笑

この日も山高帽とインバネスでお墓参りした。

お供えした飲み物やお菓子は全部綺麗に回収して来た。


1月19日はポーの誕生日であり啓助さんの命日。

この日は偶然、啓助さんのお誕生日と命日の中間のような日だった。そのタイミングということもあり、これは行くしかないなと思い行ってきた。

別に唯、手を合わせて甘いものをお供えして、そこで自分もパンを食べただけの話だけど、何となくじわじわと沁み入るような楽しさがあった。何となく嬉しいようなそんな気持ち。
またいつか、お墓参りに行っても啓助さんは許してくれるのかもしれないなあと思った。


終わり。


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