本來左利きだった自分を見つけた話
僕野辺の小鳥が呟く所に拠ると、は本來左利きだつたんぢやないかしら。
子供ぢやあるまいし「左利き=天才」說を信じて執着してゐる譯ではないけれど自分がどちらなのか何なのか釋然としないと云ふ事は、事あるごとに引つ掛かつて仕舞ふ。
文字を書くのも、箸を持つ方も右手だつた。
けれど窓拭きをする時の雜巾を持つ手や、ハンドル式の鉛筆削りでハンドルを回す時はいつも左で
「右ぢやない!」
と人に指摘される度、惡い事をしてゐるやうな氣になつて落ち着かなかつた。
實際それはマナー違反だつたのか