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糖とは!⑤

糖シリーズも終盤、

今回は糖新生についてです。

糖新生を説明するにあたって乳酸のお話もしなくてはならないので、乳酸の方もどうぞご覧ください!☞乳酸とは!


糖新生とは!

しくむ、ことです。

どこにおいて、どのように起こっているのでしょう、、、。


糖新生は複数パターンありますが、今回は3つ紹介します。

1つは骨格筋において、解糖系のほぼ逆反応で行われます。

2つ目は、血中に放出された乳酸を肝臓が回収しグルコースを合成するコーリ回路です。

そして3つめは、アミノ酸の一種であるアラニンを利用するグルコース・アラニン回路が存在します。コーリ回路同様に肝臓で行われます。


①骨格筋における糖新生

解糖系の”ほぼ”逆反応といったのは、解糖系の代謝の中に不可逆反応が3か所ほどあり、下の解糖系の流れをキレイに逆戻りというわけではないからです。

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解糖系で不可逆反応であるところは別の酵素が用意されています。

ここの細かい一つ一つの酵素はおそらく覚えなくてよいと思うので、割愛します。需要があればまた載せます。

解糖系の場合は2つのATPが産生されましたが、糖新生では6分子のNTPが消費されます。NTPとは4つのATPと2つのGTP(グアノシン三リン酸、高エネルギーリン酸化合物)が合わさったものです。


②コーリ回路

乳酸のゆくえについてのお話で、乳酸は糖新生に利用されるとさらっとふれましたね。☞乳酸とは!

血中に出た乳酸は肝臓に回収されたのちピルビン酸に変換され、そこからグルコースになります。

グルコースになるとはいえ血中を経由して肝臓で生成されるのには時間がかかるので、高強度の運動時にすぐには供給できません。安静時向きの回路です。

コーリ回路


また、乳酸は骨格筋だけでなく低酸素状態にある組織やミトコンドリアの無い赤血球からも血中に出るので、そこからも肝臓で回収します。


③グルコース・アラニン回路

アラニンとは、アミノ酸の一種で、アルコール代謝に力を発揮すると言われています。

解糖系が亢進し血中グルコース濃度が低下すると、BCAAが産生されます。(この辺の話はタンパク質をやるときに多少できるかもしれません)

解糖系で作られたピルビン酸がそのBCAAからアミノ基を受け取りアラニンへと変化し、血中へと放出。肝臓に入り乳酸同様にグルコースに変換されます。

つまりグルコースが消費されたことを補うようにして、アラニンとピルビン酸によってグルコースがまた産生されるというサイクルになっています。

生体はうまい具合にできてますね、、、。

また、この回路を通じで骨格筋内で生じた窒素を肝臓で処理してもらうことができます。

そのようにグルコース・アラニン回路は二つの意義を担っているのです。


糖新生の意義

以上3つの糖新生の回路をみてきました。この他に脂肪組織が分解されてできたグリセロールも同様にして肝臓で糖新生が行われます。

糖新生が行われる理由は、もちろん消費して不足したグルコースを生成するためです。

特にグルコースは脳の唯一のエネルギーだと言われていて(ケトン体を利用できる説もありますが)、血中グルコース濃度は一定に保っていないと、活動はおろか生命にも関わってきます。

食事から糖質を摂取できればそれを分解し貯蔵し利用できますが、運動時などの消耗が激しい時、または絶食時などは自分の体内でなんとかしなければなりません。

だから自分の体内に存在する基質を利用して、保とうとするのです。

そう考えると糖新生は、人間の本能的な仕組みなのかもしれないですよね。


まとめ

ここまで糖とは何か、どのように消費されどのように作られるのかについてお話してきました。

運動するため、さらには生きるため糖が必要不可欠であることがお伝えできたでしょうか。

これを踏まえて、今後私なりの糖質制限についての見解を書いていきたいと思います。


最後までお付き合いいただきありがとうございました!


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