第2章 日本の基本戦略編(ダイジェスト版)

 君たちが幸せになる方法は簡単だ。「理想」を叶えられるだけの「力」があれば幸福になれる。ただし、方法は簡単だが実現は困難だ。なぜなら、そこまで優秀な人間はそんなにいないからだ。

 外見だけでは判断できないが、人間は生まれつきの能力に偏りがある。2.4m180kgの人間と1.6m60kgの人間が闘うことは平等だろうか。多少の努力をしたぐらいで追いつけるものだろうか。自由主義社会とはそういうことだ。「力」が無ければ何も出来ないし、「理想」は力がないと思いつくことすらできない。だからこそ、国が作られた。力のあるものが力のないものを理想に導くために国が作られらたのだ。


 それなのになぜ、君たちは将来の日本に不安を感じているのだろうか。答えは、現在の日本には戦略「理想」が無いからだ。その結果、その場その場で困ったことに対応するだけで、将来が見通せない。
 
 なぜ見通せないのか。ネットによる情報化社会が始まり、世界がより密接に繋がるようになったのにも関わらず、各国と同じように、君たちは、日本国民や自分の即物的な利益しか考えていないからだ。

 世界は繋がっているのに、各国が自分たちの利益しか考えない。結果、お互いが資源や金銭を奪い合って争いは増えていく。資源も必要以上に確保しなければならないから枯渇する。貧富の差も道徳レベルの差も激しくなる。
 その中で生き残っていくには、他の国よりも力を得なくてはならない。

 力を得ようという競争を進めた結果、各国みんなが力を奪い合って、結局戦争に巻き込まれるしか進む道はなくなる。しかも力をつけ続けたもの同士の戦争なので被害は半端ではない。日本はその両大国の真ん中にいる。
 つまり、地球に敵がいなくならなければ日本も世界も平和にはならない。結局はどこかの誰かが世界を統一しなければならない。

 世界は力のあるものが支配する。絶対法則だ。ただし、現在世界で力のある国のアメリカや中国は嘘が多いので信用ができない。そして、単独で統一して文化を押し付けようとしてくる。どちらの味方になっても行き着くところは戦争になる。

 こういう世界統一は、統一された世界がアメリカや中国一色になる。けれども、世界中の人間には故郷があり、故郷の文化が一番好きという人が大半で、故郷に誇りを持って生きている。

 この、両国どちらかによる世界統一が嫌ならば、別の誰かが違う方法で世界を統一しなければ、日本は幸せにはなれない。
 他の国がやらない、もしくはやれない状況にあるのなら、GDP3位の日本が世界を統一するしかない。

 君たちが幸せになりたくて始めた話だが、世界中の人が幸せにならないと日本人も君たちも幸せにはなれない。 


 世界は力のあるものが支配する、という絶対法則がある。世界統一を目標にするなら、日本は、国自体も力をつけなくてはならない
 国自体が力をつけるには、世界中の国や人が、現在日本の約5倍の力を持っているアメリカや中国の示す選択より良い選択だと思う提案をするしかない。
 なぜならば、日本は国土も狭いし、人口も1億人しかいないので、これ以上の国内での需要供給では、絶対に中国、アメリカよりも力をつけられないからだ。少子化政策だけで対応できると思っているのならばあまりにも策が無さすぎる。世界全体で利益を集めなければ強くはなれない。

 そして、その先に、競争から逃れられる歴史は無い。


 そこで日本は、「情報を隠さない、信頼のおけるお節介な国」を目指し、「全人類の幸福」を目指すことを世界に約束して、一緒に味方になってくれる国を増やしていくべきだ。しかも、戦争すること無しに。

 日本もアメリカや中国になりたくないし、属国にもなりたくない。同様に、他の国だって日本になりたくはないし属国にもなりたくない。どの国にも自分たちのアイデンティティはある。

 その結果として国連が生まれたが、国の連合体という形なので、結局は国家間の競争の道具になっている。特に中国は、戦略的に征服を企てている。2049年に中国を世界のスタンダードにするという目標をしっかりと立てているので、正直中国は、これから戦争も辞さないだろう。
 これに対抗するために、日本は独自路線の世界統一を目指していくことを世界に公表する。国単位だけではなく、人間一人一人を味方につけていくのだ。そのために世界の10カ条を全面的に押し出していく

 「全人類の幸福」を考える以上、もちろん最初は日本の税金をたくさん他の国に消費していく。
けれども、国内の消費を抑えて世界の一番困っている部分に国民と税金を投資すれば、日本に税金をかけるよりも多くの利益が全人類にもたらされる。
 ここでいう利益とは、金銭だったり雇用だったり文明だったりという俗物的なものだけでなく、「それぞれが幸福を目指せる」という意味の利益だ。さらに、これはボランティアではなく投資でなければならない。投資をして俗物的な方の利益を増やし、最終的には、日本も他国も利益がもたらせるような仕組みを作るのだ。

 その際に、相手の文化は絶対に壊してはいけない。相手の国が幸せに生きていけるようになるまでの力がつけられるように産業を興さなければ、全人類が幸福は目指せない。

 そして、みんなが幸せになれるための教育も発展させなければならない。なぜなら、教育がなければ人間はただの獣だからだ。

 さらに、日本がそういう路線に変更したということを成功も失敗も包み隠さず宣伝し、情報は国防に関すること以外、全て解禁する。
 「全人類の幸福」を目指すために、日本は他国に産業を興しながらも、2割の利益は日本の儲けにもなるようにさせてもらうことも、そのお金をさらに「全人類の幸福」のために使うことも、たくさんアピールさせてもらう。この時に重要になるのがマスコミだ。

 いくつかの国で成功すれば、他の貧民国も日本の味方になり、「全人類の幸福」を目指す世界作りに賛同してくれるようになる。人口と土地資源があれば、利益はいくらでも作り出せる。
 力が無いと信用してくれないので、EUやアメリカや中国などが味方になってくれるようになるにはまだ先の話になるだろう。だが、立場にかかわらず、「全人類の幸福」というゴールのために、嘘の情報を嘘だとはっきりと言い、日本のしていることと、味方が出来て世界が変わっていくことをしっかりと宣伝していけば、ゴールが見えるようになり、分かる人には、よりはっきり分かるようになる。先進国の政府はともかく、先進国の国民の方々の中には、徐々に日本の意見に賛同してくれる方も増えるはずだ。FANGAやソフトバンク、楽天のような有料大手手企業は、案外早めに協力してくれるかもしれない。彼らにも幸福が還元できるようにしながら、募金やクラウドファンディングで資金を調達していこう。

  その際には必ず、日本だけの利益だけを目指さず、即物的な利益だけを目指すのではなく、全人類の幸福を目指すことを心がけなければならない。少しでも調子に乗ったら、この戦略は破綻する。日本には、中国やアメリカほどの力が圧倒的に足りない。これで信頼がなくなったら、世界は結局乱れて戦争への道に突入する。それだけは避けなくてはならない。 


 結局、日本人が幸せに生きられるようになるには、遠回りに見えるかもしれないが、全人類が幸福に生きられるようにしていくことが一番の近道だ。一時の利益に身を委ねてはならないところが一番難しいところだ

 ある程度の人類が賛同してくれるようになったところで、日本の独走を許さないように、日本人だけではなく味方全員の中から、各国選出ではなく、全人類の幸福を考えて行動できるメンバーを選出して「世界政府」を作ることを公約に掲げよう。そうすれば、日本が世界を支配しようとしているのではなく、平和に世界統一させたいだけだということが分かる。

 ただ、日本の心の一つである「滅私奉公」を「役割」として果たせるものだけを選ぶこととする。出来ないうちは「世界統一庁」を作り、全員日本人で結成してもいい。ほとんどの人間にとって、「滅私奉公」をし続けることは幸福では無いからだ。無理なく受け入れられるのは、ある一定の日本人を含めてそう多くはない。

 この時点で国連がまだ機能しているのならそれでも良いが、いずれ国連も味方になってもらい、国連のメンバーも能力があれば「役割」についてもらう。けれども、「全人類の幸福」という理念ではなく、各国の利権を考えるメンバーがいる限りは、分かれて活動を行おう。

 それに、世界平和を願っている組織が2つあるなんてお互いが抑止力になるから良い話だし、無駄な資金だと個人的には思うが、その方が国連ももっと考えるようになるだろう。なんせ、支持者がいなければ衰退していくのだから。

 まずは、アフリカや南米から人口14億人のインドに繋げる。次に中国やアメリカやEUやイギリスの個人に響かせる。最終的には、10ヶ条だけを人類のルールにして世界を融合させる。これが君たちが将来に不安がなく生きられるようになるゴールである。

 ちなみに、この戦略はできるだけ早く行わなければ意味がない。他の国が最初に行えば他の国の色に染まっていくし、二番目では利益が得られない。利益が得られないということは力が得られない。そして、インドなどは、日本が早めにある程度の力をつけておかなければ、あっという間に日本より強くなるだろう。その時に慌ててこの戦略を始めてももう遅い。


 今の日本では、個人が「力」を持たなければ不安が増していくばかりだ。このままでは韓国のように、その競争はますます加速していくだろう。「全人類の幸福」を追い求めていけば、将来的にはフィンランドやデンマークのような、大きな政府による各国文化バージョンが出来上がるようになるはずだ。ただし、外敵がいなければの話なので、外敵をなくすために世界統一が必要なのだ。

 おそらくこの段階になっても、まだ日本が一番「全人類の幸福」のために人力と税金を出し続けなければならない。だが、目標がぶれるとゴールにたどり着けなくなる。目標がずれていた時にはまた考えなくてはならないが、しっかりとした目標のためには独善的でいい。
 暴走する可能性もあるので、その時には、国民や味方が、それを簡単に止められる仕組みだけは作っておく。「感情」ではなく「情報」で動くことが「感情」を大事にすることに繋がる。「理想」ではなく「現実」で動くことが「理想」に繋がる。

 こうして、いずれは中国にも国民に自由が得られるようになり、弱者を弾圧しなくなり、アメリカも軍需産業を宇宙産業に転化させるなどして利益が得られる状態にして、世界に生きる人間がしっかり環境を守り、人口を抑制し、情報を自由に得られるようにし、それぞれの幸福を楽しんで一生を送ることができるような世界にしたい。これが日本の目指すゴールだ。
 
 そのために、中国やロシアのような国がいずれ世界平和に協力してくれるようになった時も、中国共産党や独裁者に非難を浴びせることをせず、軍需産業を罵倒することもせず、「全人類の幸福」を目指すようになってくれてありがとうと感謝をして、贅沢ができるようにして、物理的暴力から守れるようにしよう。ここは絶対に守らなければならない。なぜなら、力を失ったら殺される世界で権力者が権力を手放すはずがないからだ。そうなると、争いの螺旋からは降りられない。全人類が味方。それだけは崩さないようにしよう。

 世界統一という言葉のニュアンスで、右翼だ左翼だと言わないでいただきたい。そんな小さな視点で物事を捉えていない。

 この戦略はかなり現実的で、しかも、日本人と世界が「力」をそれほど持たずに幸せになれる唯一の道だ。

まとめ「日本が中心になって世界統一を実行しなければならない」

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