第3章 日本の全体戦略編(ダイジェスト版)

 日本が世界統一路線を歩むには、より強い力をつけなければならない。

 ただし、力をつけるにあたって現実で大きな問題がある。日本のシステム自体が古すぎるのはもちろん、日本人個人にも頭が柔らかいという意味での優秀なレベルに達している人がほとんどいないところだ。これは、日本では起業家か外資系以外で新しいことを考えられる人の活躍できる場所が少ないということが一因としてあげられる。

 では、優秀な人材を育てるにはどうすればいいのか。国の土台を作り、教育を発展させることだ。

 人は生まれた時はただの動物である。動物をしつけるのは道徳(宗教)や国民性だが、これは「情報」を元にしているわけではないので、かなり盲目的になる。語感はすごく悪いが「感情」では無く「事実」で話すと、それは「洗脳」だ。

 「洗脳」が悪いわけでは無い。僕も君たちも洗脳がされていないのならば、常識が違いすぎて一緒に生きていけない。「洗脳」は、使い方次第だ。

 ただ、最低限は良い「洗脳」で良いが、10割の国民の頭脳が10割とも洗脳されてしまうと、新しいことを考える能力がなかったり、過激路線に一直線になってしまう。

 今と違う世界を作ろうというのだ。「感情」と「情報」を分けて考えられる人間が2割はいないと人間の未来は作れない。ここで、「メリデメ」という長所と短所を情報だけで分けられるアプリと、「A.Q.S.」という政府と国民が簡単に意見交換ができる仕組みと、「マイナンバーホームページ」という自分の力がどのくらいの位置にあるのかが分かるアプリを使用する。真に文化的な人間になるには「理想」と「力」が必要だ。

 そのためには、今までは国民に基礎教養を学ばせていたが、これからは、「理想」と「力」を得るために特化した教育カリキュラムと学習法を確立しなければならない。

 具体的には、科目ごとに何の役に立つのかを示し、なるべく面白く、個人に沿った勉強法で、わかりやすく、多岐に亘った知識を教えるのだ。過程よりも結果が全てになるように。
 現在は情報が多過ぎる。義務教養のレベルを今までより浅く広くして、経営や投資だけは勉強させ、後は個性的な技術を身に付けられるようにする。

 人それぞれの「理想」が叶うような「力」を身に付けることができれば、お金がそんなに無くとも幸福でいられる。

 「マイナンバーホームページ」を使って、深く勉強したい人は出来て、しかも進めば進むだけ順位が上がったり、やれる仕事が増えたりと、嘘がなく、自分の実力を可視化すれば、自分の目指す理想が見えてくる。

 また、今までの教養とは別に、「理想」としての世界の情勢と価値観の多様化、「力」としての産業を興してお金を増やす方法と資産運用の教育に力を注ぐのだ。
 どんなに教養があっても、「理想」と「力」がなければ、世界も自分も変えることはできない。

 もちろん今までの話を聞いてわかっただろうが、教育が必要なのは子供だけでは無い。大人も当然必要だ。

 日本は、「国民主権、基本的人権の尊重、戦争の放棄」という性格で国が成り立っている。

 国民主権で、「全人類の幸福」を目標にするということは、国民が王様で、内閣が大臣として国が成り立つことを目指すべきだ。ならば、国を動かす王様が勉強をしていなければ、バカな王様の治める国の行く末なんて目に見えている。権利を主張するだけでなく、義務も果たさなければならない。

 そこで先ほど出たように、王様(国民)と大臣(政府)がお互いに話をし合えるような仕組み(A.Q.S.)と、「感情」と「情報」を分けて考えることができるような仕組み(メリデメ)と、個人の幸福に向かうための「理想」と「力」が何かを知る仕組み(マイナンバーホームページ)を持つ必要があるのだ。

 その代わりに、「個人」と「役割」を分け、個人情報を漏洩しないように気をつけ、政府側も「情報」を包み隠さず話すようにする。金銭の使い道やデータだけではなく、王様(国民)がわかりやすい「情報」を届けるようにする。今のように、誰かがそれぞれ自分の都合のいいように情報を流すのではなく、ただ淡々と事実を伝える。それが「情報」だ。

 ただし短所として、政府が情報を隠さなければ他の国にも筒抜けになってしまうということがある。けれども、いずれは他の国の人たちにも幸福を求められるようにする目標だ。生き方を自由に選べる世界にするには、「役割に関しては嘘をつかない」ということを徹底させなければならない。そう考えると、短所は仕方が無い。

 ここでいう「自由」とは、「束縛される自由」も含まれる。何も考えないで生きていく方が幸せに生きられる人もいるのだ。現代の日本でも主婦になりたい女性は55%を超えているそうだし、奴隷解放宣言の時に嘆いた奴隷も多くいる。

 人類は、「全人類の幸福」に向けて、正当な道を堂々と歩いていかなければならない。そのためには多少忙しくなるのは覚悟しておいて欲しい。ただ、その分、精神的にも時間的にも体力的にも余裕ができるようになる。

 それから、「理想」と「力」を得るためには、1度世の中の仕組みを大きく変えなくてはならないが、そこは教育によってガイドラインを示していこう。

 今の日本人が幸せでないと思うのは、金がなくて自由が無いということだけではなく、生きるための使命がない、「理想」が無いという理由も多い。世界を変えていくという使命を持てば、人間を助けるために、やりがいのある人生を送る人が増えていくだろう。

 そして、やりがいのいらない人が動物としての欲望を享受して生きられるように、ベーシックインカムを導入したり、フランクに人生や新しい仕組みについて相談できる場所を作ったり、老人の居場所を確保したり、虐待される子供を政府の人間として引き取ったりもしよう

 それでも漏れてしまう人はいるだろう。だが、「洗脳」の部分で、「人は動物で、力がない人間は力のある人間のありがたみを知って生かされる」という洗脳をかけ、力のある人間には「力には責任が伴うので、力のない人を救ってあげよう」という洗脳をかければ、徐々に力の余波は力無き人を助けられるようになるだろう。

 ただし、「力には責任が伴う」という10カ条は、人間の本能から出る部分ではなく、理性から、平和のために無理やり作り出した道徳だ。力のある人が我慢しているということを理解して敬意を持たなくてはならない。そして、力の無い人が力のある人の手伝いをすることで力のある人は力を持つのだから、力の無い人に対しても尊敬しなくてはならない。(金持ち喧嘩せず、という言葉があるように、力のある人はほとんど他人に対して敬意を持っている人ばかりだが)

 お互いが敬意を持ち合わなければ、敵が作られてしまう。少なくとも役割においては敵が作られないようにしよう。

 こうして、日本人全体が力をつけながら、強い人が弱い人を守り、弱い人は生かしてもらっていることに感謝する。この二者の間には偉いも偉くないも無い。対等。ただ持っている力が違うだけ。そういう国にすれば、日本は強くなる。(アメリカの自由主義を変えろというつもりはないし、これから世界をそうしていこうという意図もない。あくまで日本の戦略だ。ただし、インドは日本の八百万の神と信仰が近いヒンズー教なので、似たようになる可能性はある)

まとめ「感情と事実を分ける政治と教育をしなければ、幸福度は上がらない」

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