おんなのこきらい

⚠️ネタバレあり

ずっと観たくてやっと観れた映画。
予告の中に「女の子が保健室に集められて性教育の授業を受けているときに、男子はこの映画を観ればいいと思う」ってあった。だから、女の子の嫌なところというか、カワイイとか上辺だけの女の子の素顔を見ればいいんだというメッセージと思っていた。だけど、なんか違った。

キリコちゃんも高山さんもユウトさんもさやかちゃんもみんな怖い。最初は高山さんも結局キリコちゃんのトリコになるんだと思っていた。キリコちゃんとくっついてああ終わりか。つまんねのかな。それを評価されてんのか?って。そしたら全然違った。


高山さんがキリコちゃんの鍋を断った時、すんごい嫌な予感したし、そのときはキリコちゃんにビッチって言った先輩がいるのかなって思った。そしたら全然違う人だし、ずっと付き合ってそうみたいな感じだしキリコちゃんとタイプが違うくて、高山さんがすんごく怖くなった。いや、まあそれだけ?って感じかもしれないけれど、高山さんの前髪の雰囲気ってクズ男の雰囲気そのものだったけど。もうなんていうんだろ。リアルすぎて怖くて「怖い怖い怖い」って声に出してた。

高山さんって優しいクズ男なの。誰にでも優しいクズ男。ユリエさんは自己肯定感が高いから高山さんと付き合えてるんだと思った。高山さんみたいな人ってすごくモテると思う。ユウトさんは、遊んでる女の子に手を出すし、相手が自分を好きってわかってるし、自分が相手を好きじゃない雰囲気も出すし、それをお互い言えない雰囲気も出す。でも高山さんがモテるのって、繕った姿のキリコちゃんは好きにならないって言ったり、キリコちゃんがしんどくなったら駆けつけてくれて、掃除もしてくれて、髪も切ってくれる。そして全部好きじゃないのにできるからクズ男。キリコちゃんに本性を知ってるのになんで優しくしてくれるの?って聞いたときにわからないのも優しいクズ男みが強くて「んえ?」ってそういえばなった。好きって言わないし、濁すしで誰にでも優しくするクズ男。
私は自己肯定感も低いし、キリコちゃんみたいな子じゃないけれど(キリコちゃんはキリコちゃんで過食だったから自己肯定感が低いって言えないかもだけど)、高山さんみたいな人がいれば好きになって付き合えるって思っちゃう。だから、男の子はこれを観ればいいってのを鑑賞後思い出したときに「男の人って高山さんみたいな人がクズだって最初から見抜けるのだろうか?」と疑問だった。


逆に言えばというか、さやかちゃんがユウトさんを奪おうとしているのはすぐにわかった。キリコちゃんが牽制張る前から。ちなみにキリコちゃんやさやかちゃんみたいなのに引っかかる男の人って、自分のことかわいいってわかっていながらあざとくする女に、かわいいって知っていながらあざとい行動をするところがかわいいって思っていると私は思っている。
ケンジくんのセリフに「あいつ抜けてるとこあるんですけど、マジメなんで」っていうのがあった。本当に抜けてるけどマジメなやつってあんなところで正直働かない。それに男の人から見てそれを言われるって、なかなか取っ替え引っ替えしてる子なんだろうってすぐにわかった。たぶん抜けてるけど、そうやって取っ替え引っ替えしてない子ならケンジくんのセリフは「あいつ抜けてるとこあるんですけど、いいやつなんで」だと思う。Tシャツの透け具合とかもすんげえヤナ女感があった。

それと現実っぽいストーリーだったから、現実っぽい話をすると結局さやかちゃんもまたユウトさんを誰かに奪われると思う。そもそもキリコちゃんも誰かからユウトさんを奪ったんじゃないかな。でもユウトさんは誰とも付き合う形を取らないし、女側はずっと「付き合ってるみたいなもん」って言う。そもそも誰かから奪える男って結局誰かから奪われる危険性がある。ただ、奪うことに執着する女は奪うことだけでいっぱいいっぱいになるし、奪われるときは奪われることにいっぱいいっぱいになる。それをユウトさんみたいな男は結局「お前は自分ばっかだな」って言うですよね〜。

でも結局キリコちゃんが高山さんを好きになっても変われてないなって思った瞬間があった。それは鍋の具材を買いに行く前に笑顔をするときの練習。あの笑顔の作り方が、結局自分がかわいくて仕方ない人の笑顔だった。だから、キリコちゃんは最後に「お姉さんかわいいね」って声掛けられてもあたしかわいいんでって言えたんだと思う。あとキリコちゃんの怖かったところは高山さんとラーメン食べた後に作品を褒めたところ。思ってもないのに!って思いましたね。

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