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#2 マキアヴェッリ語録 塩野七生 #読書感想文

塩野 七生(しおの ななみ、女性、1937年7月7日 - )は、日本の歴史作家、小説家。
ニッコロ・マキャヴェッリ(1469年5月3日 - 1527年6月21日)は、イタリア、ルネサンス期の政治思想家、フィレンツェ共和国の外交官。
・君主にとっては、愛されるのと怖れられるのとどちらが望ましいであろうか。両方とも兼ね備えているのが望ましいが、むずかしい。
ほとんどの場合一方を選ぶしかないとなるのだが、私は、愛されるよりも怖れられるほうが、君主にとって安全な選択であると言いたい。
なぜなら、人間には、怖れている者よりも愛している者の方を、容赦なく傷つけるという性向があるからだ。

これは本当に当たっていて、自分でも気をつけなくてはならないと感じることです。自分に優しくしてくれる人には甘えてしまい邪険に扱ってしまう。そして後で後悔する。でも愛してくれる人は「全然気にしてないよ」と言ってくれる。でもそれに甘えて続けていたら気付い時には自分の大切な人を失ってしまうでしょう。また私はどちらかと言えば基本的に平穏で受容性もある方なので、人が自分に対してどのような態度をするかで、その人がどのような人間なのをかを理解する事も多い。相手方は無意識に自己中心的な話をして、その原因がさも私にあるかのように話すことがある。でも自分でそれを行っている時は自覚が無いが、他人の行為から学ぶことも多い。自分がやられたり、言われたりしたことに腹を立てる前に、これは人に対してやってはいけない行為だなと認識し、自分を戒める。

・君主にとって、厳重のうえにも警戒しなければならないことは、軽蔑されたり見くびられたりすることである。

でもあまにも締め付けが厳しいと反乱が起きる。合成の誤謬のようにみんなが自分勝手にふるまうと組織が崩壊する。ある程度はゆるい縛りがあって然るべきだと思うし、その枠組みの中にしか自由は無い。

・人を率いていくほどの者ならば、常に考慮しておくべきことの一つは、人の恨みは悪行からだけでなく、善行からも生まれるということである。

自分が良かれと思うとこが他人にとって迷惑なこともある。行動に移す時は何事も相手の身になって熟考することが大切だ。

・人の上に立つ者が尊敬を得るには、どのうように行動したらよいかについての考察だが、なによりもまず第一に、大事業を行い、前任者とは違う器であるということを、人々に示すことであるとわたしは言いたい。

論より証拠の最たるものですね。そしてこの人だったらその後もうまく行くだろうと錯覚する。また、人間はその人が持っているものに認識を振り回され易い。ブランドものを着ていたり、高級車に乗っていたり、高層のマンションに住んでいたりすると、この人はいい人だと勘違いしやすい。本当は思いやりだったり、謙虚をフォーカスすべきなのに。

・わたしは断言してもよいが、中立を保つことは、あまり、有効な選択ではないと思う。中立でいると、勝者にとっては敵になるだけでなく、敗者にとっても、助けてくれなかったということで敵視されるのがオチなのだ。

二兎を追う者は一兎をも得ず。中庸の立場が何も悪いわけではない。ただ時として判断したくはなくても、判断し決定を下らなけらばならない時もある。その時は頑として遂行しなければならない。

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