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#1 マキアヴェッリ語録 塩野七生 #読書感想文

塩野 七生(しおの ななみ、女性、1937年7月7日 - )は、日本の歴史作家、小説家。
ニッコロ・マキャヴェッリ(1469年5月3日 - 1527年6月21日)は、イタリア、ルネサンス期の政治思想家、フィレンツェ共和国の外交官。
・君主(指導者)は、それをしなければ国家の存亡にかかわるような場合は、それをすることによって受けるであろう悪評や汚名など、いっさい気にする必要はない。
なぜなら、たとえ一般には美徳のように見えることでも、それを行うことによって破壊につながる場合も多いからであり、また、一見すれば悪徳のように見えることでも、その結果はとみれば、共同体にとっての安全と繁栄につながる場合もあるからである。

正義や正しい行いは時代や環境または、その立場によって変わる。ただ普遍的なものは公に対して考え行動するという事。しかしひと昔前はそれが国単位だったのが、今の時代は公の範囲が地球規模になっている。環境破壊が進み地球が悲鳴を上げている。カーボンニュートラル、SDGs、環境問題に対して各国々が声明を出している。果たして環境に優しいと標榜し、モノを売る資本主義の中でそれは可能なのだろうか。まず世界の人口からして多すぎる気がする。難しい問題だけど、何とかして取り組んでいかなければならない。難しい問題だけど。

・君主にとっての敵は、内と外の双方にある。これらの敵から身を守るのは、準備怠りない防衛力と友好関係である。そして常に、良き力をもつ者は、良き友にも恵まれるものである。

歴史を見ていると外部の問題が一件落着すると、今度はドメスティックに跡目争い等の身内の戦いが起こる。自分の名誉や出世欲の為に親子供を殺す。でもその時代はそれが常識だった。もし今の時代と比べるのであれば、もっと人間を信頼しやすいはずなのだが。いつの時代も人間関係は複雑だ。

・軍隊を持っていないということは、自国内に兵士に使える人々がいないとういうことではなく、自国民に自衛のために立ち上がるという気持ちを起こさせることができなかったということを示す以外のなにものでもないからである。

国防の問題でもある。それが抑止力として働く。

・人間というものは、自分を守ってくれなかったり、誤りを質す力もない者に対して、忠誠であることはできない。

人の恩は忘れない、自分の心の中で生き続け、色あせる事はない。でも自分が他人の為にした事は忘れる。不思議なものだ。あれだけ将来生活費の預金が足りないなど未来の事で頭を悩ますが、他人が自分の為にしてくれた時お金では買えない幸せを運んでくれる。未来を杞憂に思う前に、今からでも幸せになれる。今幸せだと思えなければ、明日も幸せだと思えない。

・君主たる者、酷薄だという悪評を立てられても、気にする必要はない。歴史は、思いやりに満ちた人物よりも、酷薄と評判だった人々のほうが、どれほど民衆を団結させ、彼らの信頼を獲得し、秩序を確立したかを示してくれている。

歴史は勝ったもののストーリーを語る。でも負けた方にも正義がある。関ヶ原の戦いでもちろん家康側っしょと思うが、今は結果が分かっているからそう思うのであって、当時であれは石田三成が勝つと支持しているかもしれない。色々な角度から見て物事を判断する事が重要だ。自分に自信を持つことは大切だが、自分の考えが全てだと思ってはいけない。

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