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◆仕事が大好きな私が、会社に妊娠を報告したときの話

「妊娠」ということばが全ての女性にとって、キラキラと輝いているもの、とは言い切れない。少なくともわたしにはキラキラして見えなかった。そんな話です。

冒頭にて、誤解のないように

今回妊娠とあわせてコロナ禍の混乱がありながらも、今の会社には、そのどちらともを最大限に考慮した働き方を提案推奨いただきました。
歴史ある古い業界の会社ですが、そこで働く人たちは本当に柔軟であり時代の波を捉え、かつ働く社員を大切にする方ばかりです。

したがって、今からする話は、「どんな会社に勤めているか」という要素は抜きにして、「このような価値観の女がひとりこの世にいて、働き続けるためにいろいろ考えていたよ」という話だと捉えていただけると幸いです。

それは3年前から始まっていた

わたしの中の緊張感は遡ること3年前からうっすらと胸のなかに張り詰めていた。それは人事評価の面談時。
上司に「結婚しました」と報告をしたのだ。なぜその時を選んだかというのは、わたしがとてつもなくお金が好きで、お金のために働いているから。

結婚報告をいつするか?
絶対に評価期間が終わるまではしたくなかった。
なぜか?

わたしが報告をされる方だとしたら、結婚してる女性より、してない女性のほうが「働き続ける」可能性も「ブランクなくキャリアを重ねる」可能性も「仕事の優先順位が変わらない」可能性も、ぜんぶ高いと感じるから。

だから、そのときいただいた「おめでとう」の言葉も、自分にとっては祝福の言葉、そのものではなく、すこし濁って聞こえた。(そのときの上司は他意なく普通に祝福してくれていた)

極力評価に影響を及ぼさない、まさにその1年の評価が決まった後を報告のタイミングに選んだわたしだったが、次の難関は「いつ出産をするか」。

たやすく時期をコントロールできるものではないことは承知の上だったけど、何か安心材料がほしい。それがないまま、ブランクを作るのは嫌だ。そう強く考えていた。

準備万端のつもりだったけれど


結局それから3年後に「妊娠しました」という報告をすることになるのだが、報告直前の1年間で自身の仕事の領域をぐんと広げ、かつ所属する部自体も会社の根幹(インフラ)として考えてもらえるような立ち位置にすることができたのではと感じられた。

そんなタイミングと妊娠がうまくかみ合った。これなら「戻るところないよ」と言われる可能性も低いのではないか、と少しだけ胸が軽くなった。

さらに産休にはいる約4ヶ月自分なりに計画を立てて、マニュアルを作り、レクチャーと実践を交えて引継ぎをし、いくつか雑多だった業務の枠組みを整え汎用化し、、、出来る限りをやったつもり。幸い体調は妊娠してもそれ以前とさほど変わらず、むしろゴールがあるからこそすこしアクセル強めに踏んで仕事ができたように思う。

しかし、新しい領域に着手して知識増やしながら取り組んでも側から見れば「数ヶ月後には休業する人」だろうし、自分が開拓して構築した愛しい業務達も自分の手に戻ってくるころには全く別のものになっているかも、いやむしろ戻ってこないのではという得体の知れないモヤモヤが、頭をかすめては離れなかった。

準備万端で出産にむけて歩みだしたつもりだったのに、オフィスでも妊婦であることを極力さとられないように、服装や行動に気を使っていた(最低限の範囲にだけ妊娠報告をとどめていた理由はまた別の記事で書けたらと)


モヤモヤの正体


大好きなお金、これは仕事の対価、報酬、評価である。その評価を得られない。いくら理由がポジティブだからといっても休業は休業。今の自分自身ややっていることが評価されない苦しみ、未来の自分が評価されるのかわからない苦しみ。それがモヤモヤの正体だった。

「結婚」「妊娠(出産)」それはおめでたいことであり、決してそこに後ろめたさなど感じるべきものではない、と世間はいうでしょう。その事実に胸おどり幸せが溢れる人の顔も見てきた。

でもどうしても自分はそちら側にはいけなかった。

だからといって、「今期は評価されないんだから仕事の手を抜こう」なんて1ミリも思わなかったし、「妊娠しなければよかった」と短絡的に考えた瞬間もない。むしろ自分のベストを尽くせたと思っている。

つまりは、そのモヤモヤはどんなときだってどんな会社でだって、わたしが出会うことを逃れることができなかった感情だったのだ。

付き合うしかなかった感情。このモヤモヤは、もしかしたら、わたしと同じ価値観で働く女性にも生まれている(くる)かもしれない。「そういう人もいるんだ」という記憶がひとりでも多くの人の頭をかすめることで、その人の行動や言葉が変わりすこしでも楽になる女性がいたらいいなと思い、書いてみました。

変化を楽しむ

一方わたしのモヤモヤは、わたしが解決するしかない。産休育休中になにをするか?どう復帰するか?そもそも社会復帰をするのか?など選択肢はいろいろあり、その一手でまた変わってくるだろう。さらに社会の風潮や自分の価値観だって変わるかもしれない。

だから今は、むしろその変化を楽しむくらいの気持ちでいよう、と思っている。自分が満足できる努力を常にすることで、身の丈に合った道が目の前に開けるのでは。これまでもそうしてきた。だから、ここから新しいチャレンジだなと、またアクセルを踏みながら自分なりにやっていきたい(決意表明)

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P.S. いつもオフィスカジュアルなんですが、ここぞというときはセットアップでいきます。この紺ストライプは、営業時代に反発して買った、セミオーダースーツ。

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