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格闘技と私と部屋(道場)とワイシャツ(道着)

個人的な振り返りです。
この文章を読んでいただいても何の学びもございません。
そんなものを世に出して大変申し訳ございません。
しかし、私は自分を振り返って、改めて気持ちを整理することができました。

①格闘技との出会い

中学生の時にテレビで初めて格闘技を見ました。
K-1で活躍するアンディ・フグ選手を見て、こんな強くてかっこいい人になりたいと憧れました。
当時好きだったサッカー、バレーボール、サーフィン、テニス、学校の部活も全て興味がなくなりました。
ビデオテープに録画したK-1の試合を何度何度も見て一人で熱狂していました。
当時K-1四天王と呼ばれた格闘家達の生き様をリアルタイムで見てこれたのは、私の人生において大きな財産です。

②空手道場に通う

単純な私は、近くの空手道場に通うようになります。
最初に通ったのは伝統派空手の道場でした。
ほぼ少年部しかいない町道場で、初めてミットや人に対して、突き蹴りをして空手デビューを果たしました。
硬い板を素手で殴り、ビール瓶でスネを叩き「空手バカ一代」に出てくるような空手家になった気持ちになりました。
伝統派空手はテレビで見たK-1とは違いましたが、熱中しました。
高校生の時にも試合にも出場しました。
今冷静に考えてみればですが、板相手にしか練習をしていなかったので、試合ではたくさんの反則攻撃をしてほとんどの試合を失格になっておりました。
本当にすみませんでした。

大学生になり、フルコン空手を始めました。
空手部の主将になりました。
練習時間だけはあったので、毎日毎日練習しました。
あの時は本当に贅沢な時期でした。

③自分が「強い」と錯覚し勘違いする

大学生になってからは、ますます練習時間が増えてウェイトトレーニング行い、体格が変わりました。
入学当時57kgだった体重は80kgになりました。
身長168cmしかないので、ずんぐりむっくり。
肩の筋肉が発達し首がなくなりました。
わざとTシャツをパツパツにして歩きました。
銭湯にいけば「兄ちゃんいい身体してるね」と声をかけられるような誰がどこから見ても、がっちり体型になりました。

プロテインをがぶ飲みし、1日5食。
夜中の公園をフードを被って走り、砂浜で上半身裸でシャドーをして、サウナで大胸筋を動かし、深夜ロウソクに向かって正拳突きをしていました。

自分はプロの格闘家として、テレビで活躍するような選手になるんだと本当に錯覚していた時期もありました。
熊も虎も一撃で倒せると思っていました。
恐ろしい時代です。

④試合にも出るが「弱い」

結論から言うと私は競技者として、実力がありませんでした。
目立った成績は残せていないどころか、負けばかり。
ただただ、誰の記憶にも、記録にも残るような選手ではなかったということです。
才能もセンスも、恵まれた体格も、何もなかった。
そして何よりダメなのが、やられた時に最後まで立ち向かう気持ちの強さがなかった。
致命的です。
恥ずかしいです。

⑤自分の弱さが嫌になり現実逃避

どんな業界にも上には上がいるというのはよく言われますが、格闘技もそうです。
自分がどうやっても勝てない相手が、その次の試合で負ける。
トーナメントの1日で何度も負けるような感覚です。
絶望しました。

自分が弱いことを理解したら、あとは惰性で格闘技を続けていました。
好きだったから弱くても辞められませんでした。
就職し警察官になったことで、忙しさを理由に格闘技からどんどん離れていきます。

あと、今は体調が復活していますが、大病したことがあり手術して運動が全くできなくなった時期があります。
そうなったら、後はもう練習をしなくなります。
練習しなくても良いという言い訳を見つけることに成功し、完全に格闘技から離れました。
あんなに好きで熱狂していたのに、辞める時はあっさりでした。

10年間でした。

最後に

格闘技を語ったつもりはありません。
ただ一つのことに熱狂して、全力で取り組んで、力が及ばなかった自分がいたことを思い出しました。

書きながら、その時々の感情が蘇ってきてびっくりしました。
今後は「弱さを認める強さ」から逃げ続け、ごまかし言い訳を続ける姿勢をやめます。

私は格闘技のおかげで、自分を知ることができました。

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