コンフォートマーケット

日本のスーパーはいずれこの方向に進むのか。セブン&アイ・ホールディングスが実験店舗で取り組む、国産OMOの具体例。|コンフォートマーケット

【一言で言うと】セブン&アイHDのOMO実験店舗として、アプリを活用して在庫確認から注文、決済、専用ロッカー受け取りまで一気通貫のオペレーションを実現

基本情報

展開する国:日本
設立:2019年
ジャンル:スーパーマーケット

なにが特徴か

セブン&アイ・ホールディングスは東京都品川区中延に新業態のスーパーマーケット「コンフォートマーケット」をオープンした。スーパーマーケット業界としては画期的な取り組みとして、店内在庫を公開、スマホアプリで確認・注文できるようにした。フルセルフレジの導入やロッカーによる受取施策を実現するなど省力化を図りつつ、店内加工の惣菜などはスタッフが対面販売する。

1. 惣菜は店内手作り、弁当はアウトパックの使い分け

2019年8月2日、都営地下鉄浅草線の中延駅下車すぐ、トラックや乗用車が行きかう第二京浜国道沿いに新しいスーパーが開店した。4階建ての白い建物は、おしゃれな倉庫といった外観である。1階と2階が売り場で、面積は566㎡。ほぼコンビニ3店舗分に当たる。

スーパーとしては比較的小規模なので、品揃えを厳選している。大切なのはメリハリだ。惣菜は4階にある作業所で調理し、直通エレベーターで1階のラウンド型売り場にすぐ降ろされる。「一品一品の素材・味付け・料理方法にこだわってご用意」がキャッチフレーズ。これと対照的に弁当は納入業者がパッケージングまで行うアウトパック商品を活用し、省力化を図った。

レジは8台あるが、すべてセルフレジだが、その分、慣れない顧客にも使いやすい新型インターフェースを搭載している。そのうち2台はキャッシュレス専用だ。

2階では生鮮食品、グローサリー、ミールキットなどが販売されている。鮮魚には瞬間冷凍の技術「スーパーフローズン」を採用し、取れたての味を味わえると謳う。ミールキットは2人向けのものから単身者向けのものまで幅広く揃えられている。

コンフォートマーケット_惣菜エリア

店内調理の料理が綺麗に並ぶ惣菜エリア/Photo by OMO Times

2.スマホアプリによる在庫確認、注文、決済、ロッカー受取の一気通貫施策

想定している顧客層は単身者や共働き夫婦など、「日々忙しくしている人」。そのような人たちのために、店の在庫をスマホアプリで確認できるようにした。ユニクロや無印良品なら当たり前だが、スーパー業界としては画期的だ。

また、アプリを通じて商品毎に注文・決済することも可能だ。加えて、アプリ上でレシピを紹介しており、必要な食材を購入しやすいような仕組み作りも実現している。
来店する前に、注文から決済まで済ませることが可能で、こうして購入した商品はスタッフが冷蔵機能の付いた「FOODロッカー」に入れておいてくれるので、来店したら商品を取り出し、それを持ってすぐに帰宅できる。

少数精鋭スタッフの負担軽減を図って、今のところ、商品の宅配は考えていないという。もっとも顧客からしても、不在時に宅配されてもかえって面倒になってしまうこともある。そのかわりに何ができるかを考えて、たどり着いたのが「FOODロッカー」だ。

コンフォートマーケット_foodロッカー

店内に設置されたFOODロッカー/Photo by OMO Times

FOODロッカーでの受取風景/Movie by OMO Times

3.グループの影響を排除した意欲的な実験店舗

運営するのは、セブン&アイが2018年4月に立ち上げた新会社「フォーキャスト」。同社にはグループ内外から人材を集めたというところにも、イトーヨーカー堂やヨークベニマルなどのグループ内のスーパーから離れ、まったく新しい業態を生み出そうとする意欲が感じられる。尚、今後の多店舗化については未定だという。

Banner Photo by OMO Times

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ついにベールを脱いだセブン&アイ新業態「コンフォートマーケット」を徹底レポート∣Diamond Chain Store
https://diamond-rm.net/store/38558/

コンフォートマーケット、店内在庫をスマホで確認!なぜ革新的だと言えるのか?∣Diamond Chain Store
https://diamond-rm.net/store/39717/

参考


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