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試着はオンライン、検眼はオフライン。ヨーロッパの老舗眼鏡店が顧客体験を考え導入した仕組み | specsavers

【一言で言うと】オンラインの役割を拡張しながら成長するイギリスの老舗眼鏡店

基本情報

主に展開する国:イギリス
設立:1984年
店舗数:1978店舗(2019年時点)
ジャンル:専門店・セレクトショップ(眼鏡、コンタクトレンズ)
売上高:27億8000万ユーロ(2018年通期実績)

なにが特徴か

Specsaversはデザイナーの男性用や女性用眼鏡から、子供や10代若者向けの眼鏡まで、幅広く商品展開している大手企業だ。主にヨーロッパ諸国(イギリス、アイルランド、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、スペイン)に店舗を展開、その他地域すべて合わせて1978店舗にのぼる。


顧客は1000フレーム以上の中から眼鏡をSpecsavers実店舗内で選ぶ事が出来る。Specsaversはオンラインでのサービスを充実し、オフラインの役割をより特化させるため、実店舗にわざわざ行かなくても良いようなシステム(後述する「Virtual Try on」や「Frame Styler」といったアプリケーション)を導入し、スマートフォンやPCを使いオンラインで気軽に眼鏡を購入できるシステムを顧客に提供している。

1.眼鏡の試着がオンラインで可能

SpecsaversはAR(拡張現実)技術を眼鏡の試着に活用し、オンライン上で顧客がiPhoneやPCに付属しているカメラを通じて、欲しい眼鏡が似合っているかどうかを確認する事ができる。

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スマホが使える環境さえあれば、いつでもどこでも眼鏡を試す事が出来る(Photo by: Specsavers)

顧客は、ウェブ上またはスマートフォンアプリ上で眼鏡を購入する前に、それぞれの眼鏡でVirtual Try onと呼ばれるアプリケーションを利用し、購入を検討している眼鏡が自分に似合うかどうかを確認する事が出来る。具体的にはまず自分の顔写真を頭部を120°ほど横に動かしながら撮影し、その写真にARで対象の眼鏡を被せ、装着後のイメージをみる、といった具合だ。

2.オンラインで顧客の顔に合った眼鏡を自動的に提案

SpecsaversのFrame Stylerは顧客の顔に基づいて、眼鏡のフレーム、スタイルや色を選び、顧客の顔に合う眼鏡をいくつか提案する技術だ。プロセスは簡単で、店頭に設置されたタブレットや、自分のスマートフォンもしくはPCから自分の顔の動きを動画で撮影するだけ。あとは、数秒後に10~20種類程度の眼鏡を1000種類以上の中から提案してもらえる

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カメラ付きのデバイスであれば、専用機器でなくとも使用できる(Photo by: Specsavers)

米コロンビア大学シーナ・アイエンガー教授によるジャムの法則のように、人間は選択肢が多ければ多いほど、購買意欲が下がる傾向があるといわれている。SpecsversはこのFrame Stylerを活用し、本当に似合う眼鏡を、店頭では賄いきれない数の顧客に対してオンラインで提案している。

3. オフラインとオンラインの役割の明確化とスムーズな橋渡し

イギリスでは眼鏡を購入する際は必ず検眼をした上でレンズの処方箋をもらわなければならない。Specsversは待ち時間の緩和のため、オンラインでのシンプルでわかりやすい予約システムを導入している。つまり、オンラインで試着や自分に合った眼鏡のあたりをつけ、オフラインでは待ち時間なく検査をした上で購入、といった、今だからこそできる眼鏡店のオン・オフラインの使い分けを行いながら顧客体験の最適化や効率化を図っている。

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参考

specsavers:https://www.specsavers.com.au/




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