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QRコードの10倍のスキャン可読性。イスラエルリテールテック企業の新技術で小売の現場はどう変わるか | BRIGHT CODES

【一言で言うと】可視光通信技術を活用し、長距離でのスキャンを実現する次世代の情報伝達テクノロジー

基本情報

開発企業の拠点:イスラエル
設立:2015年
売上:非公開

なにが特徴か

BrightCodesは、モバイル機器向けの可視光通信(VLC)技術を開発している会社だ。 LEDベースの光学タグは、QRコードよりも10倍以上離れた距離から通常のモバイルカメラで昼夜を問わずスキャンし商品などの情報を得る事が出来る。
注:可視光通信とは人の目に見える可視光線帯域の電磁波を用いた無線通信の一種。(Wikipedia 参照)

光学タグ

QRコードのように近づいてスキャンする必要はない / Photo by BrightCodes

可視光通信(VLC)技術は、最近開発された技術ではなく、光ファイバーやテレビのリモコンの赤外線センサーとしても使われている。最近になり、AR技術と可視光通信(VLC)技術の組合せが注目されており、まさに、オンラインとオフラインをつなぐツールとしてBrightCodesは注目を集め、イスラエル系クラウドファンディングのPipelBizで約2000万円の初期資金を集めた。

オープンソースであり無料で作る事も可能なQRコードに比べ、電気代もかかり設備工事も必要なBrightCodesだが、どのような優位性があるのだろうか。

1. オフライン上での仮想コンテンツの配置

BrightCodesタグは、物理環境で仮想コンテンツを正確に配置するためのマーカーになる。光があれば、遠くの所からでも情報を伝達することが可能だ。情報を光に乗せて発信する事が出来るので、例えばカメラを通して駐車場への道順をスマートフォンの画面に表示することが出来る。

AR画像

カメラにわかり易いようにAR技術を用いて道順を示している

Photo by BrightCodes

2. リモートスキャン

かなり近づいてスキャンしないといけないQRコードに比べ、前述の通りBrightCodesは10倍ほど遠くからでも情報を取得できる。これはQRコードとは違う顧客体験を提供するヒントになる。至近距離でない、ある程度広域における仮想コンテンツの配置や広告には向いていると言えるであろう。BrightCodesを仕込んだOOH広告にカメラにかざせば、遠くであっても商品情報などをスマートフォンに直接送る事も可能になる。

一方で、至近距離でも対応できる店舗内での決済やプロモーションの用途については、やはり手軽に導入できるQRコードの方が向いていると言えるため、QRの代替技術というよりはオフライン上にオンラインデータを挿入する一つの技術として今後注目される。

Banner Photo by BrightCodes

関連ニュース

ビッグデータ時代と可視光通信 株式会社インフォキューブLAFLA 代表取締役 田中健吾氏インタビュー【前編&後編】 
https://www.kashikou.jp/iot/post-2832/
http://www.kashikou.jp/iot/post-2836/

テクノロジー×コンテンツ×可視光通信の未来を語る 株式会社ジョリーグッド 代表取締役 上路 健介氏インタビュー【Vol.1】 
https://www.kashikou.jp/news/post-2993/

 参考

BRIGHT CODES:https://bright.codes/#home_header

BRIGHT CODES DEMO:https://www.youtube.com/watch?v=CHZeqL0yPKU


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