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中国における無人コンビニ淘汰の先に、アリババが投資する小売技術と仕組み。|ゴリラコンビニ

【一言で言うと】中国の無人店舗テクノロジーを牽引するコンビニエンスストアチェーン

基本情報

主に展開する国:中国
設立:2017年
店舗数:約10店舗(2018年時点)
ジャンル:コンビニエンスストア
売上高:不明

なにが特徴か

中国のコンビニでは無人化を目指した技術競争が近年活発に行われ、そのバリエーションの一つとして無人棚と呼ばれる自動販売機を活用した小売業態が確立されている。ゴリラコンビニはアリババの金融関連企業であるアントフィナンシャルから3億8,000万元(約66億円)の投資を受けた有力な無人棚テクノロジーを有するスタートアップ企業であり、上海およびその他国内の主要都市を中心に有人無人のコンビニ店舗と合わせて既に1万ほどの無人棚を展開し、この業界をリードする存在となっている。

ゴリラコンビニは省スペースな無人棚と低いオペレーションコストをテコに、オフィス街などの需要が集中するエリアへの進出を重点的におこなった。スマホアプリを利用した決済システムを導入してオペレーションの効率化を図ると同時に、店舗外に設置された無人棚やデリバリーサービスなどを駆使した包括的なコンビニ体験の提供を実現している。

1. 無人レジでのスマホアプリ決済

無人レジが導入されているゴリラコンビニでは、利用者自身が商品をレジに通して会計を行うよう誘導される(有人店舗は対面での購入も可能)。現金での支払いには基本的に対応しておらず、利用者はあらかじめAliPayなどの電子ウォレットに電子マネーをチャージし、それらのスマホアプリから表示されたQRコードを読み込んで決済を完了する必要がある。このシステムを活用することでゴリラコンビニは無人店舗の運営を可能にした。

2. 無人棚を駆使した事業展開

開閉型の自動販売機である無人棚は、スマホアプリと画像認識技術を活用し、扉の開閉から購入商品の確認、決済まで利用者自身が行うことができる。この無人棚はゴリラコンビニの店舗内にも設置されているが、企業との契約により、オフィスなどにも導入することが可能だ。商品の補充やメンテナンスは、通常の自動販売機と同じく巡回する職員によって定期的に行われるため、低コストでの簡易コンビニの開設が容易に実現する。この仕組みにより、ゴリラコンビニは弁当やおにぎりなどの賞味期間が短い食品も取り扱うことができるという。

ゴリラコンビニ2

ビル内に設置された自動販売機型の無人棚/Photo by GloTech Trends

3. 24時間対応のデリバリーサービス

無人店舗や無人棚がリーチできない顧客層にリーチするために、ゴリラコンビニは上海市の長寧路および福山路に限ってデリバリーサービスを提供している。スマホアプリを介して注文を確定すれば、24時間いつでも30分以内に商品が配達されてくる。食品に加えて医薬品や日用品なども注文できるため、忙しいオフィスワーカーなどには重宝されるサービスとなっている。

Banner Photo by OMO Times

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