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Vol.8 一番妊娠しやすいタイミングっていつ?

東京都港区北青山にあります不妊治療クリニック「表参道ARTクリニック」です。(ホームページ:https://omotesando-art.jp/

こちらのnoteで生殖補助医療(ART: Assisted Reproductive Technology)やその周辺の分野をご説明する中で不妊について疑問、不安、お悩みをお持ちの方が「そうなんだ!」と理解できる機会をご提供できればと思っています。

※こちらのnoteに記載の内容は一部ですので、詳細はクリニックにてお尋ねください。

妊娠しやすいタイミングっていつ?

妊娠しやすいタイミングがあるということをご存じの方は多いかと思いますが、正確にいつなのかと聞かれるとわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
性行為のタイミングは、妊娠をかなえる最も重要なポイントのひとつです。
「そろそろ子供が欲しい。」
そう思ったらやみくもにトライするのではなく、正しいタイミングを知ることが妊娠の確率を上げることにつながります。

ここでは、妊娠しやすいタイミングと妊娠までの過程を説明していきます。

まず、妊娠はどうしたら成立するのか。
妊娠は、卵巣から排卵された卵子が、射精された精子と出会い、受精して子宮に着床するという流れで成立します。
つまり、妊娠するためには、排卵するタイミングで精子と出会う必要があります。


「排卵」っていつ?

まずは女性の体のサイクルについて説明していきます。

ここでのサイクルは月経が開始した日から次の月経が開始する前日までを1サイクルとしています。
月経時から女性の体内にある卵子を包んだ卵胞は成長を始め、十分に成熟すると脳から「排卵しなさい」という指示が出ます。
すると卵胞の膜が破裂し、中の卵子は卵巣の中から排出され、排卵します。
排卵は1サイクルのちょうど中間当たり、つまり14日目頃に起こります。
女性は生まれる前から卵子の数は決まっており、年々減少していくためタイムリミットがあります。

男性側の精子のタイムリミットはあるのかと疑問に思った方もいらっしゃるかと思います。

精子は精巣で、精子の大元となる精粗細胞から精子がつくられます。
精粗細胞は細胞分裂によってその数を増やすことができるため、男性は一生涯精子を作ることができます。
しかし、精子も年齢とともに質は低下するといわれています。

では精子が卵子と出会うまでにはどのくらい時間を要するのでしょうか。

精巣で作られた精子は精嚢・副睾丸に運ばれ、射精するのを待ちます。
女性の膣内に射精された場合、精子は子宮の入り口から子宮頸管と子宮を通って卵管まで泳いでゆき、卵管の先にある卵管膨大部といわれる場所で卵子がやってくるのを待ちます。
精子は子宮の入り口から卵管膨大部までの17~20cmの距離を早いもので5分くらい、15分から遅くとも40分ほどで到達します。
そして数々の試練を乗り越えた精子のなかで、たった一つの優秀な精子が卵子と出会い、合体することで受精卵となります。

卵子と精子が出会えるタイミング

ここまで排卵や妊娠までの過程を説明してまいりました。
では実際卵子と精子が出会えるタイミングはどのくらいの期間があるのでしょうか。

卵子の寿命は排卵後24時間、一方精子の寿命は、射精から平均3~5日とされています。
しかし、卵子が放出される「排卵」はおよそ1か月に一度しか起こりません。
つまり卵子と精子が出会える確率を高めるために、夫婦生活が推奨される期間は月に5~6日程度ということになります。

精子の寿命は3~5日のため、排卵日の約5日前から排卵前日までに精子が卵子と出会う卵管膨大部という場所で待ち構えていることで、排卵直後の新鮮な卵子と出会える確率が上がります。
数日前から夫婦生活の回数を重ねることで精子をより多く卵管膨大部へ送ることができるため、妊娠の確率を高めます。
加えて、排卵後でも卵子の寿命である24時間以内に受精ができれば、妊娠する可能性はあり、排卵日翌日あたりまで夫婦生活を行うことを推奨しております。

以上のことから、特に妊娠の確率が高い排卵5日前から排卵前日までと、可能性のある排卵日~排卵翌日までに、できるだけ回数多く夫婦生活を行っていただくのが望ましいです。

ここまでの説明から、排卵のタイミングをつかむことの重要性が分かっていただけたかと思います。
では、排卵のタイミングってどうしたらわかるのかを説明していきます。

排卵のタイミングをつかむ方法

ご自身で排卵を正確に予測することは難しいのですが、それでも排卵が近くなったことを知る方法はいくつかあります。
まずは自分の月経サイクルを把握することが必要になってきます。


1、基礎体温を測ってみる
朝目が覚めたら起き上がる前に、安静な状態で測ったものが基礎体温となります。
月経後、排卵まで卵子を成熟させる卵胞期と呼ばれる前半の期間は低めの体温で経過し、排卵すると体温はぐっと上がります。
毎日の体温を測ることで、後にグラフをみると「この時が排卵日だった」と推定することはできます。
しかし、体温の上下から排卵日を特定することはできません。
そして毎朝体温を測ることがストレスになることもありますので、そのような場合は無理して測定し続ける必要はありません。


2.おりものの変化をチェックしてみる
おりものの変化も、排卵の予測に役立ちます。
排卵が近くなってくると、生卵の白身のような糸を引くおりものが大量に出てくるようになります。
直前にはさらっとして水っぽく透明になり、量が増え精子を受け入れやすくなっています。
排卵後は量が減り、ドロっとした黄白色っぽいおりものになります。
清潔な指を子宮の入り口に挿入して粘液を取り、指を伸ばして指で伸ばせるなら排卵直前か排卵している状態ということになります。


3.市販の排卵検査薬を使ってみる
排卵検査薬は排卵前に急激に増える黄体ホルモンを検知して排卵日を予測するものです。
見た目は妊娠検査薬に似ており、採尿部に尿をかけて陽性になれば、その日か翌日に排卵が起こる可能性が高いというものです。
おりものに変化が見られたら使ってみるといいかもしれません。


4.クリニックで実際に卵の成長具合を見てもらう
卵子の入っている卵胞は、サイズが20mmほどになると排卵が起こります。
表参道ARTクリニックでは、以前の記事でも記載している経腟超音波(エコー)で、成長していく卵胞のサイズや、子宮内膜の厚さを測ります。
また、採血でホルモン値なども測定することで排卵が近いか、などもわかります。
多くの経験を積んできた医師がこれらの結果から、排卵のタイミングを判断するため、上記の方法に比べると、精度がぐんと高まります。

今までの内容をまとめますと、
・卵子の寿命は’’排卵’’から24時間
・精子の寿命は射精から3~5日、射精してから受精の場となる卵管膨大部に到達するまでの所要時間は15~40分
⇒排卵5日前から排卵日翌日あたりにできるだけ回数多く夫婦生活を行うことが重要となります。

排卵のタイミングは個人差があるため、一度クリニックで自身の排卵のタイミングはいつなのかを見てもらうのがいいと思います。

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『不妊治療』と検索すると様々な情報であふれかえっていて、何が正しいのか?何が自分に合うのか?と不安になってしまいますよね。
まずはどのような治療方法があるか、ご自身にどのような治療が必要なのか、それにはどの程度の経済的な負担が見込まれるのかを正しく認識するうえでも、妊娠を希望されている方には医療機関への受診をお勧めします。
専門医に相談することで今まで抱えていた不安も少しずつ解消されることと思います。
その上で妊娠に向けて適切な検査や治療を医師や家族と相談しながら安心して進めてきましょう。

表参道ARTクリニックでは、30年以上不妊治療に携わってきた二村院長が今までの経験を踏まえ患者様一人ひとりに合わせた治療を行っております。
検査や治療に対しての必要性や費用の説明を医師が行いますので、患者様にとって安心して通えるクリニックであると思います。
様々な治療方法を提案し、患者様にも納得いただいた上での治療を行い、少しでも早く妊娠していただけることを目指しております。
「自分には不妊治療が必要かな?」と考えたら、まずは気軽にご相談にお越しください。


表参道ARTクリニック
表参道駅徒歩1分の不妊治療クリニック。
30年以上の経験を持つ院長が必ず診察いたします。
人工授精、体外授精、顕微授精などの治療に幅広く対応し、患者さん一人ひとりが納得できる治療法をご相談、ご提案します。

■こちらのnote
不妊治療を検討されている方、現在不妊治療を進めていらっしゃる方々の不安、疑問が少しでも解消するように、不妊治療にかかわる情報を発信しています。
こちらのnoteに記載の内容は一部ですので、詳細はクリニックにてお尋ねください。

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