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そのサッカーを疑え!

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2022年8月の記事一覧

岩政新監督の古典的なサッカーに無反応な日本が、鹿島以上に心配になる

岩政新監督の古典的なサッカーに無反応な日本が、鹿島以上に心配になる

 Jリーグをパッと眺めたとき、5バックになりやすい3バックと、両サイドにサイドアタッカーが各2人構える一般的な4バックとに布陣を大別することができる。

 サンフレッチェ広島、名古屋グランパス、北海道コンサドーレ札幌、湘南ベルマーレ、ジュビロ磐田を前者だとすれば、横浜F・マリノス、川崎フロンターレ、セレッソ大阪、浦和レッズ、FC東京は後者になる。

 サッカーの色がそれぞれで大きく異なることは、ス

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モロッコ代表監督を解任されたハリルホジッチと森保監督。サッカー監督らしいのはどちらか

モロッコ代表監督を解任されたハリルホジッチと森保監督。サッカー監督らしいのはどちらか

 サッカー監督は、あらゆる競技の監督の中で最も解任されやすい職種と言っていいだろう。ヴィッセル神戸、清水エスパルス、鹿島アントラーズ、ジュビロ磐田、ガンバ大阪。今季ここまで監督の首をすげ替えたクラブはJ1リーグで5つ。神戸は2人も代えている。ここからシーズン終盤に向け、まだ増える可能性がある。アビスパ福岡、北海道コンサドーレ札幌、京都サンガ、湘南ベルマーレなど降格候補の中で、今季まだ解任劇が起きて

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外せない選手に決まった大迫勇也の有効な活用法。1トップ下の方が面白い?

外せない選手に決まった大迫勇也の有効な活用法。1トップ下の方が面白い?

 年齢を重ねると1年が早く感じられるとは、多くの読者も実感されていることだと思う。W杯とW杯の間隔も同様。今回のカタール大会は、筆者にとっては通算11回目の現地取材になるが、その4年間は感覚的に狭まるばかりだ。今回は通常より半年間分、長いはずなのにその実感は湧いてこない。あっという間に過ぎ去った4年半だった。

 4年半前、日本がロストフでベルギーに大逆転負けした時、なによりドラマ仕立ての展開に酔

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ジャパンズ・ウェイというフィロソフィーに垣間見える日本サッカーに哲学が根付かない皮肉的な理由

ジャパンズ・ウェイというフィロソフィーに垣間見える日本サッカーに哲学が根付かない皮肉的な理由

 日本サッカー協会は「ナショナル・フットボール・フィロソフィとしてのJAPAN‘S WAY」と題した指針をホームページに掲載した。

 我々のアイデンティティに目を向けることで「弱者の論理から脱却し」、我々の武器を持って世界に打って出ていこうとの発想であり、世界の頂点を目指す道筋を立てていこうとしたのですーーとは、その冒頭部分を抜粋したものだが、このジャパンズ・ウェイで2050年までにW杯優勝を狙

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