マガジンのカバー画像

そのサッカーを疑え!

スポーツライター杉山茂樹が月4回程度発行する有料記事
¥540 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

2018年6月の記事一覧

できるだけ多くの選手を使い、そして勝つ。西野監督に求められる余裕とは

できるだけ多くの選手を使い、そして勝つ。西野監督に求められる余裕とは

 2-2で引き分けたセネガル戦。戦前、劣勢が予想された試合を引き分けたのだから、よくやったと言うべきだろう。しかし、同点に追いついた78分以降、日本はなおも流れを掴んでいた。観戦しながら正直、もどかしい気持ちにさせられた。日本は最後の押しに欠けていた。

 87分、乾貴士に代え宇佐美貴史を投入した西野監督は、最後までアグレッシブな姿勢を示したと試合後の会見で胸を張ったが、ピッチ上の選手たちに西野監

もっとみる
サッカーに適したロシアの快適な気候が、弱者を有利に導く可能性

サッカーに適したロシアの快適な気候が、弱者を有利に導く可能性

 ワールドカップの現地観戦取材はこれが10回目。偉そうで恐縮ですが、過去の大会と比較できる立場なので言わせてもらえば、今大会は面白い。いつものワールドカップに比べて格段に。そんな気がする。

 わかりやすい原因は気候だ。ロシアの6月は暑からず寒からず、ちょうどいい。避暑地のごとく快適なのである。モスクワで言えば、朝は15度ぐらいで少しひんやりしているが、日中は25度ぐらいまで上昇。そこそこ暑い。日

もっとみる
弱体化が予想されるロシアW杯後の日本サッカーに、つける薬はズバリ「哲学」だ

弱体化が予想されるロシアW杯後の日本サッカーに、つける薬はズバリ「哲学」だ

「3バックか、4バックか。どちらなのかわかりませんけれど、監督の求めるものを、ピッチの上で表現できれば……」と語ったのは、スイス戦後の槙野智章だ。3バックとは3-4-2-1。4バックとはおそらく4-2-3-1。前者は守備的サッカーに、後者は攻撃的サッカーに属する布陣だ。

 守備的か、攻撃的か。いまだ、どちらを採用するのか、選手はわからないそうだ。西野ジャパンの弱さを集約しているポイントだ。西野さ

もっとみる

西野ジャパンにつける薬。2016年クラブW杯決勝で、鹿島はなぜ、R・マドリーに大善戦できたのか

 W杯に期待するものは、日本代表の好成績だけなのか。日本代表に期待するものは成績だけなのか。

 西野監督がいかに名将であったとしても、日本がグループHでコロンビア、ポーランド、セネガルを抑えて2位以内に入るのは至難の業。ベスト16進出の可能性は、せいぜい10〜15%程度だろう。大手ブックメーカーのひとつであるウィリアムヒル社の予想によれば、H組の順列は以下の通り。

 コロンビア2.10倍、ポー

もっとみる