![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/30731681/rectangle_large_type_2_162cc4ca67f2640a239e9cd1892e3d19.png?width=800)
週末はフィルムを1本
週末はフィルムで1本撮るってのが習慣になってきた。土曜の午後にカメラとレンズを選んで、最近はKodakのGOLDかColor Plusを。
昨日はXR RIKENON 50mm F2をチョイス。Kマウントなので、カメラはPENTAX MX。フィルムはGOLD。
夕方の散歩で持ち出した。妻と一緒なので、犬は任せて。
廃墟となった社宅。昭和の香りがムンムンで、廃墟好きにはたまりまへん。
Bのフォントなんかがそそる。天下の三菱重工さんの社宅。
ここがこれからどうなってゆくか、注目。駅近で眺望あり、学区も文教地区ということで住宅地としては申し分ナシ。高いやろなあ。
駅まで来たら、どうやら橋の下でイベントやってるみたいなので行ってみることに。
見慣れた風景だけど、つい、撮ってしまう。
風が強めで気持ちいい。せっかくなのでビールを一杯。明石の地ビールを売ってたので。
屋外だしこの風なら感染を恐れるような状況ではないと思われ。
何でもかんでもアカン、というのではなくなって、ほどほどに楽しめるようになってもらいたいね。ほんと、息がつまるから。そして、商売されてる人にとって死活問題やから。
うまいこと共生していかなあかんのやろなあと思う。
日曜朝の散歩は川のほうへ。古くから人が住むエリア。
読売新聞朝刊の一面の隅っこに地球を読むってコラムがあって、今日はそれ読んでおぉ、となった。
筆者は慶応大の細谷雄一先生で、1971年生まれだからまさに同世代。同世代ってだけで話し合うところってある。同じ時代を生きてるから。
その方が新型コロナとの共生について書いておられた。
緊急事態宣言のもと、活動を制限された我々だったけれど、植物や動物はそんなことどこ吹く風で元気に成長していて勇気づけられたってとこにまず共感。そしてそこから風の谷のナウシカへ。
風の谷のナウシカで登場する王蟲がコロナのメタファーだと。そしてナウシカはその王蟲との共生を目指す。王蟲を怒らせてはいけない、共に生きようって。
地域で仕事して、暮らしていると、共に生きるって感覚が自ずと芽生える。顧客も地域の人だから。近づきすぎず、ほどよい距離感でおつき合いするのが必要だけど、地域のコミュニティってのがあって、そこでそこそこ助け合って生きてる感じがする。
都会というか、オフィス街ではそんなふうにはたぶんあんまり感じないんじゃないかな。知らんけど。
偉そうなこと言っても別に地域の役を率先して担ってるわけでもなく、むしろ遠ざかってる感じなんで説得力はないかもやけど、共生ってのはずっと意識してるつもり。
そして、細谷先生は国際政治学者の高坂正堯先生という偉人の言葉を巧みに引用されていた。これがぼくにとってタイムリーだった。
高坂は、1968年に刊行した著書「世界地図の中で考える」で、人間の体内では、病原菌が全体の均衡を創り出す一つの要素となる場合が多い、と分析する。
すなわち、「病気はこうした微生物のバランスが崩れるときにおこる」のだと。
高坂によれば、社会では、さまざまな要因が微妙な釣り合いを保っている。
「この均衡は絶えず変化しているし、異なった文明と接触するときには、異なった要因が導入されて均衡を破壊する」
「異質の要因によって均衡が崩れたとき、人体も社会も共に疾病にかかるし、あるときにはほろびるのである」
うちらの守備範囲でもまさに当てはまる話で、近頃よく言われていることである。
「均衡が破綻したとき、病気が起こる」
マイクロバイオームとか言って、最近そのような解釈が浸透してきたんだけど、高坂先生がおっしゃったのは我々が生まれる前の1968年というのがまた驚きだ。
50年以上前に、ある高名な国際政治学者が、そういうことを述べておられるのよ。あらゆることに通じる考え方なのね、これ。
みんなに存在理由があって、悪と言われるような存在も、必要なわけ。いろんな人や組織があって、バランスを保ってる。
一見悪のようでも、実は誰かを助けていたり、善のようでいて、他の誰かを傷つけていたり。みんなそれぞれにパズルのピースで欠けたら完成しないってところかな。
細谷先生の結びも引用させていただく。
バランスが崩れてしまった時に、人体では病気を発症し、国際政治では戦争が勃発する。
バランスの崩壊から回復に至る過程では、腐海も感染症も戦争も、一定の役割がある。
そう考えると新型コロナウイルスも、自然界と人間界のバランスを回復する役割を担っていると見るべきなのかもしれない。
バランスなのよね、なんでも。
そういうわけで、晩ごはんのとき、風の谷のナウシカを家族で観た。宮崎駿監督が言いたかったことが今まさに我々に突き付けられているのかもしれない。
XR RIKENON 50mm F2というレンズの初期型は和製ズミクロンと呼ばれるほどの描写だと言われている。メーカーはRICOH。作っていたのは富岡光学という当時の光学メーカーでは言わずと知れた会社らしい。そういう評判を知って手に入れたレンズ。なのにあんまり使ってなかった。
富岡光学はなくなり、カメラメーカーは淘汰されてゆく。共生できずに去ってゆく名門の存在はいつの時代でもある。どうして共に生きることができなかったのか。
生き残りをかけた争いというのも疲弊を生みそうで、悪あがきもほどほどにしておいたほうがいいのかな。
いずれにしても時代の流れの中では栄枯盛衰は仕方ないことなのよね。
変な悪あがきではなく、Win-Winの関係で共存を目指したい。そのためにできることをやりたい。
均衡が破綻しないよう、息抜きをしながら、がんばりすぎずに日々ほどほどに。地域での共生を考えると、そういうところに行きつく。
お客に媚びるようなことはせず、フェアな関係性を保つこと。
それで信頼関係の構築を目指そう。
素のジブンでそれができたらいいなと思う。こんなオレでよかったらやらせてもらいますよって感じで。
互いに認め合えたら、あんまり気を使わなくてつき合えるようになるからね。
こいつは失敗もするけどベスト尽くしてくれるからいいよねってなるような、互いに許し合える関係が共生よね。
このフィルムの感じ、めっちゃ好きやなあ。やっぱレンズの性能もあるよね。このレンズをデジタルカメラにつけて撮ってみることにしよう。フィルムとデジタルの共生関係だな。
ほんと、何にでもあてはまるやん。
すっかり色も変わってきた寄り添うカシワバアジサイの花。年老いてゆく夫婦みたいで撮り続けてる。
夫婦こそがまず共生していかなければならない。互いに尊重し合って、助け合って。つい一番大事なことを忘れがちだ。
共生しなくちゃいけないことは、犬も自然に身につけている。手本にすべきだと最近思っている。
世の中のあらゆることが必要で善と悪とがバランス保って
RICOH XR RIKENON 50mm F2 / PENTAX MX / Kodak GOLD 200
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?