年賀状の嫌な思い出。

クリスマスで賑わってきましたね。
それと同時に準備するのが年賀状。
私が学生時代の頃は友人に送っていましたが、今ではネットが普及してメールやLINE、SNSで済ませるようになりました。
それでもまだまだ年賀状だけでも挨拶し合う方々は世間には多くいるのだと、郵便局で年末年始のアルバイトをした時に感じました。
窓口からは見えない裏側で年賀状の仕分けをする際、厄介だと思ってしまう年賀状も少なくはありませんでした。
そんなわけで今回は
『最低賃金で働く郵便局短期アルバイトが嫌がる年賀状』
を当時の手書きメモを添えて紹介していこうかと思います。

まず、郵便番号があるだけである程度の町まで郵送可能なのはご存じかと思います。
ただ、その郵便番号や宛先を読み取るのは『区分機』と呼ばれる大きな機械です。
年賀状の場合、1時間で約5万通を仕分けることが可能です。
配達区域内であれば○○町○丁目などに仕分けられます。
配達区域外であれば都道府県や市町村で分けられ、各エリアの大きな郵便局に送られます。
殆どの優秀な年賀状であれば難なく機械に読み込まれますが、手書きでも印刷でも上手く読み込まれない郵便番号も多くあります。
簡単に再現したメモも見ていただけるとわかりやすいかと。

1枚目
  1. 癖のある文字(手書き)
    人間の目では読めても、機械は堅物なので読み込んでくれない、その1。
    オリジナルのフォントで可愛く書かれた文字ももちろんダメです。

  2. 太いペンで書かれたため、黒く塗りつぶされた文字(手書き)
    ダークマターと化した「4・7・9」と「3・8」は目視でも読み取れません。

  3. 二重線で修正された文字(印刷、手書き)
    人間の目では読めても、機械は堅物なので読み込んでくれない、その2。

  4. レイアウトがずれてしまった文字、縦方向(印刷)
    人間の目では読めても、機械は堅物なので読み込んでくれない、その3。
    試し刷りして問題がないか確認してから本番の印刷をしてください。

  5. お子様のえんぴつ文字(手書き)
    お子様に書かせてあげたい気持ちはわかるし、はがきの宛先の書き方を勉強させるのもとても良い経験・方針だと思う。ただ、申し訳ないけど暗号のような文字ではアルバイトには解読不可能な場合もある。本当に申し訳ないけど、あて先はもう少し文字の練習をしてからにして欲しい。あと、表裏問わずに鉛筆は他の年賀状を汚す可能性もあるので控えて欲しい。

2枚目
  1. 誤魔化すような修正(印字、手書き)
    機械でも誤認する場合もあるし、目視でも二度見し、こっちかなぁと不安に思いながら仕分けたこともある。二重線の方がマシな時もある。

  2. レイアウトがずれてしまった文字、横方向(印刷)
    1枚目では縦方向だったが、コチラは横方向。試し刷りしてね。

  3. 忘却(印刷、手書き)
    郵便局のHPやグーグルマップでも郵便番号は検索可能です。全七桁もしくは上三桁であれば機械で読み取れます。配達区域内であれば真っ白な無記入よりかはマシですが、配達区域外だと上三桁は欲しいです。

  4. インク不足(印刷)
    年賀状しかプリンターを使わない家庭なら経験があるかもしれない。試し刷りでは大丈夫だったが途中で雲行きが怪しくなっていくタイプ。クリーナー機能も使いつつ、インクには気を付けたいところ。可能ならボールペンで良いから隙間を埋めてほしい。

  5. 残像(印刷、手書き)
    手書きでシャーペンや鉛筆の下書きが残っている場合と、印刷でインク不足だったから補充して上書きした場合がある。思わず乱視を疑った。手書きの場合、インクジェット紙と消しゴムの相性は悪いので、薄いシャーペンがマシかと思われる。印刷の場合、番号だけならまだしも、漢字がつぶれている場合は諦めて廃棄してほしい。

3枚目

横向き。
あんな、はがきってな、縦向きやねん。

4枚目

宛名シール。
企業さんからお客さん宛によくあるタイプ。
赤枠に郵便番号を書いてほしい。
あと、数枚程度なら良いけど、100枚以上になってくるとシールの部分だけ分厚くなり、軍手を装着していてもまとめて掴んだ際に滑ってばら撒く事件を起こしたのは私だけではないです。
それと、シールタイプは百歩譲って許せたとしても、コピー用紙に印刷したものをのりやセロテープで軽く止めた物は、あて先を紛失する恐れがあるため機械に入れられません。
もし、どうしてもコピー用紙を張り付けたい場合は、周りを両面テープでしっかり固定してほしい。
セロテープも機械の都合上あまりよろしくないカモなので。

画像では用意できなかったのですが、海外のオシャレなポストカードで送られてくるものもありました。
海外だと日本と逆で、番地などが先で都道府県が最後なんですよね。
もちろん機械は日本仕様なので読み込めません。
そもそも横向きが多いですし。
表面の住所の横にメッセージを書かれたものもあり、プライバシーに関わるので読んではいけないのですが、住所欄にまで溢れ出す熱いメッセージには手を焼かれました。
どこまでメッセージで、どこから住所なのか…

送り先が引っ越し済みなどで不在だった場合、送り主に返送されます。
アルバイト含め局員は原則表面だけ見るのですが、表面に送り主の住所が記載されていない場合、裏面を確認することになります。
そこにも送り主の住所が書かれていなかった時の絶望感はハンパないですね。
私はアルバイトだったので正社員の方に渡して対処して頂きましたが、あの行き場を失ったはがきは処分されてしまったのだろうか…
宛先の住所も大事ですが、送り主の住所も忘れずにお願いします。

ここまでは表面を中心に郵便番号や住所の話でしたが、裏面による被害もいくつかご紹介します。

  1. 手描きイラスト
    オタクやデザイン系の学生の友人、私もやったことがあります。コピック等のイラスト用マーカーは油性が多いので紙の裏側(はがきの表面)まで滲むんですよね。年賀状でコレをされると、住所がカラフルになります。パステルカラーならまだましですが、ガッツリと濃い色で彩られると目視でも住所が読めない場合があります。マーカー以外にも絵具や水彩、習字や水墨画で描かれると紙がシワシワになり、機械に入れると紙詰まりする場合も。できればデジタル描くかスキャナー等で取り込み印刷してほしい。

  2. ラメパウダー
    キラキラのラメラメで煌びやかに仕上げられたんだろうなぁと、表面に付着したラメから察しました。他の方の年賀状にまで付着するのでやめてほしい。

  3. 立体物の装飾
    日本郵便から注意喚起の声を上げて欲しいと思うNo.1の面倒な年賀状ですね(個人の感想です)。立体感のあるシールは機械に入れられないので控えて欲しいなぁと思う程度なのですが、都会の保育園や幼稚園から園児たち宛に出された年賀状に多く見られたのが『貼り絵や折り紙の貼り付け』です。園児たちの笑顔を見る前にアルバイト局員が鬼の形相になります。機械はもちろん入れられませんし、手作業で仕分けるにも元旦に間に合わせるために素早さを求められる中、はがきサイズからはみ出る位置に糊付けされただけの不安定で破れる恐れもあるデリケートなものを何十枚も出されると、ただでさえ虚無の精神で作業しているアルバイトも恨みの念が沸き上がります。園の方針で仕方なく作らされてる先生もいらっしゃるかもしれませんが、アルバイト局員の目線からは「今すぐ止めさせてくれ」と声を大にして伝えたいものでした。園児たちに届いた時、キレイな状態だったら局員を褒めて欲しいし、破れたり汚くなっていても局員を責めないで欲しい。そもそも郵便ポストに投函された時点でグシャッとなる場合もあるし、ポストから郵便局へ回収される時、ポストの中の袋をひっくり返すようにはがきを卓上やカゴに取り出すので、その時点で破れる可能性もあるんですよね。

他にも地味に嫌だったものが、企業からの年賀状でよく見られた『はがきサイズより一回り大きい、捲れる広告はがき』ですね。
局により違いがあるかもしれませんが、アルバイト局員に支給されるのは両手親指の指サックがほとんどだと思います。
運よく優しい指導者に当たれば軍手を貸してもらえる場合もあります。
指サックのみで作業していると、はみ出した一回り大きいはがきで手指を切ることがあるんですよね。
地味ですが紙で切ると痛いんですよね。
出血の有無もありますが、手を洗った時も染みるんですよね。


長くなりましたが、今回はコレくらいにしましょう。
この記事はあくまで『短期アルバイト目線』で書いています。
最低賃金、最長1日3時間の残業アリ、やってもやっても年賀状、そんな職場でした。
黙々と作業することに苦痛を感じない性格であれば、高校生でも可能なアルバイトです(夜勤は高校性不可)。
また、正社員の局員の中には36時間連続勤務されている方もいらっしゃいました。
年賀状の文化が廃れるのは悲しいですが、局員が苦しむのも良くないなぁと。
そんな過去のアルバイトの感想でした。
来週はまた創作小説を更新する予定です。

ちなみに、地元の郵便局と首都圏の郵便局の2か所で短期バイトの経験がありますが、首都圏は地元の十数倍くらいの規模でビックリしました。
本当に年賀状の量が減っているのかと疑うくらい大量でした。
郵便局員を労わってあげて。

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