忘れられない思い出(12歳の金木犀少年が吃音で死ぬほど悩んだ”呼びかけ”とは)
金木犀の丙午仲間で、人気占い師の星マリアさんから、#noteリレーのバトンを受け取りました。
私は、マリアさんには、よくビックリさせられますが、今回の記事を読ませて頂き、またまた吃驚仰天しました。
私のマリアさんのイメージは、上品で、清楚だということです。しかし、両親から虐待され、友達はおらず、売られた喧嘩は死に物狂いで買うなど、凄まじい子供時代を送られていたそうです。
そんなマリアさんが、どのように今のマリアさんになったかは、いろいろな記事を書かれています。また、ビックリの連続ですが、是非そちらもご覧ください。
さて、マリアさんから頂いたお題は、「忘れられない思い出」です。
「忘れられない思い出」というと、私は楽しかったことより辛かったことを思い出してしまいます。
私は、子供の頃から吃音で悩まされてきました。今でも吃音はあるので、緊張するような場面で話をするのはやはり苦手です。
以前も、「私と吃音について」というシリーズで、私の半生に渡って吃音のことを書いてきました。その中で、私が「死ぬほど」悩んだ「呼びかけ」についての記事もありますが、今回、再度書きたいと思います。
「呼びかけ」とは、私の通っていた小学校の卒業式で、毎回行っていた卒業生による「出し物」みたいなものです。
内容は、小学校時代の生活やエピソードを物語風にして、卒業生全員が1フレーズずつ叫んでいくというものです。
この、全員というのがミソといいますか、私も言わなくてはいけないということです。これを5年生の時、知った私にとっては、「死刑宣告」みたいなものでした。
吃音というのは、連発と難発があります。連発というのは、最初の語を繰り返して(トマトをト・ト・ト・・・)次にいけない現象で、難発というのは、発声器官が硬直して一言も発せない(・・・・・)現象です。
連発で、どもっている姿は奇妙でおかしいので、子供でしたら笑います。笑われるのがいやで、最初の語だけ意識して発音しようとすると、難発になります。
卒業式当日、父母や来賓も来ている厳粛な雰囲気のなかで、卒業式が始まります。「呼びかけ」が始まり、流れるように話が進んでいきます。それが私の番になったら、ぴたっと止まってしまいます。周りがざわめき、注目する中に、一言も言えず、四苦八苦している金木犀少年がいる。
今、考えてもぞっとするような場面を想像し、6年生になってからは思い出すたびに悩み、苦しみました。当時の私は、思春期にあり、現在のようなずうずうしさはなく、卒業式を欠席しようとか、私だけ呼びかけを外してもらおうなど、考えもできませんでした。また、肉体が苦しんだら、心の苦しみは無くなるかと思い、わざと体を痛めつける、自傷行為のようなこともしました。成長期にもかかわらず、体重は減り、「うつ」状態だったと思います。
いよいよ、卒業が近くなってきた時に、もうこれしかないと思い、日記帳に当時の思いをありのまま書いて、先生に提出しました。
当時の担任は、女性で以前、日記を褒めてくれた恩師として記事にも書いた先生です。正義感があり、いつも元気で気風が良く、生徒に好かれていました。
先生は、日記を読み、さすがに問題だと思ったのか、保健の先生などと相談したようです。そして、私を呼び出して、言われました。
「大丈夫、君ならできる!」
私はそれを聞いて、涙がぽろぽろ流れてきました。(私にとって)この大変な困難に立ち向かおうという勇気が出てきました。
呼びかけの言葉を選ぶ時、先生は私に優先で選ばせてくれました。私は1番短くて言いやすそうな「勇気を出して」という言葉を選びました。
そして、卒業式のリハーサルが始まりました。うまく言えたときも、言えなかった時もありました。私がどもると、他のクラスの子から笑われたりしました。私の学年では、私が知っているだけでも他に2人吃音の子がいました。その2人も逃げずに頑張っている。応援したくなる連帯感がありました。他のクラスの先生も、私を応援してくれている。そんな、充実感も感じることができました。
いよいよ、卒業式本番です。
先生方、卒業生、在校生として5年生全員、父母、来賓などが集まりました。私は卒業で悲しいとかいうのはとんでいて、「呼びかけ」のことしか、頭にありませんでした。
「呼びかけ」が始まりました。だんだん私の順番が迫ってきます。その時の破裂しそうな胸の鼓動は、今でもはっきり覚えています。
結果は「言えた」でした。
緊張すると、吃音はひどくなります。しかし、それを超えた極度の緊張といいますか、頭が空白になって、吃音のことを忘れたのかもしれません。
当時の私は特異な精神状態で、涙もろくなっていました。私を支え、応援してくれた、先生方、両親、友達などに感謝の気持ちで一杯でした。
それまでの人生で最大の難関を乗り切ったのですが、その後も吃音との付き合いは続きます。しかし、54歳の現在、考えてみてもこのエピソードは、吃音に関しては最大の試練でした。
今、思い出しても涙が出てきます。12歳の金木犀少年に合えたら、よくやったと褒めてやりたい気持ちです。
このエピソードはやはり、一生忘れられない思い出であります。
この企画、#noteリレーは、sakuさんの企画になります。
参加の機会を頂き、ありがとうございました!
さて、次にバトンをお渡しする方は、mageta-hikaraiさんです。
前回も紹介しましたが、hikari姉ちゃんは、私のオンライン家族の長女で頼れる存在です。いつもお世話になり、助けてもらっています。今回も、次の人が見つからず困っていたのですが、快く引き受けてくれました。
お題は姉ちゃんと相談して、「hikari姉ちゃんのお仕事とは」にしました。
hikari姉ちゃんは、私の姉ちゃんですが、プライベートなことは、あまり知りません。アメリカでのお仕事も知っているのは、教育関係ということくらいです。今回、お仕事のことを話しても良いということなので、是非、それについて書いて頂きたいと思いました。
それでは、バトンをお渡ししますので、hikari姉ちゃん、宜しくお願いします!
私にしては、長文でした。読んで頂き、ありがとうございました。
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