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奈良大峰山「千日回峰行」の道を歩く(その2)

 ご無沙汰しております。しばらく記事を書かずにおりましたが、たまには投稿しようと思います。

 昨年(2022年)の5月に千日回峰行せんにちかいほうぎょうの道を歩くという記事を書きました。

 前回は、様子見という意味もあったのですが、3つ登る山のうち最初の1つしか越えることができませんでした。
 前回登ったのは四寸岩山しすんいわやまといいます。

1235mの四寸岩山の頂上です。

この山を下ると自動車道路に出ますが、前回はここで引き返しました。

車道に出た所です。

 前回の経験から48kmの全行程を1日で歩くのは無理と判断しました。そこで今回は、この場所から出発することにしました。2つ目の山は大天井ヶ岳おてんしょうがたけです。

1439mの大天井ヶ岳山頂です。

 ここまで、出発してから1時間半で来ました。実はこの日は水分を持っていくのを忘れるという失敗をしましたので、もう少し行きたかったのですが、ここで引き返すこととしました。こちらは「女人結界」ではないので、女性の登山者もいます。

 翌日、千日回峰行のルートからは外れますが、3つ目の山である「山上ヶ岳」を麓の「山上ヶ岳登山口」から登ることにしました。ちなみに千日回峰行は大天井ヶ岳から案内板の赤い線で示してある大峯奥駈道おおみねおくがけみちを通ります。

案内板下の「山上ヶ岳登山口」から右上の「山上ヶ岳山頂」までのコースです。

 山上ヶ岳登山口から頂上までは、高低差が約800mで往復約10.2kmの行程になります。当日の出発は朝の8時くらいで、5月初旬にしては気温は低くて6度でしたが好天に恵まれてすがすがしく気持ちの良い朝でした。

 この辺りはツキノワグマがいるそうなので、クマよけの風鈴をつけます。ちなみにこれは四国のお遍路の時に購入したもので空海さんがついてくれているという意味で「同行二人」と書いてあります。また、吉野の金峯山寺きんぷせんじのお守り、京都の醍醐寺のお守りなどを身につけてお守り関係は万全でした。また、「登山届」も設置してありましたので、記入してから出発しました。

 登山口に入るとすぐに、冒頭の写真である「女人結界門」があります。山上ヶ岳周辺は今も女人禁制地となっています。

 私は男性なので入れますが、今の時代で女人禁制地があるというのに納得のいかない人もいるのではないかと思います。

 当山は修験道しゅげんどうの聖地となっており、私の様な登山者の他にも「山伏」の装束を着た行者と見られる方が多数おられました。やはり女性には会わなかったです。

 修験道の開祖は神変大菩薩じんべんだいぼさつといわれる役行者えんのぎょうじゃとされています。また、行者の守護神は不動明王です。そのため、山道沿いには役行者さんとお不動さんの石像や祠が多くあります。

不動明王像です。

 役行者さんのご真言は、
「オン ギャクギャク エンノウバソク アランキャ ソワカ」
というそうです。山登りをする時、これを唱えると役行者さんが力を貸してくれるそうなので、私も唱えながら登りました。他にも山伏の装束をした団体がお不動さんのご真言を大声で唱えながら登るのを見ました。また、通常山中で他の人とすれ違う時は「こんにちは!」といいますが、ここでは「おまいり~」または「ようおまいり~」と挨拶をするということを知りました。

途中、このような茶屋が何件かあります。無人の所と有人でお守りや食料等を販売している所があります。

山頂近くになるとごつごつした岩が出てきます。

岩場が修行の場所でしょうか。


「西の覗」です。この先が断崖絶壁になっていて、修行者がここから下を覗く修行の場です。
山頂周辺には、大きいお寺や宿坊もあります。

今回は休憩なしに一気に登り、山頂に着くまで約4時間かかりました。

山上ヶ岳山頂は笹が生い茂り、広々としています。

 頂上に着いたのが、12時で、30分休憩して下りました。下りは約2時間半かかりました。

 今回は、千日回峰行の正規のルートは外れたものの、前回登れなかった2つの山に登ることができました。昨年からこの辺りの修験道の聖地に魅せられて何度も訪れてみたい場所の1つになりました。次回は、千日回峰行の残りのルートに挑戦してみたいと思っております。

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