教科書を読もう
年度末(2019年度末)に休校が続いて、新年度(2020年度)の始まりも見通せない状況にあって、私の勤務校ではオンラインの会議を試したり、オンラインの授業を検討したりしているところです。(2020春)
さて、オンラインで授業をすることになった場合、具体的にどんな風にやれるでしょうか。私が思うに、「教科書を読もう」を基本に置くのが良いのではないでしょうか。
なぜなら、先生たちがいきなり売れっ子ユーチューバーのようになれそうにないというのもありますが、もっと積極的な理由として、
と思うからです。
考えてみると、私たちがいま何か(例えばプログラミング言語とか統計とか)を学ぼうとする場合、「テキストをしっかり読む」という場面があるはずです。本を買ってきて、頭から順番に丁寧に、分からなかったら前に戻ったりしながらじっくりと読み進める、これが学びの姿の1つです。典型的な形です。
教科書出版会社におもねるわけではありませんが、「読めばわかる」ように教科書は作られているわけですし、生涯学習という文脈で考えても、高校生が「読みながら理解する」という学び方を習得することはとても大事なことだと思うのです。
でも、実は私もそうなのですが、普段の授業では「教科書を読め」という指導をしていないわけです。そして生徒の側でも「教科書を読む」ことをしなくなっている。教科書は読むためのものというより、覚えるべき事柄が並んでいるもの、公式と練習問題が載っているもの、教員も生徒も教科書をそのように捉えている、これが現実なのではないでしょうか。
でも、対面授業ができない今だからこそ、教科書をうまく使いたい。うまくというより、本来の使い方をすればいい。まずは、教科書を読もう。そしてその上で、課題をやるなり、ユーチューブ動画を見るなりしよう。もしこれから休校期間が延びたりしたら、こういう形で進めれば良いんじゃないかと私は考えている次第です。
もう一つ、オンライン会議を経験して思ったこと。生徒との間で必要なのは、オンラインの授業より、オンラインでの会話だろうと。オンラインで一方通行の授業をやるより、オンライン会議の機能を使って、1対1の面談、グループでの対話・議論・お喋りすることがいま必要なんじゃないかと感じています。
緊急事態はチャンスでもありそうですね。
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