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「がんばりたいと思います」の構造(漫才版)

 今回の漫才構文講座のお題は「6月」(例→梅雨、結婚 など)ということだが、「オリンピック前」なのでその線で作ってみた。
 ここのところ「屁理屈漫才」に邁進している。面白いかどうか、笑えるかどうかより、???と思われようが、呆れられようが、お構いなしに屁理屈路線を突き進んでいる。

A:もうすぐオリンピック・パラリンピックやなぁ。
B:日本人選手、メダル取って欲しいなぁ。
A:それなら間違いないな。
B:なんでや?
A:だって、オリンピック・パラリンピックやるんやろ?
B:コロナ禍でもやるみたいやな。
A:でも、外国人選手、来ないよね。
B:そやな。特にパラリンピックの方はそうかもな。
A:だったら必然的に「日本人選手のメダル・ラッシュ」や。
B:うーん、なんか素直には喜べんなぁ。
A:まぁえぇがな。選手はがんばってるんやから。

B:せやな。選手がテレビで「がんばりたいと思います」って言うてるの、あれ良いよな。
A:なんでや? それはアカンで。
B:「がんばってやー」って思うやん。こっちも元気でるで。
A:「がんばる」のはエエんや。けど、「たい」ってなんやねん?
B:「たい」は「何々したい」、希望・願望やな。
A:なんでここで「願望」が出てくるねん?
B:「メダル取りたい、がんばりたい」、それでエエやん。
A:「メダル取りたい」はエエんや。「結果+希望」やからな。
  けど「がんばる」という意志に「したい」という願望つけたらあかん。
B:またお前の屁理屈かっ。
A:それだけやない。「思う」ってなんやねん?
  この場面で「感想」言うてどないするねん?
B:まぁまぁ落ち着け。
A:アスリートだけやない、アイドルもや。
B:確かに、みんなこぞって「がんばりたいと思います」って言うな。
A:「がんばります」で良いのにね。

B:そやけど、お前は細かいことにいつもガタガタうるさいなぁ。
A:「がんばる」に願望と感想をつなげるなんて、論理的に破綻してるで。
  ホントにがんばる気ぃ、あるんかい!?
B:はいはい、分かった、分かった。けど、そんなんどっちでもいいやん。
A:お前は、俺が言うことホントに「分かった」んか、
  それとも「分かりたいと思った」んか、どっちや?
B:「分かりたいと思った」って答えたらどうなる?
A:どついたるわ!

 ここのところブレずに「屁理屈漫才」に邁進しています。
 勢いで、漫才師でもないのに、コンビでもないのにコンビ名を考えました。コンビ名は「屁理屈から理屈を取ったら屁だけが残る」です。
 「長い!」って? そう言われるだろうと思って、それにまつわるやり取りも準備しています。

A:どーもー「屁理屈から理屈を取ったら屁だけが残る」でーす。
C:長いわ! 「屁」だけが残るんなら「屁」で良いやん。
A:省略せんといてください。フルネームで呼んでください。
C:でも、いくらなんでも長すぎるわ!
A:そもそもその名前、「『理屈』取らんといてー」って意味やねん。
C:そんならしょうがない。「屁理屈」って呼んだるわ。

というわけで、短縮系は「屁理屈」。「もしドラ」みたいなもんです。

(※「がんばりたいと思います」に加えて「おわびを申し上げたいと思います」と「信頼回復に努める」の構造についても考えた 別記事 もどうぞ)

(追: オリンピックでメダル取った選手が言ってた。
  「支えてくれた人みんなに感謝したいと思います。」
おいおい、「たい」ってなんやねん。「思う」ってなんやねん。
お前、感謝する気あるんかい!?
願わんでえぇ、思わんでえぇ、素直に感謝せぇよ。

いや、それも違うな。
「感謝する」と言うことと「感謝すること」は違うで。
「いただきます」言うのと「食べる」のとは違う、それと一緒や。
「感謝します」言うより「ありがとう」と言え。それが感謝や。

◇      ◇      ◇

〜 言葉の魔術師、理屈の手品師、視点の道化師 〜
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