未来予測2
先の見えない時代と言いますが、はっきりくっきり見えている未来もあります。未来予測1の続編です。
◇ 動物の脳が人間を超えるときこそがシンギュラリティ
コンピュータが人間を超えるというけれど、何のことはない、人間は何十年も前から計算の速さと正確さにおいて電卓に負けている。人工知能が機械であるうちは心配は要らない。
◇ 核家族の終わり
子供がたくさん生まれて、かつ人口が田舎から都会に移動した時代にできた家族形態が核家族だ。昔から当たり前にあった形ではないし、いつまでも続くわけでもない。
◇ 石油の最後の1滴
石油を掘るための燃料は、石油です。簡単に掘れるものが無くなったら、より多くの石油を投入すればまた掘れる。その分価格が上昇して、同時に採算がとれる部分も広がる。こうして石油はいくらでも湧いてくる。
動物の脳が人間を超えるときこそがシンギュラリティ
人工知能が人間を超えるのは当たり前。コンピュータの強みは速さと量と正確さだから、その点で人間がコンピュータに勝負を挑んでも仕方がない。例えば、計算の速さと正確さにおいては、人間は何十年も前に電卓にすら負けている。バイクと駆けっこしても勝ち目がないように、ショベルカーと力比べしても勝ち目がないように、機械が人間を超えるというなら、すでに多くの点で人間は機械に負けている。
囲碁や将棋で人間が人工知能に負けるのも当然だろう。先の手を読むスピード、間違えずに手を打つ正確さ、過去の対戦データを記憶する容量など、まったくもってコンピュータの得意とするところである。
そう考えると「人工知能が人間を超える」のは驚くことではないし、脅威でもない。人間は人工知能やコンピュータや機械と勝負しようなどと思わずに、うまく使えばいいのである。そもそも人工知能と言ったところで、所詮は人がコードすなわち文字列を入力して動くものだから、与えた命令を超えて勝手に動くことはない。
むしろ私が脅威に感じるのは「動物の脳が人間を超える」ことだ。というのは、人工知能が本当に力を発揮するのは「脳とつないだとき」だからだ。けれども現実には、人間の脳と人工知能を直接つなごうとしても、おそらくストップがかかる。倫理的・道義的・政治的にすぐには許されそうにないからだ。リスクもある。
だから、きっと動物実験が先行する。ボケ防止・脳の治療・心のケアなど、人の役に立てる目的のためだ。実験に供されるのはマウスだったり、あるいは人間に近いということでチンパンジーが選ばれることもあるだろう。そしてそうなると、脳科学の発展、遺伝子工学の発展とあいまって、実験に供された動物の脳が劇的に変化する。それくらいの技術レベルに達するのはそう遠い未来ではないだろう。
そしてこのとき、人間の手に負えない状況になりうるのである。人工知能が機械であるうちは心配は要らない。
核家族の終わり
家族に子供がたくさんいれば、子供がみんなずっと家にいるわけにはいかない。親と同居するのはそのうちの1人で、他の子供たちは結婚したら独立して新たに家を持つのは自然なことだ。仕事を求めて地方から都会に出て行く場合も然り。こうして核家族が発生した。核家族では子育てのために誰かが家に常駐するのも自然なことで、母親がその役割を担った。それが、ここ30年の日本の姿だった。
ところで、子供の数が少なくなれば、この形は変わっていかざるをえなくなる。少ない子供たちがみな家から出て行ったら、老人だけの家庭が出来上がる。そうなると、元気な老人もたくさんいるのに、やることがない。女性の社会進出が進んでいるとはいえ、母親は相変わらず仕事に出にくい。両親が仕事に出れば、両親の負担が増え、子供にとっても育ちにくい環境になる。もちろん子供を産みにくい。
でも、考えてごらんよ。家庭に子供が少ないなら、やがて独立して自分だけの家を持たなければならないということにはならない。子供が2人なら、2人とも自分の親、もしくは配偶者の親と一緒に住むことができるのだ。3世代が一緒に住めば、じいさん・ばあさんは子供の世話という社会的任務を引き受けられて、とうさん・かあさんはバリバリ働けて、子供たちは家族と一緒にすくすく育つのだよ。
上図はこれまでの姿。中図はたった今の姿。下図は間もなくこうなるであろう姿。それぞれ典型的な姿。
石油の最後の1滴
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